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人は見た目が100パーセント
人は見た目が100パーセント。タイトルを見て私も随分と言い切ったなと思うがやはり作品を見終え、人は見た目が100パーセントだと思う。それは、美人だからいい、綺麗だからいいということではない。
TVerで配信されている2017年放送(フジ)ドラマ「人は見た目が100パーセント」
大久保ヒロミ作同タイトルが原作である。
出演は以下の通り。
《八王子製紙第3研究室》城之内純: 桐谷美玲 前田満子: 水川あさみ 佐藤聖良:ブルゾンちえみ(藤原史織) 、 丸尾拓馬: 町田啓太 三沢基樹: 堤下敦
《大手化粧品会社・クレエラジャパン》國木田修: 鈴木浩介 松浦栄子: 室井滋
岸根香澄: 足立梨花 森村美優: 岡崎紗絵
《美容室》榊圭一: 成田凌、岡部和人: 中尾暢樹
朝起きて太陽に背を向け、西に向かって出勤する。これが城之内の日常だ。しかしある日、城之内らが属する八王子製紙第3研究室が大手化粧品会社クルエラジャパンに吸収される。吸収されるということは東京・丸の内にあるオフィスに移動しなければならない。ということは城之内は満員電車に乗って太陽に向かって仕事に向かわなければならなくなる。オフィスには自分と同じ研究員でもとても身なりに気を使っていた。
そしてクルエラジャパンのパーティーに参加した三人は丸の内の華やかさに圧倒される。
國木田は彼女たちに「人は見た目が100パーセント。身なりに気を使いなさい」と告げる。そこで美容とは無縁だった三人はビューティー研究を行うことにした。
まずは國木田の助言により理想の人を掲げる。しかし彼女たちには友人が居なかったり、美容に気を使っている女性がいなかった。そこで城之内は同じクルエラジャパンの岸根、森村を目標にすると言い出す。特に佐藤は納得がいかなかったがキラキラしている丸の内女子を目標にすることにする。研究を重ねていくうち、2人のファッションを取り入れたり、アドバイスをしてもらえるように。ヘアアレンジ研究ではすぐに諦めてしまう3人に対し2人はついに怒りをぶつける。キラキラ女子の2人も人知れず努力していたことを女子モドキたちはここで初めて知る。
やはりきれいな女性も努力しているのだ。女子モドキは丸の内キラキラ女子との違いを見た目だけでなく中身も自分たちとは違っていることを学ぶのだ。
ビューティー研究を行うが、3人はまずセレクトセンスが圧倒的に難あり。浴衣ひとつとってもいろんな柄があるのに彼女たちはわざわざ自分に最も似合わないものを自然と選んでしまう。城之内はガリガリ体形を気にしていて自分に自信が無い事から暗く見えてしまうのにわざわざ幽霊が着ているような白い浴衣を選んでしまう。視聴者も思わず突っ込んでしまうが國木田の適確なたとえ突っ込みにはさらに笑わせられる。
ドラマ放送時は私自身もファッションに興味がわき始めた頃で見ていて勉強になることもあった。特に國木田の言葉は覚えているものもあるくらいだ。しかし美容に関し情報がまあまあある今見ると城之内たち3人の行動は想像の斜め上を行くから面白い。
たとえばヘアアレンジ研究の回では「ひとつまみ」という表現に対し、あまりに美容知識が無さすぎて塩ひとつまみはこれくらいです、と、調味料を出してきたり。特に佐藤さんのぶっとんだ究極行動には頭を抱えます笑。香水の研究にて、店頭で香水を國木田と見に行くと相変わらずのセレクトセンスを國木田にツッコまれ彼女が思いついたのはカレールー。佐藤さんはふざけているわけでもないがさすがに佐藤さんの想像もつかない発想には前田さんも驚愕だ。
「そういうことじゃない!!!」とツッコみながら見るのもこのドラマの楽しみ方なのかもしれない。
あと個人的にツボなのは丸尾くんのキャラ。彼はすごくいいキャラをしている。同じ八王子製紙から来たいわゆる地味男子だがゆったりとしていてかつ独特な話し方がツボだ。しかもその丸尾くんを演じているのが町田啓太。最近ではさわやかなデキる男の役が多いイメージだが個人的にはまた丸尾くんのようなキャラを演じてほしい。あの爽やか男子が絶妙にダサ男になるのがまたいい。丸尾くんは寝ぐせが特徴で研究員だからかいつも胸ポケットにそんな使うか?!というほどのペンをさしている。しかもパーティーでスーツを着ている時もペンをしっかり胸ポケットにさしている。そして彼の日課はランニング。彼のランニング姿が出てくるわけだが、その姿が、上下緑の学校ジャージ。しかも首までしっかりファスナーを閉め、シャツイン!!スタイル抜群の町田氏が丸尾くんにしか見えないシーンのひとつだ。
そしてシャンプーの研究で丸尾くんと三沢さんの地味男子よりも美容に疎いことが発覚する。城之内、佐藤、前田の三人は女子にもなれていない「女子モドキ」であった。
女子モドキだけど研究者だから、というわけでもなく一人の女性としてビューティー研究をして努力して丸の内女子になろうとする姿はとても輝かしい。やはり努力する女の子は可愛いということを再認識するドラマだ。
最後の城之内に掛ける前田の言葉もまたほっこりするので注目してほしい。
城之内と榊の恋模様もだが、やはり三人の団結、そして努力する三人の姿が必見だ。ところどころ水川あさみさんと鈴木浩介さんのアドリブかと思われる箇所にも注目してほしい。私には鈴木さんのアドリブに水川さんが笑いを堪えているように見える。きっと撮影現場も楽しいだろうなと思わせられる作品。