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『太陽の牙ダグラム』全75話を見た
昨日、バンダイチャンネルにて『太陽の牙ダグラム』の最終話(75話)を見終えました!
ダグラム視聴後にどうしても語りたくなったので、今回は『太陽の牙ダグラム』の感想や思っていることを述べていきます。
ダグラムを見たことがあって『あるある』と共感したい
ネタバレしてでもいいからダグラムが知りたい
という方に向けた記事となります。
記事はネタバレ有となりますので、ダグラム視聴予定&視聴中でネタバレしたくない方は回避していただけると幸いです。
(あと例え話で『銀河英雄伝説』にも触れているので、銀英伝未視聴の方も回避でお願いします。)
ダグラム、めちゃくちゃ面白かった!!
ロボアニメが好きな方なら、生きているうちに一度は見て欲しい作品です!
▼『太陽の牙ダグラム』の感想
太陽の牙ダグラムは植民惑星デロイアの反乱軍ゲリラ(のちの解放軍)と、体制側・地球連邦との争いのお話。
主人公のクリンを中心に、デロイア側が地球からの独立をかけて戦います。
ダグラムといえば、泥臭いロボット戦やゲリラ戦に加え、骨太な政治ドラマも描いたロボットアニメには珍しい作品。
1981年に放映されたましたが2022年に見ても色褪せず、大人でも楽しめる見応え抜群のアニメとなっています。
下記のリンクを挟んでネタバレ感想を書いていきます!
結論:めちゃくちゃ面白かった!!!
全75話を観た甲斐がある作品でした!
ダグラムは、
グイグイ惹き込まれるストーリー
時に文句を言いたくなるような政治の駆け引き
手に汗握るコンバットアーマー(以後CB)の戦い
など見どころ満載。40年以上前の作品とは思えない、今見ても十二分に楽しめるロボットアニメでした!
◇ダグラムを見た経緯
ダグラムを見たのは、YouTubeのサンライズチャンネル(サンチャン)での放送がきっかけ。
「ダグラムか、いつか見たいなぁ」と思っていたんですが、70話を越える話数に腰が重くなかなか視聴に踏み切らなかったんですよね。
ある時、サンライズチャンネルでダグラムが放送するということがあって視聴を始めたら、見事にドハマり。
第2クール辺りまで見たのですが、サンライズチャンネルの仕様上いつ続きをやるのかわからない。下手したら放送されないかもしれない。
続きが見た過ぎていても経ってもいられなくなったので、バンダイチャンネルに加入。お試し期間1ヶ月+通常会員1ヶ月の間で、50話前後を見ました!
◇ダグラムは「ながら見ができない」ほど面白い!
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最近の自分はテレビや録画した作品を見る時、一部を除いて大抵はながら見をしているんですよね。
けれどダグラムは違います!
ダグラムを見る時はながら見をせず、食い入るように画面を見ていました。久しぶりに出会えた、ちゃんと集中してストーリーを楽しみたいと思える作品だったのです。
ただ面白さはあるものの、ストーリーを咀嚼して堪能して余韻に浸りたいために、そして見るのに結構パワーが必要だったため、最終盤以外は1日に最高でも4話くらいまでにして見ていました。
最後の方は続きが気になり過ぎて、5話以上を一気見していましたが!
ながら見をせず集中して見て、物語の余韻にも浸りたくなるのがダグラムなのです。
◇ダグラムの良かったところ
ここからはダグラムの良かったところについて、たっぷり掘り下げていきます!
〇緊張感のあるバトル
ダグラムの魅力は、何といっても戦闘シーン。ミリタリー色が強くダグラムは、CB対CBだけでなく、人対人や人対兵器(CBやヘリ)などバリエーション豊かなのが良いですね。
バリエーションが豊かに加えて、緊張感がある戦闘シーンが何よりも魅力。
確かにダグラムは鉄壁ですし大抵は傷は負いません。火力もありますが、常に無双しないところが逆に手に汗握るんですよ!
緊張感のあるバトルの例は、次の通り。
砂漠で補給や援軍もないまま持久戦
ダグラムが苦手な立地条件で(足場の悪い砂漠など)戦う
恐るべきチームワークで4機同時に攻撃してくる24部隊
終盤の孤立無援っぷり
シチュエーションを抜粋しましたが、結構危機的状況があるんですよね。戦闘の種類やピンチのおかげでメリハリがあるため、食い入るように見られるのです。
追い詰められて逆転するシーンが多いのも、ダグラムの魅力。
危機から脱してリニアカノンで敵CBを撃退した時は、「よし!」と我がことのように喜んでいました!
〇ストーリーの半分ほどは締める政治劇の見応え
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ダグラムはロボットアニメですが、半分くらいは政治劇がメインです。
大人の政治の駆け引きや汚さが、まぁ見ごたえあること!
特に野心を露わにする、後半のラコックがね!!
目の前の戦闘で勝てても、政治劇的駆け引きにより大局では負けてしまう。
クリンとダグラムが無双しても状況が一変しないところが、かえって面白いんですよ。
そしていい意味で政治劇が複雑すぎないのも、見やすくて良かったです。
たぶん政治色を強くし過ぎたら、離脱者も多くなったと思います。物語に深みを持たせながらもディープすぎない、政治劇の絶妙な塩梅が素晴らしかったです!
〇一筋縄じゃいかないストーリー展開
ダグラムの良いところは、全75話のストーリーが一筋縄じゃ行かないところも魅力といえるでしょう!
砂漠で敵に執拗に追い込まれて危機に陥る
せっかく逃げ込んで戦力を蓄えていたアンディ鉱山を追い出される
など、主人公サイドだからと状況が右肩上がりに良くはなりません。そんな良いことだけでなく悪いこともある、一筋縄じゃいかないストーリーに目が離せなくなります。
特に言いたいのが最終盤ですよ!
犠牲はあるものの、勢いづいた解放軍。最終目的である北極ポートを目の前にして、ついに地球連邦を破る!夢見た独立まであと一歩!!!
という所で横やりが入るんですよ!?あのもどかしさ、肩透かしを喰らった時の気分たら、もうね!
その上、サマリン博士監禁からの、勝手な和平交渉で銃を突き付けられながら独立がなったって。劇中の太陽の牙の面々が言ってた通り、スッキリしない終わり方は見ている側も同じです。
一筋縄じゃいかない話に、すっかり感情移入して虜になっていました!
そこからの最後の展開もまたね、いいのよ。ビターな感じが……実にいいい……。
最後の最後まで、一筋縄じゃいかないストーリーに目が離せず、最終盤は一気見していました!
〇「もし……」を考えられるストーリー展開
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一つ上の見出しから派生して、ダグラムは「もし〇〇だったら」と考えられるストーリー展開も魅力の一つと言えるでしょう。
自分の記憶が鮮明なのもありますが、やはり終盤の北極ポート侵攻からサマリン博士を出し抜いてのヘシ・カルメルとラコックの和平なんかがいい例です。
「あそこでヘシ・カルメルのクーデターが起きなければ」
「北極ポートを制圧できていれば博士は……」
と妄想が広がり、「もし」を考えられる余地があるのもダグラムという作品が好きな理由の一つです。
銀河英雄伝説を見ていた時に思っていた、
もしキルヒアイスが生きていたら
もしヤンが生きていたら
に通じるところがありますね!
〇キャラクターの良さ
ダグラムは全75話と話が長いだけあって、色々なキャラクターが登場。
名前のあるキャラクターは話を通じて魅力を掘り下げているので、印象深いです。
個人的に好きなキャラクターを3人、ご紹介します。
1.ハックル
第13話から登場し、連邦軍から寝返ったキャラクターがハックル。弱気ながらも時に大胆に行動し、豊富なメカの知識と確かなメカニックの腕で太陽の牙やダグラムを支えるのがハックルです。
正直登場した当初は、「あぁこのキャラ2・3話で死にそうだな」と思いながら、ハラハラして観ていました笑
(代わりに死んだのはフェスタですが)
弱音を吐くことが多いハックルですが、肝心な時には肝を据えるのが特に好き。
具体的にはボナールグランプリの際にクリンやキャナリーとともに残って2人を支えるところが好きですね。
また全編通じてメカニックの腕と知識で太陽の牙を支えたハックルは、ナナシと同じくいないと詰んでいたとも思えます。
ナナシほどではないものの、ハックルは第2のコメディリリーフとしての位置も非常に良かったですね!
個人的にはクリンを始め、太陽の牙の面々を最後まで「さん」付けで呼び続けるのも印象的でした。
太陽の牙の面々と最後まで距離感があるというよりかは、ハックルなりの生真面目さが現れていいなぁと。
2.J・ロック
劇中の太陽の牙の面々と同じく、「さん」づけで呼びたくなるJ・ロックさん。
太陽の牙にとって最初から最後まで、ストレートに頼れるその姿はカッコイイです!
登場するのは、たいていは太陽の牙の面々がピンチの時。颯爽と駆け付けて敵を撃破してわ、嫌なところがないわでJ・ロックさんを好きにならない理由ないですよ!笑
ダグラム本編視聴後に色んなサイトを見て知ったのですが、J・ロックさんが乗るJ・ロック・バギーこと『ブロムリー J・R・S ネイティブダンサー』は、プラモが売れたとのこと。
売れたのもわかります、本編を見終えたらダグラムともども欲しくなりますもんね。J・ロック・バギー。あとネイティブダンサーって名前がカッコ良すぎ!!
そんなJ・ロックさんはいつでも頼りになりますが、最終盤でも駆け付けてくれた時はめちゃくちゃ嬉しくなりました!
(と同時に、最後の最後でJ・ロックさんが駆け付けてもどうにもならない戦況に、いよいよやばさを感じました)
サマリン博士を移送するあたりで、めちゃくちゃ死亡フラグ立っていたJ・ロックさん。バギーに乗っていた部下が死んでしまった際は、「最後はみんなを逃がすために特攻でもしちゃうの!?」とヤキモキしながら見ていましたよ。
無事生き残った時は実にホッとしましたし、武器を捨てて最後は颯爽とどこかへ消えていく様もカッコ良かったです!
3.ザルツェフ少佐
苦労人&最も頼りになる男。太陽の牙の面々を始め、解放軍の兵士から「少佐」と呼ばれ、信頼され続ける作戦参謀のザルツェフ少佐も好きです。
登場した時は敵のザルツェフ少佐は、ガルシアと打って変わって性格まとも・作戦手腕もあるなど「これはヤバイ敵出てきたわ」と、物語に緊張感を与えた存在。
フォン・シュタイン大佐によって失脚された後、紆余曲折あって解放軍に身を寄せてから評価がグングン上がっていきましたよ!
アンディ鉱山を出る時のサマリン博士との芝居
いかなる時も最悪を想定しての作戦立案
ある時の予告で主人公のクリンを差し置いて名前が上がる
など、八面六臂の活躍でしたね!
「少佐が作戦を立てるなら安心だ」と解放軍兵士のような気分で、本編の後半を見ていました。
頼りになるからこそ、謀略により捕まってしまい、フェードアウトしたのが悲しかったです。ひとまず死ななかったことが、せめてもの救いでしょうか。
ザルツェフ少佐は個人的にはハックルと同じく、太陽の牙の面々を最後まで「君」付けで呼んでいるところも印象的でした!
〇キャラクターの話で補足
視聴後訪れたヨドバシの店舗にて、上記にリンクを張ったプラモデルの『太陽の牙セット』を発見。パッケージを見て「めっちゃいい……」と感動しちゃいましたよ!
何がいいかって、最後まで登場した太陽の牙の面々に加えて、途中離脱したフェスタとリタまで書かれているんですもの。
実現できなかったifの太陽の牙をパッケージに描いてくれたのは、ジーンと来ました!
〇ダグラムは「大河ドラマ」
視聴後に感想を見て共感したい!と思い、色んな感想をチェック。
その時どこかで見た、「ダグラムは大河ドラマ」という表現に非常に同感しました。
話数のボリュームやお話の運び方(ハッピーとは言い切れないビターさがあるものの、どこか爽やかなエンド)、視聴後の喪失感は大河ドラマを見た後に似ていました。
全75話をかけて主人公や主人公たちを追っていくところも、長い話数をかけられる大河ドラマに似ている気がします。
◇ダグラムの「ん~」と思えるところ
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〇1クール目のダグラムに乗るまでが長い
やはりクリンがダグラムに乗るまで、時間がかかるのがちときつかったですね。確か登場するのは10話くらいだったような?
それまでのストーリーは爽快感がないですし、話も牛歩で進むのは少し厳しかったです。なんならダグラムに乗って太陽の牙の面々と合流しても、クリンが受け入れられるまで少々時間がかかったところも、「ん~」と言えるところでした。
けれど今見るのならバンダイチャンネルを始め、サブスクリプションで一気に見られる環境でしょう。一気見できる環境ならば、あまり問題にならないかもしれません。
〇オーラス最終回の予告でネタバレを喰らう
最終回である75話の予告で、Gガンダムの最終回予告よろしく思いっきりネタバレを喰らうんですよね!
ダグラムは視聴前から、まとめサイトなどでうっすらと最終回辺りの内容は知っていました。(ラコックが惨めに死ぬなど)
けれどまさかそのラコックが死ぬシーンを、最終回の予告で登場させるとは!欲を言えば、デスタンと対峙するところで切り上げて、衝撃的な展開は伏せて欲しかったです笑
▼まとめ
今回は太陽の牙ダグラムを全75話見終わっての感想をご紹介しました!
ロボットバトルやゲリラものに政治物をうまくミックスした太陽の牙ダグラムは、40年経った今でも見応えのある作品です。
興味を持っている方にはおすすめできますし、ロボットモノが好きな方ならぜひ見て欲しい作品だといえます!
本編を見終えた自分は、近いうちにバンダイチャンネルにある総集編の『ドキュメント太陽の牙ダグラム』を見たいと思います。
その後は、太陽の牙ダグラムという作品を制作側がどういう経緯や思いで世に送り出したのか!も漁ってみたいですね。
太陽の牙ダグラムは、ここ最近見たアニメの中で一番の当たり作品でした!!