[音楽]CDプレイヤー前で硬直したのはこの1度のみ。DREAM THEATER体験。
1992年の夏頃発売されたDream TheaterのImages And Wordsというアルバムがある。いまから29年前に発売された傑作中の傑作である。個人的には、これを超えるものはない。
音楽好きな人が、稀に体験する音楽的超越体験。(これまでに自分が聴きまくって、培ってきた音楽性を超越した存在のアルバムに出会う体験を音楽的超越体験という。私が勝手に名付けた。)この体験は、いまだ一度しか経験したことがない。
当時、多くのロックバンドが、楽譜なんか読めなくてもロックでは関係ないぜ的な風潮が蔓延していたが、このアルバムがその悪しき雰囲気をぶちこわした。
音楽理論ありきのロックは、楽曲が考え抜かれ、洗練され、美しく、とても叙情的だ。そして、その音楽理論を体現するために磨きあげられたその演奏技術は芸術表現に必須だ。と、多くの人が感じた瞬間であった。
YesとRush、そして、Metallicaの融合。ギタープレイはSteve Vai的。David Gilmore的。超絶クリアーなフルピッキング。リフはザクザクMetallica的。
楽器は趣味程度にしかできない私が言うのもなんだが、このアルバムにおけるドラムのMike Portnoyが素晴らし過ぎて、私の生き方に影響するほどのインパクト。繊細だが、超絶テクニカル。3曲目のTake the timeで、ドラムのコピーは完全にあきらめる。無理。Mikeのハイハットの刻み方が大好きだ。
1曲目のPull me underのバスドラテクニックは、MetallicaのLarsが1番上手かったころ(なんか。。。)のBlackendでの変則バスドラキックを200倍くらい難しくした感じで、パワフルだしメタリックだ。
ギターリストのJohn PetrucciとキーボードのKevin Mooreのユニゾンプレイは、斬新過ぎて、一聴目にして、硬直したまま動けなくなったのを思い出す。
ラストを飾る名曲中の名曲Learnig to liveのエンディング近くのドラマティックな展開はいつ聴いても鳥肌が立つ。Petrucciの泣きのフレーズは、Gary Mooreなみだ。この曲でのPortnoyのドラムプレイは超一級である。
あらゆるコトに共通することだが、理論的かつ、技術的に卓越してる方が良い、と痛感できるアルバムだ。分野は違うが、自分の仕事も同じレベルを目指したい。
当時、彼らが、一度、楽曲を全部、譜面にするというインタビュー記事を読んだことある。
町工場では、音楽家の楽譜にあたるものは、設計図となる。うちの工場では設計図がないことが多い。この設計図がないために痛い目にあうことが時々ある。見習いたい。
ジュリアード出身の天才Jordan Rudessが譜面化を今もやってるようである。
福岡公演のとき、こっそり握手会に参加した。彼らからしたら、私は完全にGeekである。(笑)少し会話した。緊張のあまり、何も覚えてない。(笑)Jordan Rudessが、常にエアーピアノ(テーブルの上で常に指を動かしている)を弾いていたのが印象的で、私の顔を見たJordanが「Geek Guy!」と弾いたのは間違いない。