学生給付金は誰のため
政府が決めた学生支援緊急給付金の条件は難解を極めます。
そこで、今は社会人の自分ですが、過去の自分になぞらえてみることでどんな学生が適用されるのか真剣に考えようと思います。
情報はすべて文部科学省の特設ページから収集しました。
学生支援緊急給付金の支給要件
上記①~⑥の要件をすべて満たせば良いようです。
申請の手引(以下、手引)を参考にしながら確認していきます。
①家庭からの多額の仕送りを受けていない
多額の仕送りとは、手引によると家庭からの仕送り額が
授業料含め年間150万円以上を目安にする
とされています。
私は学生時代、奨学金とアルバイト代を生活費等にあてていました。親の仕送りは授業料のみで、年間52万だったと思います。
①該当です。
②原則として自宅外で生活をしている
札幌のアパートに一人暮らししていました。
②該当です。
③生活費・学費に占めるアルバイト収入の割合が高い
収入は
「仕送り:年間授業料52万円」
「奨学金:月額5万円×12ヶ月=年間60万円」
「アルバイト収入:年間90万円」
合計:202万円
アルバイト収入 / 合計 =44%
44%って割合として高いですか??
③保留です。
④家庭(両親のいずれか)の収入減少等により、家庭からの追加的支援が期待できない
これは、、、どうでしょう
両親の職業からいって、どうなるか分かりませんが
建設系が滞るとなれば収入が減って追加的支援が期待できないかもしれません。
④該当です。
⑤コロナ感染症の影響でアルバイト収入が(前月比50%以下)大幅に減少している
別の記事にも書いていますが、アルバイト先はエンタテイメント系だったので(子どもが集まるため)休業になったでしょう。
ここで要注意なのが
雇用調整助成金による休業補償を収入に含む
とされていることです。
雇用調整助成金が支給されれば50%以下になることは考えにくいですね。。。
⑤保留です。
⑥既存制度について以下の条件のうちいずれかを満たす。
1)高等教育の修学支援新制度(以下、新制度)の第Ⅰ区分の受給者
2)新制度の第Ⅱ区分または第Ⅲ区分の受給者であって、第一種奨学金(無利子奨学金)の併給が可能なものにあっては、限度額まで利用している者又は利用を予定している者
3)新制度に申込みをしている者又は利用を予定している者であって、第一種奨学金(無利子奨学金)の限度額まで利用している者又は利用を予定している者
4)新制度の対象外であって、第一種奨学金(無利子奨学金)の限度額まで利用している者又は利用を予定している者
5)要件を満たさないため新制度又は第一種奨学金(無利子奨学金)を利用できないが、民間等を含め申請が可能な支援制度の利用を予定している者
長々と書いていますが、この給付金を申請しようとするほとんどの人が
5)要件を満たさないため新制度又は第一種奨学金(無利子奨学金)を利用できないが、民間等を含め申請が可能な支援制度の利用を予定している者
に該当するのではないでしょうか。
⑥該当です。
上記を考慮した上で、経済的理由により大学等での修学の継続が困難であると大学等が必要性を認める者
これ、どういうことでしょう。
緊急支援だから直接申請させてすぐに支給すればよいのに。
申請後、要件に該当しなかったら返還請求すれば良いんです。
(その方が実質的に緊急小口貸付みたいになるんだし)
なんか、国の機関が大学側に責任をなすりつけてる感が満載です。
だって大学生個々の生活状況を理解してる大学なんてありえないですよね。
(医学部くらいになると理解しているのかもしれませんが、この要件にあてはまる医学部生がいたら超特待生待遇で学費払って生活しているんでしょう)
そもそもの事業スキームはこうなっています。
【国の役割】
○要件を決める○学生支援機構(奨学金の団体)に資金を出す
【大学の役割】
○学生の相談・質問・申請を受ける○機構にリストを提出する
【日本学生支援機構の役割】
○大学からのリストを精査する○学生に支給する
なんかこれ、緊急給付金になるのでしょうか。
大学側には頑張っていただいてとにかく早く支給してほしいです。
判定結果・・・・・・不支給?
③の生活費に占めるアルバイト収入の割合
⑤のアルバイト収入が大幅に減少
がはっきりと判断できません。大学側に質問することになるのかな?どうでしょう。
☆ここで、社会人からのワンポイントアドバイス(学生向け)
要件がよく分からない場合は こちらのページ もご覧ください。
審査・処理する学校側向けのQ&Aが記載されています。
5/29現在の要領から抜粋すると
――――――――――――――――――
Q 支援対象を誰がどのように決めるのですか。
A 学生等が各大学等に申請を行い、大学等が要件に該当するかどうかを審査した上で、学生等の推薦リストを作成し、日本学生支援機構(以下「機構」という。)に提供頂きます。
要件については事務処理要領に示していますが、その他経済的理由により大学等での修学の継続が困難であると大学等が必要性を認める者は対象とすることにしており、最終的には大学等が学生の自己申告状況に基づき総合的に判断を行うことにしています。
従って、実際の審査に際しては、学生へのヒアリングなどを通じ、大学側が学生の実情に寄り添った形で総合的に判断して頂ければと考えています。
――――――――――――――――――
とあります。つまり
「要件はあくまでも目安であり、大学側が必要性を認めれば困窮していると認められる学生は誰でもリストに追加して日本学生支援機構に申請して良い」
と読み解くことができます。
これ、どうなんでしょう。メディア等を通してはっきりと説明されているのでしょうか。TVニュースをほとんど見ない私にはわからないのですが、困窮している学生側には伝わっていないような気がします。
結局の所、各大学の学生支援課の裁量次第ということなのでしょう。こういうところにも個別対応の必要が出て「3密」や「事務処理担当のオーバーワーク」が発生してしまうんですね。これはこれで問題です。
さて、学生に向けての社会人からのアドバイスとしては
「自分に向けられた情報だけじゃなく、他者にあてられた情報を見ることで初めて気づくことが沢山あります。社会はそういうところですので視野を広く持つ訓練をしましょう。」と言わせてください。
就活なんかでもそうです。リクナビ・マイナビの企業向け情報を見るだけで企業側が隠していることや企業HPで見るべきポイント、質問する際に気をつけることなどがはっきりしてきます。
今回の例では「審査する側の対応Q&Aを見る」ことで自分の悩みが解決するということが分かりました。
でも、こうして悩んでいるうちに生活できなくなるので、過去の自分であれば
◯奨学金借入を5万円から12万円まで引き上げる
◯両親、祖父母に借金してもらってお金を流してもらう(学生では民間金融機関から借りれない)
で対応することになりそうです。
何事にもすばやさが大切
支援金はいつ手元に届くのか
1ヶ月後に入金になったとしても10万円。
アルバイト代2ヶ月分にもなりません。
国が学生の生活実態をもっと把握できていたらもっと的確な内容の支援が進むのでしょうが、問題が山積みの日本には学生の小さな声は届かないものなのでしょう。
すばやく対応しなければ機を逃してしまい、コロナ就職氷河期世代のみならずコロナ退学留年世代が生まれてしまいます。
本当に困っている方はNPO団体の支援等も検討して欲しいです。
ご拝読ありがとうございます。
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