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動詞に憑かれたひと②:長田弘

名詞は、てんから意味を決め込む

けれども動詞は、できあがった意味をもたない

しっかり動詞を生きなければ、動詞に意味は生まれない

 なんとも味わい深い詩を遺したのは長田弘さん。彼は1939年福島県に生まれる。1965年に詩集『われら新鮮な旅人』でデビュー。代表作は児童向けの散文詩集『深呼吸の必要』でロングセラーとなった。詩集の他には評論、エッセイなどの著書、そして翻訳の仕事がある。2015年、胆管癌のため死去。前日まで仕事を続けていたという。しっかり動詞を生きなければ、人間に意味は生まれない。まさにそんな生き様だったのではないだろうか。没後、福島県立図書館に「長田弘文庫」が設けられた。夏までに福島へ出向き、動詞に憑かれた人物の影を追いかけてみたい。そんな土曜日の朝だ。

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