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決算書で解説:【日産】ゴーンは本当に救世主だった?

日産に関連して、「ゴーン氏は日産の危機を救った」等の報道がありますが、
正しく事実を把握していますか?実際の数字を見てコメントできていますか?
今回は、決算書解説シリーズの第一弾として、日産を取り上げてみたいと思います。

ゴーン氏就任前の業績、就任後の業績の変化
「ゴーン氏は日産を救った」とよく言われますが、ゴーン氏就任(1999年6月)後にどれほどの期間で、どれほど改善したかを具体的に数字を見て解説したいと思います。
結論から言うと、ゴーン氏就任後の約20年間で、売上は6.6兆円から12.0兆円と約2倍、経常利益に至っては245億円から7,503億円となんと30倍にもなっています。
「救世主」という表現が正しいのかはわかりませんが、ゴーン氏が指揮を執っていた20年間で劇的に業績が向上したことは間違いありませんね。今後、西川体制になって、この業績がどのように変化していくのか、既に早速業績予想の下方修正を発表していますが、要注目です。
なお、経常利益とは本業の儲けを示す営業利益に、為替の影響、金利収支等を加味した利益で、リストラ等の特別損益を考慮する前の文字通り「経常的な」利益を示す指標です。
以下詳細な数値及び売上高、経常利益の推移を示したグラフです。(日産自動車 有価証券報告書より抜粋)

今回は有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」から情報を取得しています。有価証券報告書(四半期報告書)は上場会社が毎年(毎四半期)提出しなければらならない書類で、企業のホームページの「投資家の方へ」といったページに大体掲載されています。「主要な経営指標等の推移」は本文1ページ目に掲載されるもので、過去5年間の業績や財政状態が一気に確認できるので、企業分析をする際は、ブログや偏った報道に惑わされず、ここをチェックして事実をしっかりと把握するのが良いと思います。

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