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正しい診断でむずむず足の適切な治療

一次性(特発性)のむずむず脚症候群(RLS)の起因はまだ完全に解明されていませんが、近年の研究によると、中枢神経系に存在する神経伝達物質であるドーパミンのバランスが乱れることが関連している可能性があります。この病態に対する治療法としては、ドーパミン受容体を刺激する薬物や脳内の興奮性神経伝達物質に干渉する薬剤が用いられます。このような治療を受けるには、適切な医師による正確な診断が必要です。

RLSの特徴の一つとして、睡眠障害を伴う場合があります。足の不快感が睡眠を妨げ、眠りに落ちるのが難しくなることや、眠っている最中に頻繁に足を動かすことが挙げられます。また、無意識のうちに足が痙攣運動を繰り返す「周期性四肢運動」と呼ばれる症状も現れ、これも睡眠の質を低下させる原因の一つとなります。そのため、「足がむずむずする」という症状よりも、「なかなか眠れない」と感じる方が多く、その原因がはっきりせずに睡眠導入剤が処方されることもあります。

しかしながら、そのような対処方法では、むずむず脚症候群(RLS)の根本的な改善にはつながりにくいことがあります。睡眠が十分に取れず、日中も眠たくて仕事に集中できなくなり、疲れが取れないといった負のサイクルに困ってしまう可能性があります。

むずむず脚症候群(RLS)には、以下の4つの診断基準が存在します。

1. 脚を動かしたい衝動が、不快な下肢の異常な感覚によって引き起こされること。
2. その異常な感覚が、静止状態である時や静かに横になっている際に始まるか、悪化すること。
3. その異常な感覚が、運動(叩く、もむ、足をこする、足踏みをする、歩き回るなど)によって改善されること。
4. その異常な感覚が、夕方や夜間に日中よりも悪化すること。

上記のような症状がある場合、早めに医療機関を受診することがおすすめされます。むずむず脚症候群(RLS)専門の外来や、脳神経内科、総合内科(総合診療科)だけでなく、睡眠障害が続いている場合は精神科や睡眠専門の外来を選択肢のひとつとして考えることができます。

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