いまいきーち?≫≠≪≒//_D:! calling;!:

こちらでは主に小説をupする予定です。tumblrでは詩とかも書いてるよ。超遅筆。http://keychi721.tumblr.com/

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冷えたくちびる 細い息をして 焼ける胸 灯りが落ちる 家賃が払えない 夜とキチガイ あの娘はクスリに夢中で いつも白昼夢中 エイティーンからこんなで でも、あの娘だんだん病んで パンが崩れるみたい、でも 自由なんだからいいよねって 底辺だから仕方ない ほんの少しで飛べる 今夜はこもってたい、ずっと パイプひとつで故郷へ行ける 愛だって売れる だって寒すぎるから 天使が飛ぶには 破けた装備 なんとかつなごうと 冷たい日常 わずかな金 今日は疲れた 営業は効かない あの娘

    • ニート・オブ・ダイハード

      非難したいのは、とりもなおさず母だった。 またダークフォースに飲まれそうになっていた。 きっかけは件の障害年金の申請で役所に行ったことだ。 とてもとても煩雑な申請書類を一ヶ月以上かけて集めたのだが、なお役所でなければそろわない書類が二、三足りないというので、数時間かかることを想定して早めに出かけた。 足りない書類のうち、所得証明書があった。わたしの住んでいる市では住民課が発行しているというので住民課に向かうと、「去年度までは所得の申告が済んでいるのですぐ発行できるが、今年度

      • 出口を探してがんばる。

        わたしにしてはしばらく忙しく、困っていた。 何がって、モノを買いすぎるのだ。 理由は分かっている。さみしいのに金があるからだ。 好きな人に二度もふられてしまった。しかも今度は結婚相手が見つかったという理由で。 遺産で暮らすニートだから倹約しなくてはならないのに、治りかけていた浪費癖がぶり返してしまった。 わたしにとって買うことにはふたつの意味がある。ひとつは買い物に出かけてわずかでも誰かと会話することで人とのつながりの飢えを満たすこと。もうひとつはさみしさを満たすための投資だ

        • そりゃあ、無理だ。

          「あー、無理ですねー」 脱オタにはげむヒキニートの心は無残に砕け散った。 初めて行く美容院という名のオタクたちの鬼門で、数年前のわたしがこうオーダーしたからだ。 「ふ、ふわふわだけど、まとまる感じで…」 哀れな喪女を前述のせりふでばっさり斬り捨てたあと、担当の美容師はていねいに説明してくれた。 ふわふわというのは、髪の量を減らして全体を軽くすること。 まとまるというのは、髪の量を残して全体を重くすること。 ふたつは相反する要素なので、両立することはない。 いま考えると、も

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        • 家迷言(やまいごと)
          4本
        • 訳詞
          5本
        • 読了記
          3本
        • 抱きしめたい(試読版)
          4本

        記事

          働けなくても働かなくてはいけない。

          現在、働いていない。 一人で住んでいるが、一人で暮らしているわけではない。自分で稼いだ金で食っていないからだ。 つまるところ、親の遺産で生活している。 派手に使っているつもりはないが、今のペースなら半年はもたないだろう。少しでも長く今の暮らしを保てるように、次回の精神科の診察で障害年金の相談をするつもりだ。 わたしはうつ病患者だ。治療は今年で9年目になる。そしておそらく、先天的な障害もある。いわゆるアスペルガー症候群だ。 ざっくりとわたしの経歴を書いておこう。 1989年生

          働けなくても働かなくてはいけない。

          きみがいなきゃ生きていけない

          明日ぼくは知らない世界へ旅に出る もう留まれない、そんなに強くもない 平気なのは振り返るといつもきみが そこにいて、ぼくを癒すから あの虹の向こうへ行けなくても このちっぽけな夢さえ叶わなくても あの世界はいつもぼくを夢中にさせるんだ でもきみがいなきゃ意味がない 何度だって言い聞かせて生きてきた ひとりきり生きていくって 平気なのは目を閉じればきみが 笑ってる、それだけで あの虹の向こうへ行けなくても このちっぽけな夢さえ叶わなくても あの世界はいつもぼくを夢中にさせ

          きみがいなきゃ生きていけない

          明日はカルーアを買いに行く

          突然、空想が舞い降りた。縁起のいい空想だ。 わたしは上気した頬で、やや興奮したようにインタビューに答えている。翌朝、実家にいつものローカル紙が届く。一面にはわたしの顔。見出しはこうだ。 “県人芥川賞受賞” 34歳で芥川賞を取る。 久々の落ち込みに見舞われ、洗う気力もなく立ち尽くした台所の、汚れた食器の山の前で、なぜかわたしはそんなことを考えた。 最近つまみ読みした本がある。 「こうして、思考は現実になる」。 第1章をじっくり読んだ後、しかしまじめに実験をやろうとは思わな

          明日はカルーアを買いに行く

          スタンド・バイ・ミー

          夜のとばり落っこちて 灯りがあの月しかなくても 怖くない 怖くなんかないのさ きみがそばにいれば ダーリン、ダーリン そばに来て ぼくの隣にいて きみが必要さ 必要さ 見上げた空がぶっ壊れて あの山が砕けて流れても 泣かないよ 涙は一粒もこぼさない きみがいさえすれば ダーリン、ダーリン そばに来て ぼくの隣にいて きみが必要さ 必要さ そうダーリン、ダーリン そばに来て ぼくの隣にいて きみが必要さ 必要さ 困った時はいつでも おいで、この腕の中へ 今すぐにでもお

          アンコンディショナル・ラブ

          きみの中へ落ちたい きみが言うなら何でもなる だけど、どうしたらなれるの たとえ周りを失くしても きみに逢うと思い出すの アンコンディショナル・ラブ 何を言うかは関係ない きみはいつもあげ足を取るから だけどきみにバレるなら こんなわたしは自分を殺し続けるよ きみに全部あげるよ アンコンディショナル・ラブ 切り立った崖に立つと 気が遠のくけど そんなのなんてことないの、今は きみの横で死にたい きみが言うなら何でもする だけど、どうしたらできるの その腕で捕まえてい

          アンコンディショナル・ラブ

          この世の限り

          この世に限りはあるの? もしも果てが見えたなら どうやって笑おうか たのしもうか もうやり尽くしたね じゃあ何度だって忘れよう そしてまた新しく出逢えれば素晴らしい さようなら はじめまして でもまだ愛しい人、本当に果てが見えた時はどうすべきでしょうね? きみが抱きしめてくれたら大丈夫かも。でもまだ不安。 せめて一曲演ろうか。わたしたちのため、この瞬間のため、心の痛みを取り去るために。 わたしはこう言うでしょう。「きみのための歌を作るよ」 少しも古すぎず、新しすぎない

          逆立ちして踊れそうな気がする

          先日、「 ずっとやりたかったことを、やりなさい。 」を読んだ。 思わず、うめき声をあげた。続いて舌打ちした。 なぜって、実家で風呂を浴びている最中に、自分の家にお気に入りの石けんを忘れたことに気づいたからだ。 わたしはアトピーだから、美肌へのこだわりは人一倍で、なのに、なのに、なんてこった!と3分くらいパニックに陥った。しかし開き直り、実家でほこりをかぶっていた別の石けんの存在を思い出し、事なきを得た。 目に見えない力が、こつんと一つ頭を小突いてくれたのだと思う。

          逆立ちして踊れそうな気がする

          わたしを離れたあなたが、鋭く太く生きられますように。

          “星の王子さま (新潮文庫) ”を読んだ。 ずっと読みたいと思いながら、読んでいなかった。今月始め、実家に帰ってなんとなしに共有スペースの兄の本棚を覗いたらあったので、手に取ったらあっという間に読んでしまった。 (余談だが、兄とは本の趣味が合う。わたしが読みたかった本を彼がとっくに読み終えて、古本屋に売るなり捨てるなりしてしまうことがしょっちゅうなので、わたしは不定期に兄の本棚をのぞいている) さて、いい本だった。優しく深い言葉に満ちていた。 読みあさるあいだ、飼い猫

          わたしを離れたあなたが、鋭く太く生きられますように。

          1-4 アパートの前

           カタバミがタンポポの陰で咲いていた。 春もそろそろ盛りを過ぎる。トンビがにぎやかだ。 彩りに満たされた世界に気づいたおれは、そろそろ工房に戻ってもいいか、そう思った。  しかし汚いアパートだ。若い女って、もっと無理してでもいい所に住むもんじゃないのか。学生だってのに。  とにかく、一度だけチャイムを鳴らそう。出なきゃ帰ればいいんだ。 唾を下げてから、かすれた八分音符を押す。 「うちになんか用すか?」 なんで後ろから出てくるんだ。ぎょっとして振り返ると、何度も確かめた顔の女

          1-3 通夜の前

           あのジジイ、なんでたまに笑ってくれなかったんだ。  「本当にこれだけ?」 どれもこれも、ひどい内容だった。 「そうなのよ、本当に」 おれもお袋も、親戚たちも困り果てていた。 「笑わない人だと思ってたけど、こりゃひでえな。遺影だってのに」  「やっぱりアズサちゃんのことが…」 いとこのユミが口をつぐむ。 ゆうべからほとんど寝ていないのに加えて、馴れ合いにうんざりしていたおれが顔をしかめたからだ。 ビビるくらいなら、何も言うな。  「とにかく、アルバムはこれだけだから」 「そ

          1-2 逝く前

           いすが二脚でよかった。お袋と医者が座ればよかったから。 あれは、三ヵ月後か。おれはその個室にいた。窓の外はひどい嵐で、カーテンがすきま風で揺れていた。 狭い部屋にごつい機械がごちゃごちゃと並んでいたもんだから、おれはお袋の後ろに立っていた。  お袋が息の荒い親父にすがる。 「お父さん、なんか言いたいことない?お父さん!」 いつものようなお袋の無茶な言葉に、しかし親父ははっきり応えた。 「手ェ、握ってくれ」 お袋のころころした手ががっちりと親父の手を包む。 親父の顔が苦しみ

          1-1 犬の前

           これは、聞いた話。 親父の個室に、女が来たそうだ。 女はベッドのわきで、長いこと親父に話しかけていた。 あの貝みたいに無口な親父に向かって。  「お父さん、一枚だけでいいので撮りましょう。ねっ」 「いやだ。撮らん」 出会って第一声がそれだ。女は苦笑いして、強引に犬を親父に抱かせた。 「ほら、ジョニーもいい顔してますし。ねえ、先生」  女についていた講師も、たたみかける。うっとうしい笑顔で。 「佐山さん、この子普段こんなにじっとしてないんですよ。私たちも次いつ来れるか分から