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TourBox Elite レビュー:DAWを使用するミュージシャンにもオススメ

こんにちは、fhána(ファナ)というバンドで色々やっております。kevin mitsunagaです。

先日Twitterにて、クラウドファンディング中となる「TourBox Elite」のプロモーション映像を見かけました。(クラウドファンディングのプロジェクトサイトはこちら

その動画に興味を惹かれ、便利そうだな〜なんて投稿をしていたところ、TourBox Tech Inc. 様からご連絡をいただき、製品サンプルをご提供いただけることになりました。
本投稿はその使用感のレビュー記事となります。

動作環境

・M1 Pro チップを搭載した MacBook Pro (2021)
・メモリ 32GB

そもそも TourBox って?

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デジタルクリエイターのために生まれたソフトウェアコントローラーです。
様々なダイアル・ノブ・ボタンを搭載しており、その動作の一つ一つに特定のショートカットキーを割り当てたりすることで作業を効率化できるデバイスとなっています。
プロモーション映像や他のレビュー記事を見ると、主にイラストレーター・写真家・映像クリエイター向けの製品のような印象が強いですが、私が主に行っているDAWを用いた音楽制作においても問題なく使用することができます。

今回クラウドファンディングをしている TourBox Elite はこれまでと何が違うの?

TourBox Elite は、これまで発売されてきた TourBox シリーズの最新作となります。
これまでの製品でも、ダイアルやボタン等の操作によって作業効率化を図ることが出来るデバイスという方向性は全く同じですが、主に下記の新機能によって更に便利なデバイスに進化しています。

・Bluetooth 接続が可能になり、ケーブルレスの運用が可能に
・ハプティクスフィードバック、つまり内蔵モーターによる振動による触覚への刺激が追加されたことにより、より直感的な操作が可能に
・各種ボタン等のパーツを全体的にアップグレードし、品質が向上

結論、TourBox Elite の評価は?

長々と感想を書く前に結論からお伝えしますと、想像を上回る素晴らしい製品でした。
まだ製品に触れてから間もないですが、かなり便利に活用できています。
では具体的に何が良かったのか、より細かく説明していこうと思います。

TourBox Elite の良かった点

・何と言っても、ノブ/スクロール/ダイアルを操作した際のハプティクスフィードバックが最高

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とにかくこれが気持ちいいです。
操作するたびに指先に「コリッ、コリッ」という心地良い振動が伝わってくることにより、どれくらいダイアルを回しているのか、どれくらいスクロールしているのかを直感的に理解することが出来ます。
この機能は、動作モードを「振動なし」「弱振動」「強振動」の3種類から選ぶことが出来るのですが、振動なしと振動ありを比べてみるとやはり操作の快適さ・リッチさに大きな差があると感じました。
気持ちよすぎて、特に操作する必要がない場面でもつい触ってしまうことが多々あります。

・Bluetooth接続の遅延が少なく、有線接続とほぼ変わらない感覚で使用できる

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私は基本的にあまり Bluetooth というものを信用しておらず、接続が不安的になったり信号の遅延が起きることを嫌ってあらゆるデバイスを有線接続しがちでした。
もちろんこの TourBox Elite も有線接続が可能ですので、そのような運用をしても良いのですが、私のメインマシンである MacBook Pro (2021) にはUSB-C形状のポートが3つしかなく、すでに様々な機器がこのポートを奪い合っている状態のため Bluetooth 接続で運用しようかなという気になりました。
ところが、あまり期待せずに Bluetooth 接続を行ってみたところ、接続は安定しているし通信の遅延もほぼ知覚出来ないくらいの水準になっていると感じ、良い意味で予想を裏切られました。
あまりにも普通に使えてしまっているので、今後有線接続を使うことはおそらく無さそうです。

・設定できるダイアルやボタンの組み合わせが何種類もあり柔軟に設定できる

TourBoxコンソール 4.0 Beta DEV 22.02.25 2022-04-04 06-45-59

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ここからは TourBox Elite 特有の話ではなく、TourBox シリーズの過去製品にも共通の話ですが、メインボタンである サイド/トップ/トール/ショート は2度押しで発動するショートカットを設定可能だったり、押しながらノブ操作で別のショートカットを割り当てることも可能だったりします。
これにより、配置されているボタンの数以上に沢山のショートカットやマクロ(複数のショートカットキーやマウス操作等を順番に自動実行できる機能)を割り当てることが出来ます。

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また、今現在どのアプリケーションを操作しているかによって、事前に用意しておいたプリセットを自動的に切り替える機能もあるため、プリセットを切り替える手間もかからないのが良いですね。

・ダイアルだけではなく、中央のノブ(ツマミ)にも表面に凹凸の刻みがあり、表面をなぞるだけでもノブを回転させることができる

これ、よく考えられているなと思いました。
左下に配置してあるダイアルは表面を円を描くようになぞることで回転できますが、中央のノブでもその操作が出来るため「小さめサイズのダイアル」として機能します。
これにより、指2本でつまむ形ではなく指1本でもスムーズに操作が出来るのが便利でした。

・ノブ/スクロール/ダイアル に対する 左回転 / 右回転 時に発動する設定を瞬時に入れ替え可能

TourBoxコンソール 4.0 Beta DEV 22.02.25 2022-04-04 07-32-42

これは地味に設定が捗る気の利いた機能でした。
こういった回転系の動作は、右回りと左回りで逆の動作に割り当てることが殆どだと思います。(拡大 / 縮小 など)
ただ、設定したあとに「やっぱり役割を逆にしたほうが使いやすいな…」と感じることも多々あります。
こういう場合に、設定アプリケーション上でその設定をワンクリックで入れ替えることが出来ます。
TourBox は、複数のソフトウェアで別々のプリセットを設定することになりますので、この設定にかかる手間が省けるのは嬉しいですね。

・Mac 環境における TourBox Console アプリはユニバーサルアプリになっている

TourBox の設定管理を担っている常駐アプリ TourBox Console はユニバーサルアプリとなっています。
つまり、M1 チップを搭載した Mac でも Rosetta 経由での起動ではないネイティブ動作となるため、メモリ消費や電力消費が抑えられそうです。
※TourBox Elite に対応したベータ版の TourBox Console アプリを使用しています。

・シンプルに造りが良い

デバイスに適度な重さがあるため、作業机の上で操作の度に位置が動いてしまうことがありません。
また、私が使用しているデバイスでは4つのゴム足のうちどれかが浮いてしまうということもなく、操作中にガタガタと傾いてしまうといったことは全く起きませんでした。

TourBox Elite の注意すべき点は?

・Bluetooth接続を行う場合、電源はあくまで単3乾電池でありバッテリーは内蔵していない

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バッテリー式でないことには注意が必要です。
Bluetooth 接続を行う場合、単3乾電池が2本必要となりますのでご注意ください。
ただ、これに関しては eneloop などの充電式乾電池を用意すればランニングコストも抑えられますので、無線接続の便利さを享受できることと比べれば些細な事だと思います。

・左下のダイアルは、他のボタンと組み合わせることができない

細かい点にはなりますが、左下の大きなダイアルは「回転させる」か「プレス」する操作にしか動作を割り当てられません。
他のボタンを押している間にダイアルを回転させた際には別のショートカットを発動する、ということが出来たらより便利に使えると思いました。
とはいえ中央にもノブがあり、このノブであれば他のボタンとの組み合わせにも対応しているのでこれで代用できています。

まとめ

もっと色々と注意点や改善して欲しい点が出てくるかと思っていたのですが、想像以上に TourBox Elite は隙の少ない優れた製品でした。
クリエイターが使用するソフトウェアは、複雑なショートカットキーを色々と覚えたりしなければならないことが多いため、それらを直感的に操作できるコントローラで操ることが出来るのは思っていた以上に快適です。

また、今後のアップデートでデバイスの操作により MIDI 信号を出力することも出来るようになる予定だそうです。
音楽制作者にとっては、MIDI が使えるようになればインストゥルメントのオートメーションを書き込むといった活用の仕方も出来るようになりますので、ますます便利になっていきそうです。非常に楽しみですね。

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