クリエーターの道具としての動詞①:佐藤オオキ編
nendo代表、デザイナーの佐藤オオキさん。著書『ウラからのぞけばオモテが見える』からは彼の仕事観が見えてくる。サブタイトルに「10の思考法と行動術」とある。法と術という言葉を好んで使っているようだ。方法とか技術、つまり道具へのこだわりを感じる。動詞は道具や武器にもなる。それを著書で使われている動詞から探ってみたい。思考法の一つに、見せたいものは「隠す」とある。見せたいもの、伝えたいものをあえて隠す。一部の情報を隠すことで興味を喚起させ、人々が対象に積極的にかかわり、喜びとともに体験してもらうキッカケをつくることができる。「全部を見せてしまうと、人々の興味を引きにくい」とは至極名言だ。隠れているということは「出現する瞬間」を生み出すことにつながる。相手の想像力。これが受け手の感情を大きく揺さぶる。オモテから見るだけではオクは隠くれている。そんな状況が理想なのかもしれない。