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生物界のおきてに学ぶ弱者の動詞②

稲垣栄洋さんの著書はいつも面白い。最初に手に取ったのが『弱者の戦略』。自然界は厳しい生存競争にさらされているが、必ずしも「強い」ものが生き残れるとは限らない。一般に「弱い」と思われている生物が生き残るために取っている戦略。それが4つにまとまっている。第二に、逃げるという動詞。「三十六計逃げるに如かず」という故事がある。古の兵法よりも逃げるという動詞が勝るという意味だ。ガゼルの場合、チーターの足の速さから複雑に走ることで逃げる。チーターに追われると、ガゼルは巧みなステップで飛び跳ねながら、ジグザグに走る。ときにはクイックターンで方向転換もする。こうして走りを複雑化することで逃げられる可能性を高めるのだ。ヒラヒラと蝶が舞うのもこの原理。不規則性で相手の予想をはずす。「読めない」異性が気になるのもこれかもしれない。

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