ブライ・ノーウェア #1
ネオサイタマ。シノノメ・ディストリクト。
キリウキ・ドージョーの師範代であるモチギ・レンスケはその日、自らが受け継いだドージョーを閉ざす決意を固めた。
いや、正確には戦意の喪失、ヤバレカバレの諦めと言った方が正しいか。
かつてのキリウキ・ドージョーは、多くの門下生が集うカラテ・ドージョーだった。
街の若者たちが集い、日夜自身の心身を鍛える修養の場。
地元の住民たちとの交流も盛んで、実際このディストリクト内では愛された存在だった。
先代のドージョー・マスターであるキリウキ・ゲン