【5/20開始後2時間以内に休止 雇用調整助成金オンライン申請】日本型オンライン申請の闇
日本に限らず、オンライン申請では「補足資料のデータ添付」が大きな課題です!!
日本では4月から各種オンライン申請が始まりました。
持続化給付金……
特別定額給付金……
そして、5/20開始する予定だった 雇用調整助成金……
今度はLINEを使って 学生支援緊急給付金の申請まで。(学生支援については別の記事でも特有の問題について書いています)
いずれの申請にも共通する、解決すべき大きな課題があるのではないでしょうか。
共通の課題は「補足資料のデータ添付」です。
それが何故問題なのかというと、以下のような資料をjpegなどで添付すると
持続化給付金……「売上の帳簿の画像」「通帳の画像」
特別定額給付金……「運転免許証の画像」「通帳の画像」
雇用調整助成金……「規定様式に入力したExcelファイル」
間違いなく、人の目を通さなければ審査できません。
いずれのオンライン申請も審査の大部分がアナログ=オフラインになってしまいます
これにより、膨大な量のデータを取り違えないように二重チェック三重チェックが必要になり、そのチェック体制が甘い場合には
新型コロナ 特別給付金、支給通知に誤記載 口座番号など21件で 取手市 /茨城
10万円給付金通知書に別人の口座記載 太宰府市が誤送付71件
上記のようなミスが起きてしまうわけです。
二重チェックしていたとしても人的制限と時間的制限のある中ではヒューマンエラーは起こってしまうでしょう。
さて「補足資料のデータ添付」が課題であれば、どうすればその課題を解決できるのか?それは難しい問題です。
日本のオンライン申請では「数値的データ」を送信できないのが問題
オンライン申請様式では「数値的データ」を送信したいところですが、人の手入力ではいくらでも”不正”が可能になり、その数値を補足する証拠書類が必要になります。そのため「非数値的データ」の画像等に頼ることになってしまいます。
それならば、証拠も備えられた「数値的データ」を使えばよいのでは?とも思います。
すでに登録してあるデータ、過去に申告したデータ、今後も継続して使用するデータであれば今回のためだけに”不正”をしなくなるのでは?とも思いますよね。
解決策を空想することは簡単ですが、いずれにしてもすでに手遅れです
解決策を考えてみることは簡単です
例えば
【持続化給付金】「入金する口座番号は国税庁に提出している振替納税口座等とする。未提出の事業者は今回オンラインで届出を提出する。」「売上台帳は完全に事後申告制で、決算及び確定申告の際に特別様式で提出すること。その際に誤りがある場合はペナルティを課す。」
【特別定額給付金】「本人確認はマイナンバーカード」「入金する口座番号はマイナンバーカードと銀行預金口座等を紐付けする」
【雇用調整助成金】「決算や確定申告と同様に、労働者の労働時間を国に申告する体制にする」
お察しの通り、いずれも空想の域を抜けません。実行しようとすると新たな課題が発生してきます。
個人の財産情報を国に知られたくない国民は多いです。
省庁間の情報共有は非常に難しいのが日本の現状です。
銀行口座を管理できない層への詐欺が横行します。
タイムカード等を整備する予算を国が出し、残業時間の計算方法を柔軟にしなければ、労働時間を把握しようとする経営者は増えないでしょう。
課題が山積みなことが分かります
一つ解決しようと策を練ると細かい課題が連鎖的に発生していく、これが日本のような大きな集団の根本的な課題
ここ数年話題になっている「電子国家エストニア」もあの小規模国家だからこそ為せる技だと、最近改めて実感します。
日本でも、10万円が最速で支給されたのは小さな自治体でした。(補正予算成立で「10万円」の“最速給付レース”が加熱...まさかの一番乗りの自治体とは?)
より小さい組織の方が課題を解決しやすいということ
この問題から見るに、国に文句を言う前に
「あなたの会社は効率化されていますか?」
「あなたの家庭は電子化されていますか?」
と考えてみるのも良いかもしれません。
○紙の回覧を未だに回していて5個以上押印欄が羅列されている。
○家計簿を手書きで書いているため、前月比昨年比で家計の数字が見れない。
国家と比べて極小規模な集団でもそんな状況であれば、日本のオンライン申請がこのような状況なのも合点がいきます。
私たち一人ひとりの意識の問題もあるのかもしれません。
まずは自分の私生活からオンライン化・クラウド化してみると解決の糸口が見えてくるのかも、とも思う今日このごろです。
ご拝読ありがとうございます。