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「才能やセンスが無いから」を言い訳にしない方法を考える
前回の記事で
「音楽的センスは生まれつきの才能やセンスで決まるのか?」
という問いに対して
「『生まれつきで全てが決まるから努力なんて無駄』なんて寝言抜かしてないでとにかく行動しろ!試行回数を重ねろ!」
という(乱暴な)結論を出しました。
しかし改めて考えると、「行動すればするほど成果が出る」というのはそもそも才能やセンスを持っているからこそでは?と思いました。
音楽に限らず勉強やスポーツ等にも言えますが、上達が速い人というのは総じて「やればやるほど出来るようになっていくのが楽しい」という感覚が長く続いているように見受けられます。
逆に「いくら自分なりに必死に努力しているつもりなのにやってもやっても全然出来るようにならない・成果が出ない」というのは、「だから自分には才能やセンスが無いんだ(才能以外の要素は試したつもりだから)」という思考に繋がって全然楽しく思えなくなっていきます。
これらの人の何が違うのか?について、個人的には「自己フィードバックの上手さ」の違いだと思います。
つまり、自分のした行動や結果に対して自己評価や分析を行い、そこから得た情報をもとに次はこうしよう、と反映させることです。
(こうしたら上手く行った/行かなかったので、次はこうする/こうしないようにする、という判断)
センスのある人は少ない試行回数で上達していきますが(あるいはそういう性質をセンスと呼んでいるだけ)、
これは1回の行動あたりの自己フィードバックの質と量が優れているからだと考えられます。
逆にいくら努力しても上達しない人(ここでは一旦そういう人を「センスのない人」とする)は、
何も考えず漫然と回数を重ねているだけ
「努力することそのもの」が目的と化していて上達に繋がる思考や行動が出来ていない
などの、自己フィードバックが上手く出来ていなくて非効率的な努力をしていることが多いです。
(そもそも努力はフィードバックしながらやるものだ、という概念が出来ていない場合もある)
最近以下の動画を観たのですが、質問者はまさにこの状態に陥っていて、それを才能のせいにしているなぁと個人的には感じました。
これに対して動画では、小さな目標達成を重ねたり練習成果の記録をつけたりといった効率的な自己フィードバックの方法を提示しています。
余談ですが、さいとうなおき先生はイラストレーターに限らずクリエイター全般に言えるような方法論や考え方を言語化するのが凄く上手いので、音楽活動にも適用出来る内容の動画が多くてオススメです。
前回の記事でも書きましたが、センスは生まれつき持っている人はいるものの後天的に磨くことも出来ます。
つまり、先天的なセンスを持つ人は、その分野に対しての思考パターンが生まれつき最適化されているから無意識に効率的な自己フィードバックが出来ているというだけのことであって、凡人であっても自己フィードバックの方法論を習得さえすれば後天的にもセンスを磨くことが出来る、ということになります。
そうすれば行動した分に対して成果が実感出来るようになる(=活動が楽しくなる)ので、試行回数を重ねるのが苦でなくなります。
なので
「生まれつきの才能やセンスが無いので出来ない・やりたくない」というのはただの言い訳でしかない
ということになります。
また余談ですが、便利な言い訳トップ3は
「才能やセンスが無い」
「歳だから」
「時間が無い」
だと思っていて、これらを言い訳に使うのが自分は大嫌いです。
特に「もう歳だから出来ない・上手く行かない」と決めつけて行動も努力もしようとすらしない人は、おそらく若い頃も何かと理由をつけてやらない人だったんだろうなぁと思います。
「やる時間が無い」というのも、だらだらSNSや動画サイトを観る時間(あるいはこんな場末のnote記事なんかを読む時間)を削れば1時間は余裕で確保出来るでしょうし、1時間早起きしてやるというのも定番の方法です。
音楽活動に反映させるには、曲を作ったり演奏をしたりする回数をただ重ねるだけでなく、
今回の曲ではここはこうしたら上手く出来たけどここがイマイチだった、だから次は上手く行ったことは継続しつつイマイチなところは別の方法を試してみよう
自分の曲ではこの部分やこの要素が微妙だけど、プロの曲はそれが上手いけど何故だろう、真似してみよう→真似したら上手く行った・真似したけどやっぱり何か違ったので次は別のを真似してみたりもっと調べたりしてみよう
今回はこの要素だけは上手く出来るようにすることを考えよう、出来なかったらもっとハードルを下げて達成出来てからにしよう
というのを意識して、出来ればそれを記録(それこそnoteはうってつけですね)していくと、だんだんと「出来なかったことが出来るようになってきている」ことを実感して楽しくなってきます。
(というか自分がそうです)
とはいえ、本当の本当に初心者の頃は回数を重ねるだけですぐ上達するし、回数を重ねることでしか上達出来ないスキル等もあるので、何だかんだで結局のところ「とにかくやれ」は真理だなぁと思います。