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NO NOODLE、NO LIFE〜ボクらが麺を食べる理由

1日1麺。そんなキャッチフレーズ片手にボクが日々を駆け抜けたのが2014年ぐらいまでだろか。たぶんそう。半ば機械的に麺を摂取していた。どこに行っても麺。呑んだあとには麺。朝方の富士そばで紅生姜天をトッピングし蕎麦をすすりながらブルースを感じていた。アホかと。

嫌いになったわけじゃないよとまるで80年代中盤の秋元康の歌詞みたいな言い回しだが、実際のところどうかっていうと「風邪をひいたのと伝えておいてね」ってテンション。いや、食べてますけどね。


嫌いじゃない醤油ラーメン定番

好みが変わってしまった。家系とか無理、ゼッタイ。チャーシューとか必要最低限でいい。なんなら大盛りとか替え玉もいらないや。松本零士先生のマンガみたくコーフンしてラーメンライスにしてむさぼり食らうってことに魅力を感じなくなってしまった。
 

美味かった。だけど翌日ダメージたいへんだったの
久我山在住時代の常食「甲斐」。スープさいこう。
10年以上ぶりの春木屋。当然ワンタン麺よ。
しばざき亭のラーメンかな。あっさりサッパリで二重丸。
地元の老舗「桃園」ラーメンライス。
地元の中堅「江川亭」。スッキリさわやかワンタン麺
ときどき食べたいのがどみそのみ
って「桃園」くると定番化の半チャーハンset

大盛りいらないやと書いておきながらつい半チャーハンあるとセットにしてしまうのはどうしてなのか。後悔しながらも炒めた米の飯マジックがね、、どうにもこうにもユーワクするんですよ。そしてオイラは途方に暮れる。ジャンジャン!   


おにやんま。割と好きなんですよね。
店の名前失念。小海老の天おろしそば。うまい。
阿佐ヶ谷。松下雄二の店。海老のペペロンチーノ(たぶん)
京都第一旭神保町店。京都ラーメンはつい食べてしまう。

麺ならなんでもいいわけではない。うどんだろうと蕎麦だろうとパスタだろうと麺は麺。あらためて振り返ってみると二郎系とか家系ほぼ行ってない。ほぼじゃないな、完全スルーだ。

西荻窪丸福。ここのメンマ好きだなー。
下北沢の楽観。まだ一回しか行けてない。
京王線沿線の名店熊王の醤油ラーメンはほんとうまい。
渋谷「喜楽」のワンタン麺は常食レベルでリピーターですよ

この10年ぐらいでラーメンvsカレー戦争(自分の食生活)は完全にラーメンが勝利してる。エチオピアカレーとかボンディとかカツカレーのあさのとか行ってたんですけどね。ひさびさにうまいカツカレーとか食べたいな。


銀座スイスのカツカレー。昭和なテイスティ。
西荻窪の坂本屋。ここのカツ丼は神。
下北沢「八月」のあいがけカレー。うまし。

自分のフォトフォルダ、いろいろ漁ってみてもラーメンばっかで飯ものがほんとに少ない。坂本屋のカツ丼、もう二年ぐらい食べれてない。今すぐ食べたいよ!

いつから麺食い野郎になったのか考えてみた。20代の頃はそんなでもなかったはず。30代も中盤過ぎで拍車かかってるんですよね。90年代末期は山頭火のとろ肉塩ラーメンばかり食べていた。喜楽はだいぶあとじゃないかな?2000年代アタマか。

もうとんこつラーメン食べたとしても替玉するのにちょい悩むようになった。3玉バリカタ+ライスなんて爆食タイムは遠い昔。カレーもカツ丼も大盛りデフォルトオーダーなんてしないもんな。普通がいい。それがいい、それでいいんだ。

1人1人のブルース かなり切ないブルース
夢を仕掛けたら さあぐっすり眠ろう
夢で見たよな 大人って感じ?
ちょっと判ってきたみたい

         (「大人になれば」 小沢健二)

1996年に発売された小沢健二のシングル。9月にリリースされ、翌月には「球体が奏でる音楽」が発売されるが両アイテムともに出張先の広島で購入している。前作「LIFE」で表現されたアッパーさはまるでなく、狂騒的なんて言葉からほど遠い作品だしなによりも全部聴いても30分に満たないシンプルさ。だけどコレがいいんですよね。たとえば春木屋とか丸福とかで食べる醤油ラーメン。別にこの2店に限らずだけど、昔から街の片隅で営業してる町中華にも通じる安心感とでも言えばいいのか。「ラブリー」とか「僕らが旅に出る理由」みたいな大会場を巻き込む力には欠けるかもだけど、まるで自分の耳元にだけそっと歌われているような魅力が「大人になれば」にはあると思うんですよね。

もうボクらは替玉も大盛りも必要ない。ただ、ふと思い立ったとき、近所の中華屋に立ち寄ればいい。なんの変哲もない醤油ラーメンをオーダーして黙って麺をすすり、スープを飲む。そこで安心できるうちはまだ大丈夫。会計を済ませて家に帰ってNetflixにでもアクセスすれば完璧だ。そうやって1日は過ぎていくし、映画「ちひろさん」主演をつとめる有村架純はボクらを裏切らないだろうし、同じNetflixで配信されている「舞妓さんちのまかないさん」をひと晩で完走するのだって悪くないはずだ(森七菜が実によい)。そうしてボクらは少しづつ日々をやり過ごしていく。オールオッケー、ぜんぜん大丈夫!なんて無理くりアッパーでいる必要などない。「わるくない」って思える時間を続けていくことにこそ意味があるのだから。



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鈴木ダイスケ
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