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海外駐在・留学帯同を楽しむ人が持つマインドセット

海外MBAの帯同でパリに来て、はや一年。生活セットアップ中心の一年目が終わり、二年目はだいぶ余裕が出てきました。
初めての海外生活は思っていたよりもずっと楽しく、日々が刺激や学びであふれています。幸運なことにパリは100年ぶりのオリンピックで盛り上がっており、人生で初めて聖火リレーやオリンピック競技を観ました。

日本の友人や家族は、私たちが生活をエンジョイしているのを安心してくれていると思います。(遊びすぎで心配されているかもしれない。笑)

先日、同じように帯同パリ生活を楽しんでいる友人と話していて、ふと「帯同を楽しめる人とそうでない人はどう違うんだろう」と疑問を持ちました。

事情やあり方はさまざまなので、ここでは私の経験や、周りの人を見て気づいた「楽しめてる人に共通するマインドセット」を挙げてみます。

変化との付き合い方が上手

人間には体温を一定に保ったり、免疫を維持したりする恒常性という機能が備わっています。心理的な恒常性もあるそうで、人が「今と同じ生活をずっと続けたい」と考えるのは当然のことらしいです。誰でも新しい環境は緊張しますよね…。

急激な変化は人間にとってストレスになる。でも、小さな変化ならどうでしょうか。

いつもと違う道を通ったら素敵な店を見つけた。
スマホではなくカメラを使って写真を撮ってみた。
作ったことない料理に挑戦したら好きな味だった。
これくらいの変化なら、むしろ嬉しいサプライズ。日常に刺激やワクワクをもたらしてくれると、前向きに思えませんか?

📍Coffee flower shop, 14 Rue du Bac 7eme

言語も違う異国での生活はそれだけで大変。でも日常に小さなサプライズを取り入れて、変化との付き合い方が上手になると、不都合だらけの海外生活をどんどん楽しめるようになっていくように思います。

私は自分のことを元来インドア派だと思っていましたが、パリに来て「行ったことがないところに行く楽しさ」を覚えてからは、旅行したい都市が世界中に増えて困ってます。人って何歳からでも変わるものですね…。でも、変化を味方につけてからは、帯同生活が一気に楽しくなった実感があります!

人付き合いでがんばりすぎない

海外ではパートナー同伴行事がとても多いです。会社・学校行事や交流会、個人の食事会などなど。とくに駐在、留学においては「帯同」という立場で繋がりを持てるようにと、パートナーのためのコミュニティもあったりします。

あいにく私は、初対面の人がたくさんいる場が苦手です(悲報)。
かわるがわる色んな人と軽く雑談するのも疲れてしまう、パーティー慣れしていない典型のような気質。それでも最初は「友だち作らなきゃ!」と気合いを入れて、帯同パートナー向けのイベントに参加していました。しかし「友だちができた」となかなか感じられなかったのです。

よくよく考えると、私が好む交流スタイルは1対1でゆっくり話すことでした。おいしいお茶を飲みながら、その人の好きなことや価値観を聞き、自分についても知ってもらう過程に幸せを感じ、仲良くなれた!と感じるタイプなんです。

自分のスタイルに気づいてからはパーティーやイベントにはスパッと行かなくなり、行かないと決めると正直心が軽くなりました。笑
今はパートナーから誰かを紹介したい!と言ってもらったら、少人数で設定したり、お気に入りの場所で会ってみたり、工夫しながら交友関係をちょっとずつ広げています。仲良くしてくれている人には本当に感謝しています✨

がんばりすぎない自分でいられる条件や環境を見つけることが、帯同生活で素敵な関係性を作る第一歩なのかもしれません。

お友達のアパルトマンでお茶🍰

パートナーに察してもらうことを求めない

海外で生活する中で、パートナーはもっとも身近な存在。日本にいた頃より一緒に過ごせる時間が増えたり、海外生活のトラブルを共に乗り越える中で、絆が深まったという話もよく聞きます。

飼い猫との絆も深まりました!

けれど忘れてはいけないのが、彼らも駐在や留学という変化と毎日向き合っていて、今までより負荷が高い状況にあるということ。だからこそ、自分の思いやリクエストは察してもらうのではなく、伝えて話し合うことが大切だと思います。

数ある言語のうち、日本語はハイコンテクストなことで有名ですよね。阿吽の呼吸、空気を読む、言わぬが花… 私たちは言葉から、それ以上の情報を受け取るのに長けているようです。美しい文化。

しかしなにかとトラブルが起こりやすい海外生活においては、論点を明らかにして解決策を話し合うとか、自分の気持ちを表現するとか、必要に応じてパートナーとの対話をローコンテクストに切り替えることが大切なのだと思います。

私は上述のとおり交友スタイルが狭×深なので、パートナーには大勢の集まりは苦手と伝えています。彼の学校行事にもあまり行っていないのですが笑、彼の友人とはSNSで交流していて、それが今の私には合っています。もし察してもらい待ちをしていたら、今も自分だけ気疲れして、一人でストレスを抱えていたかもしれません。

自己肯定感を保つのがうまい

海外帯同にあたって、仕事をするのかしないのか問題があります。駐在帯同なら会社の規定や、渡航先でのビザの規定で、働くことができない人は多いと思います。私自身も、帯同のため6年働いた会社を休職してフランスに来ました。

何によって達成感や満足感を覚えるかは人それぞれですが、私の場合は多くが仕事でした。自分のアクションが誰かの助けになったと実感できると、頑張ってよかった〜と思える。自己肯定感も、働くことで高い状態をキープしていました。

それがフランスにやってきて、いきなり無職の(実際には休職中であっても)何者でもないストレンジャーの立場に。圧倒的な解放感はありつつも、どのように自己肯定感を保つのかは大事なテーマになりました。

諸条件をクリアした上で働くことができれば、最高なのかもしれないけれど、すぐには難しい。それで私が見つけた手段は2つです。

1.好きなテーマを勉強する。語学でもいいし、気になる絵の時代背景を調べて、本物を美術館に見に行ったり、アーティストについて本を読んでみるなど、興味赴くままに教養を深める。

オルセーとルーブルの年間パス

2.定期的に自分の振り返りをする。どんなに小さなことでも、自分的にはチャレンジだったことを「よい&えらい」リストに書き出して、自分で自分を褒める。1人で⚫︎⚫︎まで行ってみる、とかのレベルでも、自分が挑戦だと思っていれば達成したのはすごいこと。意外とたくさんあるはず!

でも、フランスで暮らす人々を見ていると、仕事だけで自分の価値は決まらないし、自己肯定感をそこに委ねすぎるのも何か違うのかも、と考えが根本から変わりつつあります。(単純…?)

これはまだ自分の正解が見つけられていないので、もう少し時間をかけて探っていきたいです!同じように帯同の人が、仕事以外からどうやって自己肯定感や達成感を得ているか、いろんなケースが知りたいなーと思っています。

以上が帯同生活を一年してみた時点での学びでした。今後は海外帯同に関連したnoteも書いていこうと思います!

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