本当は面白い物理の授業 016 運動エネルギー
今回は、
「エネルギー」の一つである「運動エネルギー」について勉強します。
「運動エネルギー」とは、運動している物体が持っているエネルギーです。
運動エネルギーの公式
「運動エネルギー」を調べると、次のような公式でがでてきます。
運動エネルギー : K (J)
運動している物体の質量 : m (kg)
運動している物体の速さ : v (m/s)
K = 1/2・m・v^2
上の公式を単位で表すと
(J) = (kg)・(m/s)^2
= (kg)・(m^2)/(s^2)
= (kg)・(m/s^2)・m
= N・m
当然、右辺の単位もN・m(=J)となります。
運動エネルギーの方程式を「K = 1/2・m・v^2」と丸覚えするよりも、「何故この公式になるのか」を理解することが大切です。
これにより応用力が高まります。
運動エネルギーの公式を導き出そう
何故、運動エネルギーの公式は、
「K = 1/2・m・v^2」になるのでしょうか?
運動エネルギーの公式を導き出しましょう。
物体の速度 : V
物体の初速度 : Vo (m/s)
物体の加速度 : a (m/s^2)
時間 : t (s)
とした場合、
等加速度運動している物体のt秒後の速度は、
V = Vo + a・t ・・・①
となります。
そして、t秒後の移動量をX(m)とした場合、
X = Vo・t + 1/2・a・t^2 ・・・②
となります。(上図の射線部の面積が移動量です)
①の式をtについて解くと、
t = (V - Vo) / a
これを②の式に代入し、aについて解くと、
a = (V^2 - Vo^2) / 2X ・・・③
という式が導き出されます。
ここで・・・
「エネルギーが物体に対して仕事をした」と考えて、式を作ります。
物体にした仕事 : W (J)
物体に作用した力 : F (N)
物体の移動量 : X(m)
物体の質量 : m (kg)
この場合、
「エネルギー」 = 仕事 W = F・X
となりますね。そして、F = ma です。よって、
「エネルギー」= maX ・・・④
④の式に③を代入します。
「エネルギー」= 1/2・m (V^2 - Vo^2) ・・・⑤
式⑤は、速度がVo(m/s)からV(m/s)に変換した場合のエネルギーの変化量を表しています。
また、速度の無い物体はエネルギーがありません。
よって、速度が0(m/s)の時を基準とすると、Vo=0(m/s)となります。
すると、速度V(m/s)の物体は、
「運動エネルギー : K」= 1/2・m・V^2
を持っているといえます。