【小説紹介】恋に至る病-斜線堂有紀
浦和美園に引っ越してきて2週間。
飲み屋や遊ぶところもない中で、週末何して過ごそうか考えながらふと本屋に寄り道して出会ったのがこの本でした。
重たい小説というよりかはライトに読めるものが欲しいなと思い、表紙とタイトルに惹かれて買ったのですが、結果的にすごく良かったです。
あらすじ紹介
主人公の男の子は、転校先の学校で自分に居場所を作ってくれた女の子に恋をします。誰からも好かれる彼女なのですが、とあるきっかけから彼女は、連続自殺教唆を始めます。
それを知った主人公ですが、彼女が罪を犯し続けるのは、彼女自身が理想とする世界のため、邪魔な存在を消し去ることが目的。
主人公は
「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」
と、彼女に寄り添い続ける決意をするのですが、彼女の犯行は徐々にエスカレート。
犯罪と知りながらも彼女への愛ゆえに止めることができなかった彼が辿り着く地獄は・・・
読後感
ネタバレにならないように書くのは難しいのですが、ミステリーとして面白かったことはもちろんだけど、とても感じるものが多い一冊でした。
感覚的にはデスノートを読んだときに近いのだけど、捻じ曲がった正義感がやがて人間を悪へと変えていく感覚というのは、本当に人間の本質を付いているなと。
X(旧Twitter)で芸能人の悪事を暴露をする人、YouTubeの動画上で詩人逮捕を試みる人、警察が取り扱っていない悪事を世間に拡散する週刊誌。
WEBが流通する中で、一人一人が社会的な殺人を行える力を持ち始めてしまっている現代で、どう暴走する正義感にブレーキをかけるかというのは本当に重要な課題。
もし自分がそういう人に直面したときや、自分の中に暴走しそうな正義感が芽生えそうなとき、自分はどう立ち回るのか、改めて考えてみようと思います。
本としてはすごく軽く読めるもので、久々に小説読む人とか、1日で読み切りたい人にはオススメでした。
ただ、読んでみると分かりますが、2回読みたくなります(笑)
良かったら買って読んでみてください!
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