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SaaSを導入するの、難しいけどありがたいね、という話。 #SaaSLovers DAY13

はじめに

みなさん、こんにちは。株式会社Ansatzという小さな会社の代表をしている古賀と申します。約8年間にわたり2社のSaaS企業で働いた後、2021年に独立し、現在は独立しマーケティング支援やコーヒースタンドの運営を行っています。

今回のnoteは、私の新卒時代の先輩である小松さんが運営されている #SaaSLovers という企画での投稿です。
昨日の投稿は高山(@satoshi_2125)さんのAISaaSの新たな関係でした。

いろんな軸の話があって面白いですよ

これまでの投稿ではいまSaaS企業で働く方々が中心でしたが、もう私はその現場にはいませんし、ベンダー出身である私がいまスモールビジネスを運営する中で「どのようにSaaSを活用しているのか」そして「SaaS導入をしてみて何を感じているか」をバックオフィスでのSaaS活用にフォーカスを当てて書き連ねたいと思います。

(前提条件ですが、弊社はこの2月末で4期目が終了します。社員は私ともう1名、アルバイト&業務委託が合わせて10名ほどという小さな規模感の会社です。)

現在のバックオフィス全体像

最初に現状の私たちのバックオフィスを図示すると、以下のようになります。コーヒースタンドを始めたりして、色々利用サービスが増えていて、労務・総務・法務・経理などの業務は気がつけばSaaSが中心になっています。

すべて網羅できていなかったり、粒度がバラついている絵ですがご容赦ください

改めてよくできてるな、と思いますが業務が関連するものは他社サービスであってもおおよそAPI連携ソリューションが用意されており、誰がどのような構成になっていても一定水準きれいなオペレーションを組める状態になっています。

私たちの会社で利用しているSaaS群も、全ての業務が完全に連携できているわけではなく一部手作業もありますが、「どこで」「何を」するかは明確になっており、アルバイトや業務委託が増えても対応しやすい環境を構築できているかなと思います。

そもそも人が少ないスモールビジネスでSaaSの活用を進めるうえで大きなボトルネックになるのは「運用者をつける」という点。SaaSをワークさせるという観点も含めて、私たちはオンラインアシスタントを採用し、SaaSの運用がきれいに回るよう、調整をお願いしています。

別軸の話にもなりますがオンラインアシスタントも必要時に必要なリソースをお借りすることができ、とても便利でスモールビジネスの強い味方です。
わたしたちはタスカルさん(https://taskar.online/)に手伝ってもらっていて、バックオフィスの様々なことを手伝っていただいています。(BPaaSのような概念はSMBが中心のSaaSであれば殊更刺さるよなとも思います)

結局導入しても運用する人がいなければ何の意味もないので、リソースを調達することも非常に重要なテーマです

これまでのバックオフィス体制の遍歴

もしかするとこれから1人会社をはじめようとされているかたに参考になるかもしれないので、「会社をはじめてから先程の体制に至るまで」の自社のバックオフィスでの利用サービスの変遷を整理してみました。

赤字は導入のきっかけです。一度入ったらやめられまへんな

1年目は固定費を抑えるためスプレッドシートなどのGoogle系サービスを積極活用していましたが、業務委託が増えたり、インターン(アルバイト)を採用したり、明確に必要性が出たタイミングで徐々にSaaSへ移行しています。

例えば、直近では勤怠管理サービスの導入を決めました。これは社員やインターンに加えて、コーヒースタンド事業を始めたことでアルバイトが増え、スプレッドシートでは管理が煩雑になることが見込まれたからです。3月から実働予定の「Bakuraku勤怠」は、お店のスタッフも楽に登録できるSlack FirstなUX設計と、今後必要になりそうな機能の実装に期待できる点で導入を決めました。

また他の例でいうとBillOneも電子帳簿保存法の観点からソリューションを探した結果、導入を決めたSaaSです。業務委託のかたからの請求書をここで受けたり、請求書をポチポチ登録していたりします。請求書をメールやSlackでもらって、登録して、といったオペレーションがなくなったのは月初の自分の工数が削減されましたし、「なくてはならない」神サービスだと思っています。

利用側としてSaaS導入に感じていること

SaaS提供側から利用側に移って、現在SaaSを用いてバックオフィスを整えている中で感じていることを3点ほどまとめたいと思います。

1. 全体最適からSaaSを導入することは本当に難しい

これは本当に痛感しているところです。経理なら経理の、勤怠なら勤怠の、それぞれのイシューに対してソリューションが存在しているため、全体から整理してSaaSを導入するのは非常に難しいです。
この規模感の私達でさえ、現状の体制で非効率になっているだろう部分はあります。例えば、freeeにも勤怠管理機能がありますし、他にも勤怠管理+経費管理一体型のサービスがある中で、費用面や導入タイミングの側面からツギハギで導入をしてしまっています。将来的に規模が大きくなれば、現状よりももっと良いオペレーションがあるでしょうし、このあたりをしっかり設計していくことは今後の課題になりそうです。

2. SaaS導入の最大の敵は「現状維持」

これもまたよくいわれる話だとは思いますが、SaaS導入の最大の敵は「現状維持」というのは本当にその通りでした。 現状維持は「今」だけを考えると最も楽な策であることも多いです。正直スプレッドシートや人力で何とかなることも多く、新しいツールを導入する精神的なハードルはSaaS畑にいた僕ですら意外と高いと感じます。
前述した通り、誰がやる問題もつきまといます。いれたはいいもののコミットしきれず、結局月額費用だけを粛々と払っている、なんてことは想像に難くないですし、実際にありました。現状維持を打破するだけの緊急性の高いテーマ、それをなんとか解決するモチベーションの維持、このあたりは重要なのだろうと思います。

3. カスタマーサクセスはプロダクトの一部

上記の通り、SaaS導入は小さな規模であっても「やるぞ」と腹をくくってやっていることが多いです。そうした際に、カスタマーサクセスというロールの方々の役回りにかかる期待は非常に大きいものがあります。逆に言えばそこでぐっとモチベーションを下げられることもあるということです。

これは実体験ですが、「月に一度サポートします」と言いながら待っていても連絡がないなんてことがあったとき。プロダクトへの期待値も正直かなり下がってしまいます。カスタマーサクセスはもはやプロダクトの一部であると思います。

日々「SaaS」に救われています

色々書いてきましたが、このnoteで一番伝えたかったのはこのことです。
日々の業務をSaaSが救ってくれているなと心から感じます。

SaaSベンダーで働いていた頃、私たちはSaaSの価値を過小評価していたかもしれません。今振り返ってみると、業務課題をコンポーネント化しソリューションとして提供するSaaSサービスによって、多くの企業が課題をスピーディーに解決し、業務を効率化できているのではないかと実感しています。

スモールビジネスを運営する個人事業主や小規模な会社にとって、潤沢な資金がある訳ではないし、大規模なシステムの必要性もありません。しかし、日々の業務は多岐にわたり、バックオフィス業務は煩雑になりがちです。そ
んな中で、クイックにその課題を潰すことができるSaaSの存在は大きな助けになっています。

なんならSmartHRやBillOne、CLOUDSIGNなどは無料プランすら存在しています。SmartHRなしの年末調整は考えられませんし、BillOneがなければ電子帳簿保存法を遵守できる気がしないし、CLOUDSIGNなしの契約業務は手間が増えます。SaaSが存在することで、スモールビジネスの生産性が大きく向上しています。なんとか自分たちの規模が大きくなった際には恩返しできればと思っています。

0円プラン。コストでしかないのに本当にありがたすぎます。

以上、SaaSって導入するのは難しいけどありがたいね、という話でした。SaaSベンダーで働く皆様へ、改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。いつも本当にありがとうございます!

また、もし同じような規模感でスモールビジネスをやられているかたへ。効率的に運用できるように取り組んでいることなど私も色々知りたいので、うちの事例も色々話せるかと思いますのでぜひラフにお話させてくださいませ!

最後までお読みいただきありがとうございました!
SaaSLoversまだまだ続きますので引き続きお楽しみくださいませ!
明日は小松さん(https://x.com/suits_ceo)による「死屍累々!?中小企業向けSaaSの事業開発ポイント」とのことで、こちらも楽しみです。

おまけ

最近ハマっているのはSlack→Notionの可能性で、うまくオペレーションに活かす方法がないかな〜と考えたりしています。こういうのを考えてちょちょっと実装するの、本質的かどうかはさておき楽しいんだよな〜。


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