今日は誕生日
今日は私の誕生日だった。誕生日にさきがけて、2日前に予約してあったウィットニー美術館に出かけた。
最近は調子のいい日と悪い日が交互にやってくる。ちょっと調子のいい日のほうが長いかな、という感じ。ここ2,3日はまた幻覚を見たりしていたけれど、徐々に調子が上がってきてる。
美術館に出かける前、家の中になんども様子を見に行ってるのでどうしたのか聞くと、みんな一緒にいくの?という。どうも家のなかに誰かがいて一緒にいくのかどうかを心配している様子。家には誰もいないのでどうもこれはあやしいなぁと思っていた。
美術館につくと、しばらく別々に絵を鑑賞していたんだけど、少ししたら側に寄ってきて、「今日は車をどこに停めてる?帰りは載せて帰ってくれる?」と言い出した。これはまた私が誰だか分んなくなってるなと思ったけど、去年から続いているこの状態に私も少しは慣れてきた。
私「もちろんよ、車はちゃんと停めてあるから心配しないで」
ツレ「ああよかった。で、キミはどこに住んでるの? ヨンカース?」
私「ううん、ブロンクス」
ツレ「じゃあ近くだね。ブロンクスのどこ?」
私「〇〇〇アベニュー」
ツレ「ほんとに近所なんだ!」
私「うん、おんなじ家に住んでるんだよ」
こんな感じ。で、ツレはしばらく考え込んで自分が何かおかしいことを言ってると考え始めてなんとか調整しようとがんばってるのがわかる。
私が誰だかわかんなくなるのはよくある。でも今のところは、誰だかわかんなくなるのは私に限ってる。最初は私のことを離婚した前の奥さんだと思ってた。次は昔の彼女。今はその二人でもない、近しいけど誰だか分んない人。こんな風に混乱して我に返ってる翌日に、昨日のこと覚えてる?と聞くと、車を運転してた女の人がいて、あれは誰だかわからない、その時は一緒にいた?という。こういうふうに私を認知できないときはいったいどんな風に彼の世界はできてんだろうか、不思議。
それでも、美術館のかえりにはフレンチレストランで、ツレはエスカルゴを初体験し、美味しい料理に舌づつみをうった。コロナで自粛が続いた一年だったけど、楽しい夜をすごせてよかった。
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