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道東のベニザケ

9月、まだ少し蒸し暑い中、川へサケの遡上観察に出掛けてきました。

現場に着くと淵には100匹以上のシロザケが溜まっていました。
この淵にここまでの数の魚が溜まっているのを見るのは初めてのことです。

しばらく観察していると、父があることに気付きました。

「ベニザケが1匹混じってるぞ!」

よく見ると、確かに周囲のシロザケとは明らかに異なる紅色をした魚が泳いでいるのが分かります。

なんとか姿を収めたい…と、まずは一眼レフでの撮影を試みましたが、光量が少なく、更に深い淵の底付近にいるためピントが合わず上手く捉えることができません。

そこで、川岸ギリギリに腹這いになり、普段釣りで使っている防水コンデジ(RICOH WG30)を手に持って川に浸けました。

しかし、シロザケは近くで群れてくれるもののベニザケは一向に寄ってきてくれません。

行動を観察していると、シロザケは上層から下層まで様々な層を群れで埋め尽くしているのに対し、ベニザケは中層以下、主に下層を泳いでいます。
そのため、シロザケの群れに紛れて見えなくなってしまうことも多々ありました。


暫くシロザケを撮影していると問題発生。
本来使う予定でなかったため充電をしておらず、コンデジのバッテリー残量がわずかに。
ここぞというときに録画できるよう、すぐに録画を止め電源をオフにして温存します。
2時間以上腹這いになってチャンスが来るまで待っていると、ようやく目の前にベニザケが現れました。
チャンスを逃すまいと録画開始。
前述したように腹這いになっているので、文字通り目と鼻の先で紅い魚影が揺らめいています。

そして録画開始十数秒後…

カメラモニターに『バッテリー残量がなくなりました』と表示され、強制的に録画ストップ!笑

運良くベニザケの姿は十数秒の動画に収まっていましたが、今後は何があってもいいように使わない予定の機材もしっかりと充電しておこうと思いました。
イトウのときも一眼の充電切れて撮影断念したことがあったな笑

一体どこ由来の個体なのか…
実は、この川では8年前にもベニザケを見たことがあります。
8年前も今回も単独個体(8年前の個体は鮮明な写真がなく性別不明、今年の個体はメス)しか確認できていないのですが、この川で繁殖しているのでしょうか。
私たちの目の届かないところでひっそりと生命を繋いでいるのかもしれません。

このような奇跡を体験できる道東は夢溢れる素晴らしいフィールドですね!

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