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上野公園で 「博物館詣で」

私の家が上野公園に近いため、週末はよく散歩に出かけます。ご存知の通り、上野公園には、博物館や美術館、動物園に神社やお寺があり、少し足を伸ばせば、アメ横や御徒町と、休日の散歩ルートとしてはお腹いっぱいのスポットが満載です。

今回は、地球の誕生から世界と日本の歴史、近代美術まで、時系列に沿って博物館と美術館を巡ってみることにしました。

地球って、なんて豊かな星なんだ〜!
と改めて思う休日散歩になりました。

国立科学博物館(650円)

まずは地球誕生でスタートです。

国立科学博物館の開館は1926年。自然史と科学技術史をテーマにした日本最古の博物館の一つです。収蔵品数は500万4,294点(2022年度時点)で、うち常設展示には約1万4千点が展示されているそうです。

常設展示の展示館は日本館と地球館に分かれており、地球誕生から植物・動物・恐竜の隆盛を追い、人間が誕生して文化を育み、近代の科学発展の歴史から、つい最近のニュースでもある小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったイトカワの破片まで、ながぁーーーーーい地球の生き様をダイナミックでわかりやすい展示で楽しむことができます。特別展も頻繁に開催されていて気になるのですが、結構混むんですよねぇ。今回は、日本館をメインに巡ってみました。

国立科学博物館
この日は企画展「貝類展:人はなぜ貝に魅せられるのか」も同時開催中(常設展チケットで見学可能)。ダイオウイカの模型が柱に巻きつくダイナミックな展示!
フタバサウルス・スズキイ(フタバスズキリュウ)。日本近海に生息していた首長竜で、1968年(昭和43年)に、福島県いわき市の大久川河岸で発見されたそう。
渋谷駅で飼い主を待ち続けた忠犬ハチ公と、南極観測隊に同行して置き去りとなった樺太犬のジロの剥製。がっしりした体格で、南極でも生き残れたのも納得の凛々しさ。
巨大な屋久杉の断面。声なく歴史を物語る、刻まれた年輪。
「貝類展」の貝。様々な色と形の貝殻は、今も昔も収集癖をくすぐる宝石のよう。
海の底を歩くような展示。みんなの足が止まる混雑回廊。
大人気の恐竜エリア。文句なしの大迫力で何度見てもワクワクする。
地震の揺れを立体的・物理的に表現した地震動軌跡模型。これ面白い!地震大国日本ならではな展示物。
宇宙エリアでは、小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったイトカワの破片展示に列ができていた。岩石しかなかった地球から、こんなものが生まれるなんて信じられない。

東京国立博物館(1,000円)

地球の誕生を見届けた後は、人間が生み出した美しい文化の歴史へ。

東京国立博物館の開館は1872年。日本と東洋の文化財の収集、保管、展示、調査研究、普及などを目的に運営されています。収蔵品数は120,812件(2022年度時点)で、国宝89件、重要文化財649件(2023年4月時点)を収蔵しています。展示は、本館、表慶館、東洋館、平成館、法隆寺宝物館の5つの展示館や資料館に分かれています。

平常展(常設展)での展示件数は約3,000件だそうで、4週間から8週間ごとに展示替えがされているそうです。どうりで、いつも違うものを見ている気がするわけです。季節に合わせた展示はとても素敵で、今回は、新年・巳年(蛇)・冬・雪などをモチーフにした文化財が揃えられていました。とっても広いので、今回は本館と平成館へ。

数々のTVドラマのロケ地となった東京国立博物館の大階段。
本館 特別1室・特別2室「博物館に初もうで―ヘビ~なパワ~を巳(み)たいの蛇(じゃ)!―」より。頭に巻き付くのは、蛇のような身体に翁の顔がついた… 蛇?
蛇との戦いを描いたこの浮世絵は江戸時代のものだったはず。今はNHK大河ドラマ「べらぼう」でこの時代の絵師たちが描かれようとしている。
本館 14室「日本の伝統模様「雪」」より。雪の結晶や枝葉に積もる雪があしらわれた反物。季節の柄を楽しむなんて、粋だねぇ。
色も模様もとても美しい。こういうのを纏って新年を祝ったりしたのかなぁ〜。
この部屋はいつも季節の衣装が展示してあって見惚れて長居しちゃう。
鼈甲で作られた簪。これも凄いけど、他の簪も全部すごい。緻密さに衝撃を受ける。
貝合わせ。こちらもNHK大河ドラマで昨年やっていた「光る君へ」で登場。おしゃれ。
毎回長蛇の列でちっとも入れなさそうな「Hello Kitty展―わたしが変わるとキティも変わる―」。

国立西洋美術館(500円)

日本文化を堪能したら、次は世界の美術史へ。
なお、国立西洋美術館は、毎月第2日曜日に常設展を無料で観覧することができる川崎重工業株式会社がスポンサーの「Kawasaki Free Sunday」というものがあり、私はこのタイミングを使って毎月見に行っています。

国立西洋美術館の開館は1959年。西洋美術全般を対象とする美術館としては日本で唯一の国立美術館だそうです。収蔵作品数は5,772点(平成28年度末現在)で、19世紀〜20世紀の絵画・彫刻を中心に展示がされています。国立西洋美術館といえば、本館の設計をル・コルビュジエが担当したことでも有名ですよね。

現在は、企画展「モネ 睡蓮のとき」が大盛況で入り口付近は激混みですが、常設展は割と空いているのでオススメです。常設展の流れで見ることができる小企画展というエリアもあるのですが、私はここで初めてウィリアム・アドルフ・ブーグロー(William Adolphe Bouguereau)という作家を知って美しさに感動し、以降、常設展に展示してあるブーグローの作品をよく眺めています。

ル・コルビュジエが設計した本館。
左から3枚目の青いドレスを纏った女性画家の自画像、本当に美人さんで毎回足が止まる。
ピカソなどの近代の画家が集うエリア。
ウィリアム・アドルフ・ブーグロー。どの絵も目が印象的で、優しそうな肖像画に見惚れる。

上野東照宮ぼたん苑(1,000円)

ここまで、改めて奇跡の星・地球の豊かさを実感し、先人達の力強い生き様を見たところで、最後は儚くも美しい牡丹で締めたいと思います。

上野公園を散歩するときは、ほぼ必ず上野東照宮も立ち寄るのですが、その参道にひっそりと入り口があります。牡丹がメインの庭園ですが、秋にはダリアも見られます。美しい庭園で、ふわふわ、もこもこ、色とりどりの牡丹の花を眺めていると、とっても平和で穏やかな気持ちになります。入場料が1,000円と少し高いので、休日でも人もそこまで多くなく、ゆっくり見ることができました。

上野東照宮ぼたん苑は、徳川家康公を御祭神とする上野東照宮の敷地内に、1980年4月、日中友好を記念し開苑しました。回遊形式の日本庭園に植栽された牡丹は現在、春は110品種500株、冬は40品種160株が栽培されています。東京都心にありながら緑豊かな上野で、江戸風情に身を委ねながら、ごゆっくりと牡丹をご観賞ください。

上野東照宮ぼたん苑とは
上野東照宮ぼたん苑入り口。
色々な品種の牡丹が並ぶ。
もうただただ美しい。
可憐とはまさにこのこと。
この花びらの布団(?)に包まれたい。
牡丹以外もあります。蝋梅(ロウバイ)の花。
庭園なので、花以外の季節の飾りも色々あり、巳年で蛇の飾り付けも。
七草粥に混ざってちょこちょこアピールしてくる上野のスター・パンダ。
奥に見えるのが上野東照宮。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
滅びてしまった生き物も含めて、星の数ほどの動植物や人々の知恵と情熱がギュッと詰まった地球を感じることがでる博物館・美術館巡り。こういう施設を途切れることなく運営してくれている人たちには感謝するばかりです。

以前、国立科学博物館が行ったクラウドファンディング「地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ」をご存知でしょうか。1億円の目標金額に対して最終的に9億円を超える寄付が集まりましたが、私もこれにわずかながら寄付をしました。興味や好奇心を育む環境が近くにあるというのは、素晴らしいことですよね。

あれもこれも面倒でうんざりした時は、心をリフレッシュしに、博物館・美術館詣でに出掛けてみませんか?

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