ウォンテッドリーが仕掛ける3つの新規事業について
2021年4月14日に発表された決算資料を踏まえて今後の展望について考察していきます。
ビジネス全体像
Wantedlyのビジネスについて簡単に見ていきます。はたらくを面白くというコンセプトでWatedlyVisitという会社訪問アプリを運営しており、プラットフォームを通じて採用したい企業と携わりたい個人のマッチングを支援しています。ビジネスモデルは企業ユーザから月額の掲載料とオプションプランがあります。他既存事業もありますが、今回の説明では割愛させていただきます。
業績①(営業収益)
業績②(会員数・企業アカウント数)
業績③(営業利益)
第2四半期累計(20年9月~21年2月)決算は、売上高16億3500万円(前年同期比1.9%増)、営業利益4億1800万円(同2.2倍)、純利益2億5500万円(同2.6倍)だった。
ストック収益が伸びており、ユーザ数や企業数も新型コロナウイルスの中でも積み上がっている。営業利益についても、プラン売上の純増が大きく寄与。
直近上場したビズリーチより強固な顧客基盤
直近上場したビジョナルグループのビズリーチと比較すると料金体系やターゲットとしているユーザが異なることが前提ではあるが、個人ユーザは2倍以上、企業ユーザ数は5倍以上の差がある。
今後の展開
提供価値を採用だけでなく、定着・採用後の領域に拡大。企業の成長を支援することで採用ニーズも換気していく。
3つのツールを展開
1つ目はモチベーション・マネジメントツール。Slackとの連携を前提としたサービス。サービス市場規模はYoY44%と急拡大している市場。
2つ目は社内報。リモートワーク下におけるコミュニケーション手段としてとのこと。
3つ目は福利厚生。サービス市場規模は1000億円と巨大な市場。
今後の展開についての考察
①エンゲージメント事業は順調に立ち上がる
理由は3点
1.強固な顧客基盤
2.リモートワーク化における従業員への還元のシフト
3.成長市場への参入
1点目は既存事業の個人ユーザ数が300万人・企業ユーザ数4万社へのクロスセルが可能なこと。
2点目の市場性として、リモートワーク化における企業が個人に支払われていた交通費や飲み代などに代表されるコミュニケーション費用の削減という要素も代替となるサービス支出の促進に寄与すると思われる。
3点目は従業員エンゲージメントの市場規模は新型コロナウイルス以前でも急拡大が見込まれており、実際は上記のグラフ以上の市場規模が見込まれる。
不安要素はロータッチ対応の組織体制
不安要素があるならば、それは既存の組織体制である。既存事業のサービスにおいては低価格・高品質サービスを提供するロータッチ対応が原則であり、他人材企業と比べて既存企業との関係値が高くない。従業員エンゲージメント市場や福利厚生市場は主事業として経営しているプレイヤーも多く、手厚いサポートを提供する企業がシェアを獲るといった可能性もあり得る。そうなると、思った以上に顧客獲得が進まないといったことも想定される。
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