Microsoft Entra参加とユーザー名
みなさんこんにちは。
今回はWindowsをEntra参加(AzureAD参加)させる際に意外と重要なポイントとなる、表示名の話をしたいと思います。
Windows PCとEntra IDの意外な関係
まず結論を言うと、Entra参加させるとユーザープロファイルがログインするユーザーの表示名になるから気をつけましょう、ということです。
順を追って話します。
Entra参加したPCでは、Entra IDのユーザーでPCにログインすることが出来るようになります。
これについては前回の記事で解説したとおりです。
PCにログインするということは、ログイン先のユーザープロファイルが作成されるということです。
WindowsではPC全体に影響する設定を保存する領域と、ユーザー単位の設定を保存する領域に分かれています。
後者がユーザープロファイルだと思っていただければいいと思います。
保存されているユーザープロファイルはシステムの詳細から確認することができます。
ユーザープロファイルが作られると、C:\Users の中にユーザー毎のフォルダが作成されます。
このフォルダ名にEntra IDの表示名が利用される、というのが今回の話のキモです。
例えば表示名がuser 01だとすると、
user01がフォルダ名に設定されることになります。
Entra参加を行う場合は、この仕様を把握しておくことが重要です。
何が問題になるのか
日本語圏では、2バイト文字(全角文字)が存在します。
2バイト文字は英語圏やEURO圏にはない概念のため、海外で作られたソフトウェアやサービスでは2バイト文字への考慮が不十分な場合がよくあります。
そのためC:\Users配下のユーザーフォルダが2バイト文字で設定されていると、特定のソフトで不具合が生じることがあるのです。
Windowsのセットアップにおいてユーザー名を日本語にしてはいけない、というのはTipsとしてよく言われますが、それが理由です。
表示名の話に戻りますが、日本企業がMicrosoft365を使うとき、多くの企業がユーザーの表示名を日本語で設定してしまうことでしょう。
Entra IDはMicrosoft365のユーザー基盤であるため、M365の表示名=Entra IDの表示名という関係性になります。
その結果、Entra参加した際にユーザーフォルダが2バイト文字で作成されてしまい、不具合を引き起こしてしまう、ということなのです。
Entra参加を考えるなら、Entra IDの表示名はローマ字にしよう
表示名が見た目以外の部分に影響するとは中々思い至らないかと思いますが、それゆえ今回ご紹介した話は盲点になりがちです。
Entra参加を検討される際は、ユーザープロファイルへの影響について忘れずに考慮しましょう。
余談ですが、一度端末でユーザープロファイルが作成された後にEntra IDの表示名を変更しても、ユーザープロファイルは上書きされません。
そのため、最初だけ表示名をローマ字にして、各端末のユーザープロファイルが出来上がった後に表示名を日本語に戻すという裏技もあります。
ただし、一時的に誰かの端末を借りたりする(チョイ借り)と2バイト文字プロファイルが作られてしまうため、あまりおすすめできるものではありません。
個人的には社内公用語ほど大きな話ではないので、表示名くらいはローマ字表記でもいいのではないか、と思ったりもします。
以上お読みくださりありがとうございました。