マガジンのカバー画像

月刊 米国株決算祭り

優良企業・話題の企業を中心に米国上場企業の決算データおよび企業動向を毎四半期ベースで定点観測。記事内容は全てストレイナー(https://strainer.jp)からの転載となり…
注目の米国上場企業の決算データ・企業動向をベースに時間をかけてディープに見ていく記事と、情報を整理…
¥1,980 / 月
運営しているクリエイター

2023年12月の記事一覧

シミュレーション技術で各産業を支える「ANSYS」シノプシスが買収へ?

シミュレーション技術で各産業を支える「ANSYS」シノプシスが買収へ?

現代社会において欠かせないテクノロジーの一つに、コンピュータシミュレーションがある。

例えば自動車産業。新たな車種を発売するには衝突試験による安全性の担保が必要だが、一度の試験には何百万ドル、数カ月もの費用と時間がかかる。高度なセンサーを搭載しているため、人形だけで100万ドルもするという話もある。

衝突試験にかかるコストを抑制するため、役立つのがシミュレーションだ。仮想試験なら、開発初期から

もっとみる
金融データで成長を続ける「ファクトセット」非上場マーケットにも注力

金融データで成長を続ける「ファクトセット」非上場マーケットにも注力

今回紹介するのは金融データ領域の代表企業、ファクトセット(FactSet Research Systems)だ。

金融データ市場はブルームバーグとリフィニティブ(旧トムソン・ロイター)が他を圧倒。Capital IQ(S&P Global Market Intelligence)やムーディーズ、ファクトセット、モーニングスターなどが続く構図である。

全体では五番手という位置付けのファクトセット

もっとみる
需要高まるも成長は鈍化?「Adobe」にみる”生成AI”への過熱化した期待

需要高まるも成長は鈍化?「Adobe」にみる”生成AI”への過熱化した期待

テクノロジー企業のAdobeが12月13日に2023年11月期決算を発表。

9〜11月の売上高は前年比12%増の50.5億ドル。営業利益は同じく16%増の17.4億ドルだった。業績は堅調だが、発表後の株価は低迷。発表前と比べると8%弱の下落となっている。

株価急落の要因とみられるのが、来期の業績予想だ。2025年11月期の通期売上高は213〜215億ドル(前年比9.7〜10.8%増)を見込んで

もっとみる
50年連続増配!米国の塗料メーカー「RPMインターナショナル」とは

50年連続増配!米国の塗料メーカー「RPMインターナショナル」とは

今回ご紹介するのは、RPMインターナショナルという米国企業だ。何の会社かというと、塗料メーカーである。

塗装関連の米国企業としてはシャーウィン・ウィリアムが有名で、投資家から高い人気を誇る。同社が時価総額750億ドル超を誇るリーダー企業であるのに対し、RPM社は138億ドル。大きさにはかなりの違いがある。

RPM社が特徴的なのは、50年連続の増配を達成していること。タイム誌によれば、何千といる

もっとみる
米国における信用スコアの代名詞『FICO Score』を提供するFair Isaac社とは

米国における信用スコアの代名詞『FICO Score』を提供するFair Isaac社とは

今回ご紹介するのはフェア・アイザック(Fair Isaac)、通称「FICO」という米国企業。米国を代表する信用スコア「FICO Score」を扱い、それなら聞いたことがあるという方もいるだろう。

「信用」は、古来より商取引に欠かせない。信用があるからお金を貸し借りでき、現金商売だけでは得られない利点を享受できる。しかし、その評価は難しい。そんな信用を客観的にスコア化するのがFICO Score

もっとみる
11月の急騰銘柄!米国最大の美容専門チェーン「アルタビューティ」の現在

11月の急騰銘柄!米国最大の美容専門チェーン「アルタビューティ」の現在

2023年11月の米国株式市場はひときわ盛り上がった。S&P500指数は前月末比で8.9%もの上昇。Bloombergが報じたところによれば、1980年以来の実績で二番目に良い結果だったという。

どんな時もそうだが、追い風は全ての銘柄に等しく訪れるわけではない。12月6日時点のデータにはなるが、S&P500企業のうち特にパフォーマンスが良かったものは以下の20社だ。

このうち個人的に気になった

もっとみる
実は高収益の「ビルケンシュトック」10月に上場、株価も上昇中

実は高収益の「ビルケンシュトック」10月に上場、株価も上昇中

フットウェアブランドの「ビルケンシュトック」が今年10月、ニューヨーク証券取引所への新規上場を果たした。初日こそ公開価格を割り込んだが、その後は上昇。値下がり分を取り戻した。

特徴的なサンダルで知られるビルケンシュトックは、「フットベッド」(中敷き)の生みの親であるという。フットウェアブランドとして世界上位五本の指に入り、ドイツの靴業界では最も多くの雇用を創出している。

想像に違わぬことだが歴

もっとみる
セールスフォース3Q決算:高収益を持続、AI機能による進捗をアピール

セールスフォース3Q決算:高収益を持続、AI機能による進捗をアピール

セールスフォースが11月29日、8〜10月期決算を発表。売上高は前年比11%増の87.2億ドルに拡大した。営業利益は15億ドルを超え、同じく226%増。半年までとは全く違う収益性である。

マーク・ベニオフCEOは「黒字成長」を重視する方針を再度強調。売上規模で三番目に大きなエンタープライズソフトウェア企業であること、「AI CRM」としてはNo.1であることをアピールした。

業績が改善する中で

もっとみる