流石に良い歳なんで、税金に文句言いながら選挙行かないムーブの同世代はいないよな、と思いつつ、選挙行かない人はめんどくさいを正当化するためにたくさんの理由を並べる。変わらない人は変わらない。 近所で飯食ってたら、都知事選の話を店員と常連客がしてるのが聞こえた。登場人物の平均年齢が50〜60代くらいなんだけど、あいつは顔が気持ち悪いから入れる/入れないで盛り上がってて、選挙がシリアス目な話題になってるのはインターネット界だけなんだな、というのを目の当たりにして食らった。 「働
文章を書くか。文章を書きたいから文章を書こう。文章を書くために文章を書くのだ。だから文章を書くという行為に対してのもっとも純粋な文章だ。 金儲けでも名声でもないし日記でもなく、単に文章を書きたいから書いた文章だし、何かの練習でもない、単に書きたいから書くのだ。文章という言い方は対象のことなので執筆というべきなのだが、スマホで指でスライドしながら打っている文章に筆という言葉が入っていることも、指とスライドと打つという矛盾した言葉が混じっていることも気になる。それになんか執筆っ
語ることしかしたくないというか、むしろそれしかこれから出来ないんじゃないだろうか、という。 よく元気がなくなるんだけど、その原因の一つは熱量が足りてないからだ。熱量は字面通り、熱の話なので、この現実においてはエントロピーの第二法則ですぐに冷めてしまう。 熱量が大事だぞ!圧倒的に打ち込め!みたいな話は意識高いビジネス界隈で語られがちだけど、発熱し続けるにはそれ相応の燃料の投下が必要になる。 自分に燃料を投下し続けるのは案外難しい。モチベーションという言葉で表現できるが、モ
新国立劇場にて「Time」を見てきた。世界的な音楽家の坂本龍一氏と、日本のパフォーミングアーツの大家であるダムタイプのメンバー、高谷史郎氏のコラボ作品。この二人は数多くのインスタレーションや映像作品でもコラボしているが、坂本龍一氏の死去により、恐らくこれが最後のシアターピースになる。 舞台の中央には水面があり、その背後には巨大なLEDウォールがある。高谷さんの作品は、面白い舞台上の仕掛けがいつも効果的に使われていて、それを見るのも楽しみの一つである。 *なんとLEDウォー
何かを作るにしろ、まとめるにしろ、明らかにもう人間よりAIの方が優秀な場面がたくさんある。正確な正解があるものに対して、ちゃんとするなら、どんどんAIを使っていった方が良い。 人間に出来て、AIにできないことの一つに、飛躍した思考とか会話があると思う。実はAIは次に紡ぐ言葉、前の言葉との距離でしか見ていない。比較的近い距離にある言葉を選んで会話する。たまに人間っぽく見えるように、ランダムに遠い話題を拾ってくることもあるみたいだけど。 しかし、それは人間の集中力の無さや、思
おじさんになってから激辛を食うようになった。若い頃は辛い物は苦手だった。辛い物をわざわざ食うやつはバカだと思っていた。何が楽しくて健康に悪い物を食うのか理解出来なかった。 大学院に入ってからタバコを吸うようになった。家族が誰も吸わなかったから、タバコは日常にあるものでは無かった。でも中学には先生達の喫煙所が通路にあり、いつもモクモクしていた。今は学校にそういう場所はないだろうだけど。高校になれば友達が吸うようになった。あの頃は駅のホームでも吸えたから、通学中に制服のまま一服
恵比寿映像祭に行く。恵比寿映像祭は何となく毎年行っているアートフェスで、その名の通り映像が主たる展示なのだが、会場である写真美術館所蔵の写真同時に多く展示されており、キュレーションがセンス良いな、と思う。センス良いな、と思うものを眺めるのは楽しいし、普段は写真の展示を見に行かないから、良い感じに日常のノイズになって良い。 写真美術館は割と恵比寿駅から直結みたいな導線でたどり着けるのだけど、何万回ここに来ても写真美術館へ向かう通路を選び損ねる、というジンクスがある。毎回改札を
映像の作り方を考えている間に、映像を作る前段階で物語を設定するのが良いのではないか、という話になった。 しかし、物語なんか作ったことがないよ、という人が物語を作ると、とても恥ずかしい個人史的な体験になりがちかもしれないし、1行も書けないかもしれない。どうしよう。 物語にはテンプレート構造がいくつかあることは既知である。そのテンプレートにうまくハマったものを書き上げ、そのある一場面を切り出して映像を構成していけば良いのだ、ということをいくら知識で理解していても、何も手は動か
前回で、物語っぽいものを設計してから作り出すと映像制作につまづかなくて良くなるんじゃね?という話をした。 この物語っぽいものを設計、というのは2つ意味があって、一つは文字通り時間軸に沿って何かが展開したり発展したりするような仕掛けで、これはジェネ系でも良くやってる。つまり1点のパーティクルとかから初めて、途中から数が増えるとか、面が貼られるとか、そういう展開の作り方だ。シンプルな形が複雑になっていく。 とはいえ難しいのは、これのテンションを落とすことだ。盛りに盛っていくの
狭義の視覚表現で飯を食ってるわけだけど、いつもいつも何か一発目を考えることに苦労する。一発目というのは最初のピクセルであったり、コードであったり、アセットだったりする。こうやって書くと一発目が置ければ、あとは余裕で即興で流れていくものだと思いがちなんだけど、それもうまく行く時と行かない時がある。 僕は昔からストーリー性のあるVJをするね、と言われることがたまにあった。ライブにおける音楽は、ミュージシャンがリアルタイムで作っている音楽の展開とテンションの連なりで、そこにはメッ
高校時代の友人が東京にいるやつで飲もうぜ関西のやつも出張で来るから、とLINEしてくる。渋谷。どうしてもバーベキューがしたいらしい。10年ぶりくらいだ。 雨の中、室内バーベキューの店に行く。30分ほど遅れて着く。 異常に明るい店内は大学生のバイトだらけだ。テーブルに山盛りの焼きそばが置かれている。関西から来た友人が家庭用ホットプレートで成型肉と鳥と豚を焼いている。中年のおっさんが集まる店としては、明らかにミスっている。笑う。遅れて2人来る。5人になる。 バーベキューがし
様々なモーショングラフィックスを見ていると、全てのモーションが滑らかに繋がっていないことに気づく。 ある時点まではリニアに動いていたものが、突然ワープしたり、中心から出ているように見える波紋が、スケール0の本当の中心からは出ていなかったりする。 人間の脳は優秀なので、上記のように実際には描画されていないフレーム、時間を補間して知覚することが可能だ。モーションのタメやツメ、オーディオとの関係を考えると、こうやって意図的に「補間を省略」して描画する方がキレのある映像になること
天津麺が好きな人と人生で出会ったことがない。天津「飯」じゃなくて天津「麺」だ。食べたことが無い人も多いだろう。 味やビジュアルは今あなたが想像している通りだ。天津飯の餡と卵がラーメンにドカッと乗っている、それが天津麺だ。 --- 同級生が真面目に就職する中、頭がおかしかった僕は大学院に進んだ。キャンパスは山奥にあった。実家から2時間。都市開発に失敗した山に立つキャンパス。駅の周りに飯屋は無い。 だから、まともな飯を食いたい、と思ったらかなり早く帰らなければならない。1
僕達は常に暇を潰そうとしている。暇は悪だ。空いた時間には何か生産的なことをやらなければならない。当然だ。そうしないと自分が古くなってしまう。古くなると死んでしまう。そういう仕事を選んだ。 映画を見ようがネットを見ようが、どこかで仕事の参考になりそうなもの、役に立ちそうなものを無意識で探す。ランニング中に見るNetflixの動画でさえ、何か自分にとって役に立ちそうなもの、という基準で選ぶ。純粋な暇つぶしや遊びとの距離は年々遠くなる。 尊敬するあの人とかあの人とかは、こういう
Netflixで公開された「日本沈没2020」が奇跡の怪作だったので居ても立っても居られない。微妙にネタバレします。 --- 原作は有名な「日本沈没」で、CMでは天災を通して家族愛を描く、とうたっているが、それは全て建前である。言うなれば、本当は音色や音響をメインに聴かせたいんだけど、それだとマニアック過ぎるからメロディやリズムもちゃんとした上で戦うエクスペリメンタル音楽やノイズミュージックみたいなもんで、映画のプロットはあるのだが、それらは全てエクスキューズ、裏にもっと
先日、LITEの配信ライブで一曲VJで参加しました。 メンバーが全員ステイホームで生セッションする&映像もステイホームのままリアルタイムでエフェクトをかける、というライブです。ここまで全員遠隔のまま音ハメに成功した配信ライブは無いと思います。 そもそもどうやって生演奏を可能にしているか、というのは武田さんのこちらの記事に詳しいです。 https://note.com/tkdnbyk/n/n13c1cb0e1fba シリーズとしてゲストを呼んで一曲くらい何かやりましょう