それってほんとに節約なのか?
21世紀の車には「アイドリングストップ」という実に不便な機能が備わっていて、交差点や一時停止でエンジンが止まり、アクセル踏むと再始動するというやつで、その目的はガソリン消費の節約にあります。
しかし、頻繁な再始動は運転者にとって気分のよいものではなく、都市部の渋滞ではエンジン停止起動を短い距離の間に何十回も繰り返すこととなります。また夏の暑い日はエアコンは止まって暑くてかなわない。
確かに多少はガソリンの節約にはなるのは間違いないですが、その代わりに頻繁な再始動によるバッテリーの損耗は激しく、節約したガソリン代よりもバッテリー交換費用の方がはるかに高くつくという、まったくもって消費者を馬鹿にした機能でした。国交省の燃費試験モードに対応するためのものだったらしいですが、ユーザの立場を考慮しない典型的な「お役所仕事の弊害産物」であったわけです。
じつは、ほとんどのアイドリングストップ対応車には「機能停止ボタン」というのがあって、ピッと押せば機能は完全に動作しなくなる。それはすこぶる快適なんだけど、こいつが問題解決の手段かというとそうでもない。困ったことに、いったんエンジンを止めたら初期状態に戻ってしまう。クルマに乗るたびにエンジンかけたら毎回忘れずに「機能停止ボタン」を押さなければならない。簡単な手順のようにみえてなかなか不便なものです。
なんとかならないかとネットを検索していたところ、同じような悩みを抱えた方はたくさんおられるようで、たどりついたのは「アイドリングストップキャンセラー」という怪しげな製品。「アイドリングストップ機能停止ボタン」裏側の配線にこいつをかませれば、エンジンを停止しても初期状態に戻らないという夢のような製品。もちろんいつでも手動で初期状態に戻すこともできる。簡単な電気部品にしては4500円とやや高いがしかたない
すぐにでもこれを取り付けたいのではありますが、念の為、いきつけのディーラーに確認をとってみた。不正改造を疑われては不本意ですからね。ところが、同じような相談は多いらしく、ディーラーとしてもユーザの不便は承知していたようで、むげに放置はできず、かといって純正の機能を削除もできないということで、こういった怪しいサードパーティ製品をユーザがDIYで取り付けをことを黙認している状態だ、という言質をとることができました。おそらく、いつでも初期状態に戻せるというのが黙認の条件みたいです。
ということで、アマゾンで注文し、晴れた土曜日に取り付けとなりました。配線自体はカプラーを「ポン付け」するだけのもので、工具は一切不要。やや大変だったのはダッシュボード下の狭い空間に手を入れて小さい部品を外しつけるこで、寝そべって仰向けに作業してなんとかやっつけることができました。動作は問題なく、アイドリングストップのない状態になったわけです。めでたしめでたし。