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大好きなものが、消えていくこと。

下北沢の、ごちゃーっとしたところが好きだ。
その下北沢の、ごちゃーっとしたところが、どんどん消えはじめて久しい。

数週間ぶりにカレーをテイクアウトしに出かけたら、ごちゃっと具合がいちばん好きだった一角も、ついに「工事中の区画のまわりに立てられるあの白い仕切り板」で、スッキリキッチリ囲われてしまっていた。

町は、どんどん変わっていく。
私がどれだけ熱苦しく「大好きだ!」と一方的な想いを主張したところで、町の方は知ったことじゃない。
すました顔して変わっていくし、冷たくあっさり消えていく。
自分の部屋の窓の外にある見慣れた風景でさえ、新しい建物が建ったり元あったものが壊されたりして、年月とともに変わるのだ。

同じところにとどまっていたい。
大好きなものにしがみついていたい。

自分がとどまりたがっている場所は、ずっと同じでいてくれるわけじゃないのに。
自分がしがみつきたがっているもののほうが、消えてしまうことだってあるのに。

それは、存在しないものを願っているのと同じことで、存在しないものを願うと、人はだいたい苦しくなる。

これさえ手に入れば、自分は安心できる。
そう思っているものへの強い想いが、じつは自分を不安にさせている。

そういうことって、あると思う。


【今日のフクイチ】
歌詞を訳してます。とってもいい曲です。
音楽をやっている複数の人から聞いた話では

「作ってるほうは、歌詞に大して意味なんて込めてない」

う…ん…
まあね~~… そうね~~… そうなのかもしれんけどさぁ~~… 

それでも歌詞って、特別じゃん?
歌詞って特別、って、思いたいじゃん?
「魔力」的な何かが込められているに違いない! とか思いたいじゃん!

私はしがない翻訳師なので、魔力とかは込められんけど。
込めてる“つもり”ぐらいにはなって、今日も訳したいと思います。
ぱんぷる、ぴんぷる、ぱむぽっぷん♪

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