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無限の思考力 001
残念ながら、私は天才タイプのエンジニアではない。
したがって、画期的なアイデアが急に頭に浮かんだことなど一度もない。
常に、思考と検証、その結果を思考にフィードバックして物事を創造してきた。
子供の頃から、小さなことが気になる性格だった。よって、一人で考えることも好きだった。
小学校の理科の時間
「天秤ばかり」の勉強をした時のことだ、
「物の重さを正確に測るために、分銅を使います」
と習った。
その時、私は、
「その正確な分銅を作るために、どうやって重さを測ったのだろう?」
「分銅を測るための分銅があるのか?」
「それでは、分銅を作るための分銅は、どうやって測るんだ?」
「一番最初の分銅は、どうやって作ったんだ?」
「それよりも、一番小さな分銅より小さな重さは測れないじゃないか?」
「それなら、正確に重さを測るなんてできるのか?」
と思った。
小さな砂粒を天秤に置き、微動だにしない天秤を見て、
「やっぱり、正確になんて測れないじゃないか」
と思ったことを、今でもよく覚えている。
私が小学生だった頃は、インターネットなどなく、情報は本とテレビくらい。
よって、迷宮入りしたまま忘れていたが、後々、大学で工学部を専攻したことで、この答えが見つかった。
エンジニアとして仕事を始めたばかりの頃、
当時の上司に
「考えるのはタダ(無料)だ。起きている時間は考え続けろ」
と、よく言われた。
会社で考えている時間は給料が発生するためタダではないが、「思考を繰り返すこと」の重要性を教えたかったのだろう。
もちろん、思考するだけではダメだ。
実際にやってみて、その結果を考察し、それをフィードバックして思考に再度組込む。これを何度も繰り返す。常に最初のロジックが完璧とは限らないからだ。
いや、むしろ完璧であることなど、ほぼ無い。
子供の時に「天秤ばかり」について思ったような疑問を自分で検証して解決していける。
一人で考えることが好きだった私には、エンジニアの仕事は向いていた。
私は、視野の広い人間ではなったため、この思考力を「技術」のためだけに初めは使用していた。
時間が経つにつれ、立場も担当者からリーダーへ、リーダーから複数のプロジェクトの責任者へと移り変わった。
立場が変われば、仕事の内容も変わる。
仕事の内容が変われば、判断する内容も変わる。
純粋なエンジニアとして付けてきた知識だけでは対応できない。時には、今までと全く異なる角度から物事を見る必要もあった。
しかし、どの様な場面においても、共通して使用できた力が「思考力」だ。
「無限の思考力002」へ続く。