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【COMSOLユーザーインタビュー】「たのシミ」シリーズ第1弾!愛媛大学 安原英明先生

こんにちは!計測エンジニアリングシステム株式会社です!

今回は、弊社新企画、「あなたのシミュレーション」略して「たのシミ」シリーズの第1弾です!

たのシミ」シリーズは、COMSOL Multiphysics をお使いのユーザー様にインタビューをさせていただき、ご自身のご研究シミュレーション解析についてのお考えなどをお伺いする企画となっております!

第1弾の今回は、地盤・岩盤研究の権威である愛媛大学 安原英明 先生にお話しを伺いました!

ぜひ最後までお読みください!


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愛媛大学 安原英明 先生                           【ご経歴】                                   1994年4月-1998年3月 京都大学 土木工学科
1998年4月-2000年3月 京都大学 大学院・工学研究科
2000年4月-2003年3月 京都大学 大学院・理工学研究科 土木工学専攻博士後期課程(中途退学)
2001年8月-2005年10月 ペンシルベニア州立大学 Dpt. Energy and Geo-Environmental Engineering
2005年11月-2007年9月 愛媛大学大学院・理工学研究科助教
2007年10月-2016年3月 愛媛大学大学院・理工学研究科准教授
2016年4月-現在 愛媛大学大学院・理工学研究科教授

Interview


弊社セールスマーケティング部池田(以下:池田)

安原先生、本日はよろしくお願いいたします!

安原先生

よろしくお願いします。


池田

安原先生は、岩盤研究を主軸に置かれていますが、どのような経緯やお考え、思いからこの進路を選択されたのでしょうか?

安原先生

父親が測量会社を経営していたことから,元々土木に興味がありました。京都大学の土木工学科に入学し,大学4年生の時に,研究室配属がありました。その際,トンネルに関する研究がしたいと思い,土木施工を専門とする研究室に配属させていただきました。

そこでは,私の人生の師となる先生方にお会いでき,また,私の長年の研究テーマになる岩盤に関する研究に出会うことができました。岩盤の研究は,トンネル施工ダム基礎など,地下深部の地盤の挙動を把握する研究で,私が学生時代の1990年代の終わりから2000年代初めごろは,まだまだ分かっていないことがたくさんありました。

2001年から2005年の4年間はアメリカのペンシルベニア州立大学に留学して博士の学位を取得しましたが,その時も放射性廃棄物の地層処分や,地熱発電を想定した岩盤の透水挙動に関する研究を行いました。

大学4年生の時に岩盤の研究を始めて20年以上が経ちましたが,まだまだ分かっていないことだらけです。研究者人生を終えるまでに少しでも岩盤を理解して社会に貢献できる成果をあげられたらと思っています。


池田

ご研究室を拝見しますと放射性廃棄物の地層処分、二酸化炭素貯留、廃棄物の建材開発、地盤改良、資源採掘、防災などのご研究がございますが、ご研究の中でのご苦労話や創意工夫などお聞かせください。

安原先生

岩盤工学,地盤工学,防災工学に関する様々な研究を行ってきましたが,研究を実施するうえで,最も時間を割くというか苦労するのは,やはり学生の指導です。

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研究室の学生が実験数値解析を行ってくれるので,研究を進めることができるのですが,学生にとっては,学部3年生までの教育内容から全く異なる研究なるものをやらされるので,モチベーションを上げたり,また,そのモチベーションを維持してもらうのがとても難しいです。

我々研究者にとっては,とても面白いと思って研究をしているのですが,学生にとっては必ずしもそうではないです。今行っている研究が如何に世界最先端で,如何に社会に役立つ可能性があると説明しても,最初からすぐにピンとくる学生はあまりいないです。

少しずつ,研究なるものに慣れてもらって,自分が社会の発展や安心安全に貢献できる研究を実施しているということを理解してもらえるように日々努力しています。学生指導に関しては,毎日辛抱です.学生もたぶん辛抱しているのでしょうが..。


池田

現在のご研究の将来展開やご研究の先に思い描く未来像についてお聞かせください。

安原先生

私は工学部の人間なので,今行っている研究は,すべて社会実装したいと思っています。岩盤の連成シミュレーションツールの開発地盤改良材の開発地盤防災センサシステムの開発を現在の主な研究テーマとしていますが,繰り返しになりますが,これらすべてを社会実装したいと思っています。

私の研究者人生はあと20年くらいだと思いますが,如何に社会貢献できるかが私の至上命令です。今後,新たな研究テーマに出会うと思いますが,社会貢献できるかということを絶えず問いながらの研究になると思います。将来,研究者としてリタイヤして,研究者人生を振り返ったときに,少しでも社会発展社会の安心安全に貢献できていることを願っています。


池田

安原先生のご研究は、現地計測や、研究室でのでの実験、また、数値シミュレーションと多岐に渡りますが、多くの制約下で、より早く、より良い結果を出すために工夫されている点などをお教えください。また、その中でCOMSOLの活用意義などありましたらお聞かせください。

安原先生

私が元々非常にせっかちな性格だからかもしれないですが,私は研究に関わらず,すべての業務はスピードが命だと思っています。そのため,あらゆる作業について100点満点は求めません。おおよそ60点~70点くらいのできでよいと思っています。

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どんな仕事でも60,70点の出来栄えのものができたらそれを提出します。ゼロから60,70点くらいのものを作る時間と,60,70点の状態から80点,90点,100点のものにブラッシュアップする時間を比較すると,だいたいブラッシュアップに必要な時間の方が長くなると思っています。なので,限られた時間の中で,できるだけ割り切って,先入観をできるだけ排除して仕事をするようにしています。

研究も同じです。そんな中,研究で例えばある問題や現象についての数値計算をやってみたいとなると,私の研究室ではCOMSOLの出番です。ユーザーフレンドリーなので手っ取り早くモデルを構築して解析結果を確認できるという利点があります。私のせっかちな性格に合った解析ツールだと思います。


池田

安原先生のご研究室からは、毎年、多くの優秀な学生が輩出されていますが、ご研究室の学生へのご指導の中で、どのようなことを心がけておりますでしょうか?

安原先生

先の質問の回答でも触れましたが,学生の指導が最も難しいです。学生指導でいつも心掛けているのは,「学生自身で考えさせる」ということです。

学生との研究打合せは毎週1回行うのですが,その際,学生は実験結果や解析結果をもってきて私に説明します。私はその結果に対してなぜそうなったのか自分で考えなさいといつも指導しています。また,次に何をするのかについても自分で考えて提案しなさいと言っています。

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彼ら・彼女らは社会人の一歩手前の大人なので,学生にはいつも大人とみなして接しています。社会人になって,上司や同僚に説明するのと同じように説明しなさいと指導しています。


池田

企業や公的機関との共同研究や他大学との共同研究などについて、差支えない範囲で内容と成果などをお教えください。

安原先生

具体的な個々の案件についての詳細には触れませんが,共同研究については,多数の企業,公的機関,大学と一緒に研究を行ってきました。

また,日本国内だけでなく,海外の機関や大学とも現在進行形で共同研究を行っています。我々工学系の教員としては,成果が社会実装されて初めて共同研究が成功といえると思いますが,社会実装するだけでなく,世界が抱えている共通課題に対して如何に解決のアプローチ方法を提示できるかということも意義ある成果だと思っています。

私は,岩盤工学地盤工学防災工学などに関する様々な課題に対して,日々研究を行っていますが,一人でできることは本当に限られています。人的ネットワークを最大限活用して,共同研究することで社会が求めている解にできるだけ早く近づけられるよう日々努力しています。


池田

最後になりますが、これからこの領域の中にCOMSOLなどのシミュレーションツールを加えて、研究をされたい方に向けて、メッセージやエールなどがございましたら、何なりとお聞かせください。

安原先生

私は研究で長年にわたりCOMSOLを使用してきました。2001年~2005年のアメリカ留学時代には,COMSOLの前身であるFEMLABを研究で利用していました。そのため,COMSOLに関わってかれこれ20年近くなります。

COMSOLは,強力なプリプロセッサポストプロセッサが登載されており,とてもユーザーフレンドリーだと思います。

有限要素法の詳細を知らなくても,方程式弱形式化しなくても,フォートランやCやパイソンなどのコンピュータ言語が理解できなくても,自分が解きたい現象に対して自分でモデルを作ることができます。

自由度が高く連成問題を解く場合にも優れた能力を発揮します。そのため,数値解析にそれほど詳しくない方でも手っ取り早く扱うことのできるシミュレーションツールだと思います。


池田

安原先生、本日はありがとうございました!

安原先生

ありがとうございました。


今回は、「たのシミ」シリーズ第1弾、愛媛大学 安原英明 先生のインタビューをお送りしました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回、第二弾もお楽しみに!!


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