もし今からDTMを始める場合の機材・音源を考えてみる
以前は自分のDTMの現環境を紹介しましたが、じゃあもし今から一から環境を構築するなら自分なら何を・何から買うか?いくらかかるか?について今回は考えてみます。
なお、価格は基本的に2024年7月13日現在のサウンドハウスのものを参考にしています。
また、DAWを動かすのに十分なスペックのPCが既にあるものとします。
モニターヘッドホン
audio technica ( オーディオテクニカ ) / ATH-M20x モニターヘッドホン 6,500円
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/192280/
スピーカーが無くてもモニターヘッドホン一つあればDTMを始めることが出来ますが、いきなり1万円超えのを買えというのもウッとなるので、エントリーモデルでスペックも十分そうなこれでとりあえず、という感じです。
自分が始めたときはやっぱ初期投資大事だよな!と思っていきなりこれの上位機種のATH-M40xを購入しましたが、正直それならもう6,000円くらい頑張ってATH-M50xを買えよと思います。
でも初心者がヘッドホンでいきなり2万円はやっぱり抵抗があるかもしれません。
オーディオインターフェース(+DAW)
PRESONUS / Studio 24c 19,800円
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/261282/
ヘッドホンで節約した分オーディオインターフェースには金をかける、というのもありますが、これの何よりの魅力はDAWのStudio One Artistが付属していることです。
Studio OneにはProfessional、Artist、Primeの3つのグレードがありますが、初心者ならArtistで十分過ぎる機能が使えます。
以前自分がDTM始めたての頃はStudio One 3だったのですが、4以前はArtistだとサードパーティ製プラグインが使えないという致命的な弱点がありました。
しかし5以降はその制限が無くなったことでだいぶアリな選択肢となりました。
また、Studio One Artistは普通に買っても13,200円とミドルグレードにしては安価で、Cubaseだとこの値段相当でようやくエントリーグレードのElementsということを考えても価格面でお得です。
マルチ音源
AIR Music Technology Xpand!2 約2,000円前後(セール時)
Studio Oneは付属のエフェクトが割と優秀なので、外部プラグインを買う前にまずは純正のもので使い方を覚えるというのもアリです。
一方で音源については他のDAWと比べると正直貧弱と言わざるを得ないのです。
とはいえ一応ドラムキットのImpact XTは割と良い音が入っていて操作も使いやすいので、ドラムは後回しにしてマルチ音源を買っておきたいところです。
Xpand!2は通常価格は2万円弱くらいなのですが、年2回くらいアホみたいなセールをしていて、だいたい2,000円前後(何なら100円の時もあった)で購入することが出来ます。
音質はそこそこですがとにかく種類が豊富で、一通りの楽器・シンセ音・パーカッション等が入っているので、とりあえず仮で編曲する時にこれを使う事が多く、ものによってはそのまま採用することも少なくありません。
以前作った「月に叢雲 花に風」ではこれの和楽器を採用していて、ポップスで使う程度ならパキッと決まる感じの音でした。
歌声合成ソフト
Synthesizer V Studio Pro スターターパック 15,800円
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/279457/
(広義の)ボカロPとなるのであれば歌声合成ソフトをどれにするか悩ましいところですが、これはもう一番好きな声・歌わせたい声を選ぶのがベストです(値段も大きくは変わらないので)。
自分がDTMを始めた当時は選択肢がそんなになかったのと、ボカロといったらやっぱ初音ミクで作りたいよなというのがあったので初音ミクV4X(約17,000円)で始めましたが、今から始めるなら個人的にはSynthesizer Vかなーと思います。
といっても購入したきりまだ使ってはいないのですが、とにかく歌唱力がずば抜けているのと、ベタ打ちでもそれなりになるという手軽さは魅力的だと感じます。
その他
上記以外にも買い足していくなら、ドラムがショボいと曲全体がショボく聴こえるので、まずはドラム音源を買うことをオススメしたいと思います。
ドラム音源は色々ありますが人によってどれがオススメか諸説あるので、デモを聴いて選ぶのが良いと思います。
ちなみに自分はAddictive Drums 2を使っています。セールを結構やっていてコスパが良いのと(特にCustom Collectionはセール時約20,000円で3種類のドラムキットが手に入る)、良くも悪くも定番の音なことから選びました。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/299891/
また、エフェクトプラグインについては、DAW付属のものでは物足りなさを感じたものを順次買い足すか、バンドル品を買うかのどちらかになります。
こればっかりは何をよく使うかが人によるのでどちらが良いとも言えませんが、一昔前ならとりあえずWAVESのPlatinumを買っとけと言われていました。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/298037/
二重価格実質的に常時セール中で16,500円くらいで買えて、ミックスとマスタリングに必要なものが一通り入っています。
今となっては古いと言われるものも多いですが、むしろシンプルな仕様なので使いやすいとも言えます。
予算に余裕があるなら、FabFilter Essentials Bundle(約60,000円)で最先端のEQ、コンプ、リバーブを一気に揃えたり、iZotope Music Production Suite(約60,000~80,000円)でOzone+αを手に入れてミックス・マスタリング最強になるのも良いと思います。
特にiZotopeはブラックフライデーで大幅セールを行うことも少なくないので、気になるなら随時セール情報を確認しましょう。
(2023年は全部入りのEverything Bundleが通常約400,000円のところアプグレ価格で約30,000円だった)
とはいえ元々がショボい音をエフェクトプラグインで良くするのはほぼ不可能なので、原則として購入優先度は 音源>>>>>>エフェクト なことを肝に銘じましょう(n敗)。
おまけ
初めはDAW付属の音源・プラグインで良いとか言うけど実際どれほどのモンが作れるってんだよ!と思ったので、初心に帰ってサクッと作ってみました。
改めてStudio One純正の音源・プラグインに触れましたが、特にPro-EQは簡易版Pro-Q3という感じで使いやすく、Limiter2も十分な音圧が出せるのでなかなか侮れないなと感じました。
最後に
ヘッドホン~歌声合成ソフトまでで合計金額約44,100円と5万円以内に収めることが出来たので、これくらいなら趣味で始める金額としてはまずまずではないでしょうか。
とはいえ継続しているうちにやはりもっと良いものを使いたい!と思うようになるのは避けられません。
音の良さ・悪さはモチベに直結するので、「もっと良い音源・プラグインさえあればより良い曲を作れるのに・・・」という思考に陥りがちです。
ただ個人的にはそれは都合の良い言い訳やルサンチマンでしかないと思っているので、「これさえあれば俺もなぁー本気出せるんだけどなぁー」というものは全てをなげうってでも購入して退路を断って、「たとえ微妙な曲になってもそれは機材じゃなくてお前の実力のせいだぞ」という状態になるようにしています。
まあ今は流石に必要なものは一通り揃っているので、これ以上の大きい買い物は不要です・・・と言いつつOmnisphere 2やAVENGER 2がめっちゃ気になっては金額を見て正気に戻っているので、もしセールが来たらどうなるやら・・・