見えるというより感じなくても良い余分な事『差出人は、誰ですか?』を見て。
先日、『差出人は、誰ですか?』という2022年秋にスタートしたドラマを見た。
深夜枠の20分ドラマで、内容はかなりディープそうな感じだったので、NHKの朝ドラのちょうど反対側に存在しそうな感じだなと気になってチェックした。
ネタバレはなるべく避けたいので、詳しく言うことは控えますが、1つのクラスで自分が普段言いたいことを手紙に書くというシンプルな内容ですが、実際だとこのドラマのような展開にまでならないだろうけど、時代背景を敢えて誇張する事で、今の時代の暗さを、同世代や僕ら世代に伝わるように作られている感じがしました。
例えば、「あなたのことが嫌い」という文章。
それを担任がクラスメイトがいる前で目の前で発表する。
匿名ではあるが、このクラスに一人自分の事を好いていない人がいる。というカオスな展開。
このドラマ、今の時代に沿っているので、SNSでの反応や自分の知らないSNSの空間で何かを言われているかもしれないという不気味なイメージもつくし、一人の人間がその事で影響されるリアルさは、この時代特有のものがある。
ん〜。
ジェネレーションギャップを感じる。
例えば、女の子4人で写真を撮る。
その写真をSNSにアップするが、上がった写真は端にいる女の子の顔だけ半分しかアップされていない。
その写真を見て、どうして?というシーンがある。
このシーン、何気ないシーンだったが、僕にはすごく印象的だった。
それは、僕なら気にしないかもしれないと思ったから。
高校の修学旅行くらいまで写ルンですを持って旅行に行っていた僕は、写真は撮るのではなく、出来上がるまで映りがわからないものだった。
もちろん携帯電話はあったが、撮影の性能は今のスマホとは比べられないものだったので、画質で考えると、どちらに軍配があがるのはわかるはずだ。
現像して見た写真は、上が切れたり、自分が半分しか写っていないということは珍しくなかった。
だが、今は違うのだろう。
そもそも自撮りにして確認して撮影している以上、後からトリミングして切り取っているのは明確で、アップされた写真の意図を考えてしまうのも無理ない。
時代が進むほど、人が触れないといけない感情や情報の多さ、質が上がりすぎて、見えなくてもいいもの沢山なんだろうと感じた。
そういう観点から見ると、変わっていない部分、変わっている部分が色々混ざって、今の子たちは大変だなぁとドラマの見方も少し変わったのも確かではある。
気になる男の子と他の女子が話していることに嫉妬するという人間らしい部分もあれば、SNSのライブ配信で自分の事を言われてしまったり。
そのSNSを見なければいいという意見もあるかもしれないが、今の若い人にとってSNSは友達との会話のきっかけや、自分に有意義な情報を取るためのツールとして成立しているので、否定することもできない。
難しい。
例えば、一人の女の子がSNSをどう見るか悟すのも。
担任の先生が今の時代の複雑に絡みすぎた人間模様を理解し、対応するのも。
僕が生徒だとしたら、一人の女性に好きだと言った後の周りのSNSの化学反応も。
誰かと比べた時の自分の立ち位置を理解しないといけない。
SNSでの発言がどのような余波となるのか。
他人の心は自分にとって、写ルンですのように、実際には、はっきり写ってないものだし、それら全てを感じなくても良いんだと思う。
それでもその時代から逃げる事ができないなら、僕が今年の春にしたように、メインで使っていたSNSを辞めてみるのも一つかもしれない。
いずれにしろ、この20分のドラマがこれからどうなるのか、見届けたいと思った。
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Schole. 藤丸光一朗
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