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【ネタバレ有】安⻫かれん First Online Live『ちゃんと世界線』レポと謎についての妄想

 

僕ら重ねた並行世界の中 旅した全てが「現在」になる

安斉かれん「ちゃんと世界線」

 はじめに

 今回はライブレポということで、批評的精神は抑えファンとしての現場の盛り上がりと妄想を伝えながらの記事としていく。

 まずは安斉かれんの簡単なプロフィールを。2019年5月1日デビュー、avex所属の女性シンガーである。ドラマ『M 愛すべき人がいて』で浜崎あゆみ役を演じ、「ポストミレニアルギャル」と称されたことなどからあゆとの比較も多かった。また楽曲はサブスクリプション限定配信でダウンロード販売もないスタイルとなっている。

 a-nationなどライブでの出演はあったが今回は本格的な初の単独ライブ。現在新曲となっていた「ちゃんと世界線」を冠し、オリジナル楽曲を全て歌唱(初解禁の新曲含む)。またオンラインライブだがファンクラブ入会特典で会場での観覧もあり、そちらでも特別なイベントがあった。

オンラインを意識した企画のこだわり

 冒頭に引用した最新曲の歌詞になぞらえ、「並行世界」を意識した企画となり、会場も事前には「渋谷から1時間ほど」の場所とだけ言われ(前日くらいには横浜とチラッと言ってた)、会場に入ってからもホール内は「パラレルワールド」とされ、案内人までいるこだわり。リアル会場が「パラレル」でオンライン組が正規世界という不思議なつくり。そのため会場内のツアー名のロゴをはじめ文字は全て鏡文字!

会場にて。「ちゃんと世界線」の文字が鏡になっていた。ライブ開始前まで写真撮影はOKで、寧ろスタッフさんが「撮ってください」と。その理由は撮ってみて、配信を観てわかる

 また、並行世界には3人のかれんが。Teaserでそれぞれ「3人」が登場。この記事を参考に考察していく。
 まずは " "こちら"の安斉かれん" 。基本的にライブ当日の5/1に何があるのかはよく分からない。ファンと同じく現実世界にいるよう。歌手にならなかった世界線のかれん?

 また当日、ライブで呟いていたのもこちらのかれん。

 パラレルワールド(会場班)はこの仕掛けに気づけない(スマホ開けない)ので配信で楽しむのがメイン。配信組はこのツイートを見れば終盤の怒涛の展開の興奮度が増す。

 次は " "あちら"の安斉かれん"。これはパラレルワールドにいる現場組と歌手・安斉かれん。一般的なライブに向けての告知という感じ。あと全部鏡文字。一番のリアルなのに "あちら" というのが凝っている。

 最後が " "そちら" の安斉かれん"。"ずっとチャットしているライバー" という触れ込みで、告知では自身の曲名を絡めてのトークをしていた。


ライブ本編

  こんな仕掛けを楽しめるのは配信を観てからなので、リアルで観に行った後、配信を観ての感想をここからやっと書く。

 まずは冒頭、畳みかけるように4曲を歌う。デビュー曲「世界の全て敵に感じて孤独さえ愛していた」、3部作を終えての4作目「FAKE NEWS REVOLUTION」、7作連続第1弾「18の東京」とメモリアルな曲をまず披露。最初の方は硬さもあったけど徐々に声も出てきて熱唱してくれた。会場だと楽器の音がかなり大きかったが配信では割とちょうどよく。デジタルポップなデビュー曲のバンドアレンジは特に気に入った。そして2作目「誰かの来世の夢でもいい」を披露。"毎晩" の感情の込め方がかなりあった。真に迫る歌声で泣いてる? と感じるほど。がしかし歌い終わると笑顔でMC、挨拶に入る。配信ではこの辺りで字が反転(つまり読めるように)していることに気づき、仕掛けが分かり一つ驚き。目の前にいた女性のバンドメンバーが左にいたので左右逆に撮って配信していることが分かるのであった。

 MCでは吹奏楽部時代の青春を紹介し、その流れで吹奏楽アレンジが特徴の「僕らは強くなれる。」を歌う。"みんなのその声を武器に何度でも立ち上がろう" のときにかれんちゃんが手を我々ファンの方に向け "みんな" と歌詞に重ねた演出をしたのには泣いてしまった。そしてリバイバル企画にてカバーしたm-flo「come again」を披露するMステ布陣。そしてここで "そちら" のかれんが画面に乱入し口ずさむ。この後こういう演出が続くがもちろん配信のみで分かることである。
 
そして推し曲2連続。「GAL-TRAP」では笑い声までちゃんとやってくれて嬉しかった。椅子の配置などで明確に左右逆の演出を感じられた。また「現実カメラ」では会場に向かい中の "こちら" のかれんが画面に乱入。"あちら" のかれんのコーラスみたくパートを歌うところもありその存在の推測が。「夜は未完成」での "Good Bye"の歌い方が好き。よく登場する歌詞だし格別の想いがあるのかな。ここでMCが入り、バラードパートに入る旨を告げて次のパートへ。

 2番のサビ前の揺れる歌声が素敵な「キミとボクの歌」、そこからほぼ1年ぶりのリリース「一周目の冬」と繋がりを持たせた恋愛系バラードを続け、アニメタイアップにもなった「人生は戦場だ」を披露。ここで "こちら" のかれんがバスでこちらに移動している映像が流れる。雨が降っている映像で、事前に撮っているものを使っていると思うが当日は本当に雨。恵まれてるわ笑。"強くないよ" と歌う姿は "私はとても強いから" と強がったあゆも思い起こされてこれまた良い。そしてここでアウトロ部分でかれんちゃんは退場。演奏後もバンドメンバーは次の曲を弾き始めるがなかなか現れずモヤモヤする中、衣装チェンジして現れて新曲を2曲披露。配信ではてっきりかれん側のストーリーが進むかと思いきやじっくりバンドメンを寄りで撮ってて面白かった。

 新曲は「不眠症☆廃天国」「未来の音」の2曲。5作まできている7作連続リリースのシリーズの残りかな? と妄想。前曲は手を大きく左右に振る(大黒摩季「ら・ら・ら」など)、後曲は腕を折って挙げ、前後に振るなどライブを意識した振りつけを入れてきて今後のライブ活動に期待が持てた。また2人のかれんにも動きがあり、前曲ではコーラスを "そちら" のかれんが担当。そして "こちら" のかれんはツイートの流れのあと本当の会場に着くも並行世界へ辿り着けず、会場前でさまよう。その中での歌詞 "ここにないものをずっと待ってる" はしびれた。 その後「Secret Love」を披露したが、「ちゃんと世界線」のピンクの衣装だったのでピッタリ。曲が終わった後、MCトークののち「ちゃんと世界線」へと入る。ここでは曲作りの話をちらっとしていたのに配信版では聞けず残念。会場前でさまよっていた "こちら" のかれんがglobe「Many Classic Moments」でも使ってたあの通路を通りなんと会場へ到着! "あちら" のかれんと2人で「ちゃんと世界線」を歌っての圧巻演出だった。会場ではそんなことは露知らず中央に立たずに歌うかれんちゃんを変だなぁとみていたがそういうことだったのか。しかも "こちら"  のかれんを見て"あちら"のかれんが「来た!」と言っていた(※耳コピ)が会場では全くそういうことだと気付かなかった。 

 歌い終わると "こちら" のかれんは消え、 "そちら" のかれんが配信を終わる旨を告げ配信は終了。……が会場ではそんなことは全く知らないまま、アンコールでもう1曲別の曲をやってフィニッシュ。ミーグリへと続くことになり、ド緊張の中初現場を終えて想い出をもらった……。


 配信も終え、パラレルワールドも遠く離れゆく今日この頃、改めてこのライブが何だったのか、妄想の限りを尽くしてこのレポを終了したい。

3人のかれんとは何だったのか

 それぞれの「世界線」で生きていたかれん。現実世界にいて最後に1曲歌った "こちら" のかれん、ずっと歌っていた "あちら" のかれん、ライバーの "そちら" のかれん。彼女達は何だったのか。
 安易ではあるが、こそあど言葉で考えれば、"こちら" はファンである我々といえよう。ずっとDMで誘われているのも、会場に来てくれと言われるのはファン側とすると納得はいく。
 "あちら" は歌手・安斉かれん。これはそのまま。"そちら" は相手側の意味なのでかれんちゃん側。だとするとかれんちゃんの心の中というのは考えられないだろうか。それより歌手・安斉かれんの方が遠いというのは無理もあるけど、自分で書いている詞を呟いているのならよりパーソナルなかれんちゃんということでこんな解釈も成り立つ。

DMを送ったのは誰? そして……

 とするとこの動画でDMを送ったのはどのかれんちゃんなのか。

 個人的には前の話を踏まえると "あちら" のかれんだと思う。ファンに会場に来てねというのは歌手がやることだし。また最後会場に現れた "こちら" のかれんちゃんを見て予測していたような「来た!」という台詞も自分から誘ったからだよなぁ。しかしそうすると "そちら" のかれんちゃんの "ずっとチャットしているライバー" という設定無視だし "そちら" だけ浮いちゃうからなぁ……。
 またそれに付け加えられた "Side〇" についてはさっぱり分からなかった……。

おわりに

 とはいえ、ここまでの全曲を披露し、ミーグリまでやってくれて大満足のライブだった。配信で観ても新たな発見があるし工夫もたっぷりだった。ここからファンクラブが本格始動することを考えてもワクワクしっ放し。今後の活動からも目が離せない。
 また曲のレビューについても本人に伝えられてよかった。皆様もぜひ。


引用・参考文献など

全て2022年5月10日最終閲覧

・avex portal『【安斉かれん】自身初となるオンライン・ライブ「ちゃんと世界線」の開催が決定。パラレルワールドに生きる2人のカレンも登場し、3人の自分が交錯する新感覚体験に!!』 ヘッダー画像もこちらから
・MusicVoice『安斉かれん「本当に幸せでした」自身初となるワンマンライブ開催
安斉かれん 公式YouTubeチャンネル
安斉かれん 公式Twitter
・歌ネット『安斉かれんの歌詞一覧リスト


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