『決戦は日曜日』感想 ~ 坂下雄一郎監督のためならイ○ンモールの前で呼び込みをしてもいいと思った

面白かった。

公開初日のレイトショーで観て以来、この面白さを広く世間に伝えるにはどうしたらいいのか考えていた。そして焦った。早く広めないと公開が終わってしまう(謎の使命感)

ベテラン議員が病で倒れ無知な娘が担ぎ出される、何となく物語の察しは付きそうだ。公開前のインタビューで宮沢りえの思い切った演技を共演者が絶賛していたのである程度予想はしていたが、登場から凄い。何が凄いって、超ウザイ(褒めてますw)彼女の言動のハチャメチャ振りに窪田正孝始め秘書チームが振り回されるのだが、見てるこっちも胃が痛くなる。なんじゃこれ?と思いながらも不快感ゼロで物語に引き込まれるのは、演者の力もあるだろうけど演出の引き算が効いていると思われる。必要以上に説明しない。観る者の興味を終盤まで引き付け続けるの、上手い。

引き算と言えば、音楽も素晴らしい。こちらも最小限に抑えて画面の空気感を大切にしているのが分かる。必要な場面に最適な音楽を添える感じにセンスが光っている。

敢えてネタバレは避けるけど、宮沢りえの服装の変化にも注目して観ると面白いと思う。

冒頭に書いた通り予想できそうな物語の導入から、徐々に騒動に巻き込まれていく感じに目が離せない。台詞の端々に何処かで聞いたことがあるような言葉を重ねて皮肉を効かせ、笑ってばかりいられない展開に固まり、最後は少しのモヤモヤと一欠けらの爽快感で幕を閉じる。

この映画から何を感じるかは人それぞれだが、こんな作品が今、日本で上映しているってことを知ってほしくて急いで書いた。そして私は、また観に行く予定(笑)。

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