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ある、愛を語る。

好きだから、大好きすぎて、距離を置いてしまう。そんな関係が、ときにはある。
この歳になると、特に。

本当なら毎日でも。朝も昼も夜も。一日中でも…
だけど、それはできない。
好きがあふれて止まらなくなるし、止まらなくなったら身の破滅。
文字どおり。







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ぶどうパンです。

オレは、ぶどうパンが好きだ。三度の飯よりも。
朝、昼、晩と、ぶどうパンでいい。
日本全国のパン屋さんの、あらゆるぶどうパンを食べ尽くしたい。

しかし、それはできない。
人として、いろいろ捨てねばならなくなる。
たとえば、買ったばっかの、すでにウエストきつきつ気味のワンピースとか。

最後にぶどうパン食ったのはいつだったか。
思い出せない。
こんなに好きなのに。
最後に会った日のことを思い出せないぐらい、オレはもう長いこと、ぶどうパンを食べていなかった。

それでも、ふと油断した隙に、ぶどうパンのことを考えてしまう。
いや、白状すると、考えない日はない。
パン屋の前を通るたびに、「ここのぶどうパンはどんなだろうか」と妄想が走り出す。
てゆうかむしろ年がら年中ぶどうパンのことばかり考えている。

今日もパン屋の前を通りかかる。
「ぶどうパン… あるんだろうな」「おいしそうなんだろうな」「ちょっと入ってみるか」「見るだけならバチは当たらないだろう」

入ってしまいました。
ありましたよ。お店の真ん中に。いちばん目立つところに。
ぶどうパンおまえ… おまえはそんなところで… 何をしてるんだよー、あーもうほら、ポップとか読んじゃうじゃんかー。

「水をいっさい使わず、ぶどうジュースだけを使用し…」
「こだわりのサルタナレーズンを…」
「ぶどうパン好きの方に、ぜひ食べていただきたい…」

オレの理性がもったのは、そこまでだった。







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食ってやりました。
今日はいい。今日はいいことにする。なぜなら、今日はいいことにしたからだ。オレが。

うめえええええ!!!あひゃひゃひゃひゃひゃ、ヤバくね???超ーーーーぶどう!!しっとり!ねっとり!!レーーーズーーーーン!らーーーーーぶ!

しあわせだ…
オレは、ぶどうパンのある世界に生まれてよかった。

ぶどうパンが好きです。
でも、がんばって距離を置いてます。
ぶどうパン?知らねー。みたいな顔して生きてます。
どうか、フクイチにぶどうパンを与えないでください。
「ほれほれ、好きなんじゃろ?」みたいに煽らないでください。

でも好き。
大好き。

久しぶりの投稿がこんなんでごめんなさい。

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