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《青銅皮ライオン》から見る《戦乙女の呼び声》と《希望の源、ジアーダ》
オブジェクトが移動するにはまずそれに伴う置換効果の適用を考えます。この時点で天使になるという効果はまだ存在しません。そしてイベントがオブジェクトを戦場に出す時点で効果が作成されます。そしてイベントの結果としてオブジェクトが戦場に出ます。
— MTG質問箱 (@testing_box) December 3, 2024
上のnoteとツイートに対する反論です。
自分が今から書きたい結論としましては、「ジアーダの置換効果の適用を考える時点で、天使でもあるという継続的効果は既に存在する」です。
状況設定から始める
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あなたは《戦乙女の呼び声》と《希望の源、ジアーダ》をコントロールしています。
あなたは《さまようもの》と、それのコピーになっている《クローン》をコントロールしています。
このとき《さまようもの》(クローン)が死亡したとき、それは《戦乙女の呼び声》の誘発型能力で戦場に戻ってきます。
この時、以下のA〜Fがなんらかの順番で発生します。
A:《戦乙女の呼び声》が「それ」を戦場に戻し始める。
B:《クローン》の常在型能力が、それが戦場に出ることを置換する。(具体的に何として戦場に出るかを選ばせる)
C:《希望の源、ジアーダ》の常在型能力が、「それ」が戦場に出ることを置換するかをチェックする。
D:《戦乙女の呼び声》によって「天使でもある」が作られる。
E:「天使でもある」が適用される。
F:それが戦場に出る。
今から自分が話題にしたいのはBとCとDの前後関係です。
上のnoteとツイートに従うならCがDに先行するのですが、自分はそうは思いません。
BはCに先行する
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BとCはともに《クローン》が戦場に出ることを置換する置換効果であるので、616.1が示す順番で適用されます。
Bは616.1cが指示する置換効果なのでこの時点で適用され、Cは616.1a~dが指示する置換効果でないので616.1eの時点で適用されます。
つまりBはCに必ず先行します。
DはBに先行する
ここでやっと《青銅皮ライオン》と彼のリリースノートが登場します。
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《青銅皮ライオン》と《戦乙女の呼び声》の能力は似ています。
オブジェクトの領域を移動させつつ、それに適用されることになる継続的効果を作ります。このnoteでは同一視することとします。
《青銅皮ライオン》のコピーになっていた《クローン》が死亡したとき、ライオンの誘発型能力でそれは戦場に戻ってきます。
このとき、以下のBとDがなんらかの順番で発生します。
B:《クローン》の常在型能力が、それが戦場に出ることを置換する。(具体的に何として戦場に出るかを選ばせる)
D:ライオンの誘発型能力によって「他の全ての能力を失う」が作られる。
果たして、BとDはどちらが先行するのでしょうか?
仮にBが先行するとしたら、コピー先を選ぶことになります。結果的に能力は全て失われるのですが、名前や色が変わってくることになります。
仮にDが先行するとしたら、コピー先を選びません。614.12に基づき、Bがこのイベントを置換するかを考慮するに際し、「他の全ての能力を失う」という「すでに存在している継続的効果でそのパーマネントに適用されることになるもの」を考慮に入れるからです。
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リリースノートが言うには、戦場に出る際に作用する置換効果を持っていたとしても適用されないそうです。
クローン効果はまさにそれなので、適用されません。
このことから、BとDはどちらが先かと言うと、DがBに先行するという結論が得られます。
以上はライオンについての議論でしたが、このnoteではライオンの能力と《戦乙女の呼び声》の能力を同一視するので、《戦乙女の呼び声》の議論においても、DがBに先行すると言えます。
じゃあDがCに先行するよね
BがCに先行することは確認しました。
そして、DがBに先行することも確認しました。
ならば、DがCに先行するという結論が得られます。
《戦乙女の呼び声》が「天使でもある」という継続的効果を作った後に(すごく大事な話なのですが、この継続的効果が適用されるのはもっと後になります。)、《希望の源、ジアーダ》がクローンが戦場に出ることを置換するかどうかをチェックするので、天使化はジアーダから見て614.12が言う「すでに存在している継続的効果でそのパーマネントに適用されることになるもの」に該当するという帰結が得られます。
じゃあ、+1/+1カウンターは乗るという帰結になる
おわり
追記
ハロルドとボブ君のリリースノートにも《青銅皮ライオン》と同じ主旨のことが書いてある
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