距離
あなたと付き合っていることを、周りは知らない。
友だちに囲まれているとき、わたしたちは互いに敬語で会話する。
さっきまで抱き合っていたのに、今は手もつなげない。
あなたとの間に空間があることに、いつから違和感をもつようになったんだろう。
抱き合って空間を埋めて、気持ちを確かめあって。
信じて甘えて、空間ができても大丈夫になって。
そのうち互いにすれ違って、空間がどんどん開いていって。
わたしたちもそのうち、そんな風になるのかな。
わたしは自分を信じていないから、この空間に慣れてしまうことがとても怖い。
そして自分と同じくらい、わたしはあなたのことも信じていないんだと思う。
信じても大丈夫だって、信じさせて。