自分自身を動詞で育む
あなた自身を動詞で表現すると何ですか?僕はよく雑談の中でそう問いかける。はじめのうちは「そんなこと考えたことないですよ!」という反応が多いので、「だから考えてみるんですよ」と応えるようにしている。
どうして、こんな少し馬鹿げた質問をするのか。それは、人間の動詞で表現できる行為は100年前から進化しておらず、100年後も変わってない可能性が極めて高いからだ。えっ、そんなことはない?
行為の進化に疑問を持たれる方がその反論として、「ググる」って動詞を挙げることも多い。ただ、それは「調べる」という行為の言い回しが変化しただけであって、その本質は辞書や辞典の時代と変わりはない。
この前提が正しいとして、自分の動詞を見つける。例えば、僕の今の動詞は「問いかける」なので、普段から質問の質を高める訓練をしている。一番わかりやすいのが自己紹介を100バージョンつくることだ。
5年前、自己紹介を自問自答形式で100バージョン、実際に制作してみた。はじめは80個目ぐらいで質問が尽きてしまう。だから、無理やり、強制発想を用いて問いのバリエーションを増やす。その連続だった。
「量が質を決める」。この言葉は僕にとって大切な信条なので、今はその100バージョンを応用している。例えば、「子供のころ好きだったことは何ですか?」。これは僕がよく使う常套句だ。
さて、本題に戻ろう。自分自身を動詞で育む。その訳について。キャリアマネジメントなんて言葉をよく耳にする。この10年間で社会人はもとより小学生でもキャリアについて考える授業があるとも聞く。
でも、なんだかとても難しい。だって、それまでの経験や知識の中で自分の適職など見つかるのだろうか。さらに言えば、過去から存在する職につくこともあるだろうが、自分で職をつくる可能性だってあるはずだ。
だから、職ではなく動詞。自分の得意なことを徹底的に伸ばす。そして、その能力が活かせるものを探したり、つくったりする。そうした仕事設計がより望ましいのではないかと考えている。
自分の人生を振り返るといくつかの動詞を身に着けてきた。つくる、つたえる、つなぐ。まるでこのnoteのキャッチコピーのようだ。ここに来た理由のひとつはこのキャッチコピーに共感したからに他ならない。
さて、あなたの動詞は何ですか?つまり、自・動詞。時々、立ち止まって内省してみて欲しい。そして、自分自身のコア(核)や軸を見つけて欲しい。きっと迷わず生きられるはずだから。