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身体活動が減少すると
骨折や転倒事故が発生する確率がわずか11.8%という数字を聞いたとき、「それほど深刻な問題ではないのかもしれない」と思われるかもしれませんが、実際には、外傷による身体活動の減少がさらなる危険を引き起こす可能性があります。例えば、骨折がなくても、一度転倒を経験すると、歩行に不安を感じるようになり、外出をためらう「転倒後症候群」に陥ることがあります。
そのため、外傷による身体活動の減少は筋力の低下や骨粗鬆症の進行などを引き起こし、さらにはメタボリックシンドロームにつながる恐れがあります。メタボリックシンドロームは高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病へとつながるリスクを高めます。これらのリスクは、身体活動の減少からくる転倒後症候群でも同様に懸念されます。
さらに、転倒や骨折によって認知症やうつ症状を引き起こすリスクも指摘されています。実際、認知症と診断された人でも、ウォーキングなどのリハビリテーションを適切に行うことで改善する可能性が高いことが報告されています。
骨が脆弱になっている場合、軽微な転倒でも骨折につながりやすくなります。そのため、骨を強化して骨折や転倒を未然に防ぐことができれば、健康を維持するために重要な一歩となります。