記事一覧
11.まやかしの中にある日常
夏の初めの昼下がりの休日。
わたしは夫と中学生の息子のために、遅めの昼食を作っている。
何気ない家族の日常。
その「何気なさ」を守るために
わたしは随分普通?の人間らしくなってきたなと、少し自分を笑った。
何気なく出会ったオトコ。
子犬のように震えていた夫は、
世界を諦めの眼差しで見つめていたわたしに、
「結婚して欲しい」
と言った。
夫は、親とも疎遠で、友人も少なかった。
今まで恋人がいた
9. Screw Driverの夜(回想)
大学1年生。
地方の大学だったため、ほとんどの生徒が一人暮らしを始めた春。
初々しいわたしたちは、名簿の名前が近いもの同士で仲良くなり、連むようになった。
サークルはそれぞれ違っていたが、時々各々の家に集まった。
わたしは、タケ、シン、ヤスの男性3人。マオ、ミウ、わたしの6人で仲良くなり、よく遊んでいた。
タケとマオは付き合っていた。
ミウはシンを好きだった。シンもその気持ちを知っていて、よ
4.パラレルワールド
田舎へ戻った26歳のわたしには、
「感謝」
を知る術を学ぶために、
数々の矢が突き刺さってきた。
何かに縋るように、ある人を好きになった。
その人はわたしの親友のことを好きだった。
少し、心を病んだ人だった。
心を病んだ故の、そのオトコの振る舞いに、
どん底に突き落とされた。
心はいつもふわふわ片想い。
地に足がつかない日々が続いた。
聖書を読み、自分の小ささに泣いた。
でも、信仰を持つほど自