『名探偵マーニー』面白かった
『名探偵マーニー』を読み終わりました。『名探偵マーニー』面白かったです。『名探偵マーニー』を読めっ。
『名探偵マーニー』は木々津克久の週刊連載漫画です。普通の女子高生マーニーが学校やご町内や裏社会で起きるいろいろな事件を推理して解いていきます。女子高生だけどけっこう普通にお金とか取ります。普通ってなんだろうわかんないけど。
木々津克久は『フランケン・ふらん』とか『開田さんの怪談』とか書いてらっしゃる方です。僕は『フランケン・ふらん』もめっちゃ好きですが、『名探偵マーニー』は『フランケン・ふらん』とは別口で好きです。マーニーはそうですね、ふらんに比べてちょっとリアルで落ち着いたトーンなのです。
『名探偵マーニー』はとても面白いです。面白いっていうか好みです。個人的に好みです個人的にですね。
以下はネタバレも若干あるのです。
『名探偵マーニー』の好きなところ①:ヘンな動機
この漫画は、ド派手で複雑なトリックで見せるタイプのアレじゃないです。むしろ、ちょっとヘンな動機でちょっとヘンな犯罪とか(犯罪未満とか)が起こるところが見ものです。How done it?じゃなくてWhy done it?ってことですね。
ぼちぼちヘンだけど『まあそりゃあ世の中にはそういう人もいるわな』くらいのテンションで進んでいく感じがなお好みです。ヘンって意外とヘンじゃない。
『名探偵マーニー』の好きなところ②:一話完結
一話完結ものが好きです僕は。一話完結っていうかオムニバスって言うべきなんですかね。
例えるなら『ブラック・ジャック』や『ドラえもん』みたいな感じで、いい感じでキャラ立ちしたレギュラーメンバーが、その回ごとの特殊状況に毎度巻き込まれていく感じです。好きです。
『名探偵マーニー』の好きなところ③:相関図マンガ
マーニーが通っている学校が事件の舞台になることも多いんですが、この学校の校内相関図にロマンがあふれています。
アメリカっぽいハイスクール系ドラマみたいな、くっきりしたスクールカーストを思い浮かべてもいいと思うんですが、でも単純な段々ヒエラルキーって感じでもなく。
「セレブ」「リア充」「不良」等々に代表されるいくつかのグループがそれぞれに違う価値観を持って、勢力争いをしたりしなかったりします。ロマンありません? 個人の好みの領域っすね。
実際の学校ってスクールカーストこんなかっこいい感じになるんですかね。多分ならないと思う。
注意:登場人物の個別の人間関係が密なネットワークをつくっているタイプの漫画ではないです。学校内勢力関係は、あくまで人物配置って感じで、勢力をまたいだ個人と個人の関係がめっちゃ描かれるって感じではないです。『名探偵マーニー』に面白いコンビやCPがないっていうわけじゃなくてちゃんとあるけど、普通の漫画並みな気がします。
じゃあこの漫画、相関図マンガっていうより配置図マンガ?
これはほんと僕の好みの話なんですけど、僕が漫画や小説に求めているのって、相関図じゃなくて配置図なんじゃないかと思います。僕は『関係性のオタク』云々という文化はあんまりわからなくて、コンビとかCPとかってものにそこまで興味がないです。興味あるっちゃあるけど人並みですね(バディものわりと好きです)。
じゃあ僕は『属性のオタク』なのかってえと、そういう感じでもあんまりないです。「ツンデレ」とか「幼馴染」とか「子持ち」とか「魔王の生まれ変わり」とか、そういうキャラクタ個人の属性にそこまで執着がないです。どうでもよくはないけどどうでもいい。
『関係性』も『属性』もどうでもよければ、じゃあ何が好きかって言えば、僕が好きなものの一つが『配置』です。「セレブもリア充も不良もはぐれ者もその空間にはいて、でもお互いにはあまり近づきすぎない距離感がやっぱりあって……」みたいな空間全体が好きです。「オタクだけの空間」とかそういう同質空間(距離があってないようなモン)より、「まあいろんなやつがいる学校」みたいな世界観のほうがおトクです。おトクですよね? おトクだっていったらおトクなんだよっ!
ちなみに主人公のマーニーさんは「配置:はぐれ者」です。かっくいー。
おわり