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働いていると本が買える。そして読めない本の山ができる (今年の夏は石田月美さんのイベントに行ってきた)

彼女は浅草寺の常香炉で「頭が良くなりますように、頭が良くなりますように! 」と煙をかき集めて、何度も自分の体にかけていた。


雑に人生やってるから何でそうなったのか、時間が経つと忘れてしまうけど、もう過ぎ去った今年の夏は、石田月美さんだった。

8月10日土曜日、午前中は池袋東武のデパ地下にある、Tartine さんに並んでストロベリー味の「タルティン」を2つ買い、浅草駅へ。

ツイッター ( 現 X ) で知り合った音楽好きの方がいて、関西在住なのでロッキンジャパンフェスを観るためにこの時期上京するのでと、去年からその日に合わせて☕️を飲んだりしてトークするようになった。

昨年の秋に大森靖子さんと大槻ケンヂさんのツーマンライブで訪れて、今更とても気に入った浅草界隈を歩き、磯丸水産でお昼を食べた ( 浅草なのに )

話を聞けば、家族とは「冷戦状態」で、新幹線は乱れてるしで、来られたのは奇跡的だったそう。仕事も覚えるのが大変で。

人形焼が食べたいというその方を真似て、石田月美さんの手土産にと木村屋本店で買い求め、夜からイベントに行くのでと、急にはなってしまったけどあらかじめ言っておいたので、それでお別れした。自分の都合で短く軽くなってしまった時間と、それと反比例するような頂いたお土産の、重み。


「モテてきたでしょう?」と聞かれたら、「えぇ。幼い頃からモテ散らかしてきました。人の一生分はモテてきたので、あとは余生だと思って過ごしております」と答えている。石田月美『まだ、うまく眠れない』( P8『モテ』より )


前段も、後半も共感した。 福岡の友達、
ちぇさんのポスト ( お借りしました⚡️ )

午後は、石田月美さん『まだ、うまく眠れない』刊行記念トークイベントに向かった。

早めに下北沢に着いたので、現地の公園でハイボールを引っかけながら『まだねむ』( 合ってます ? ) を再度引っぱり出して読んでいた。

でも、社会運動を自分が名をあげるための道具として使い、それっぽいことを言って周りをけむに巻き ( 中略 ) 女性の連絡先を聞いて「相談に乗る」というていでファミレスのドリンクバーを奢っただけでデカいツラをし…( P99『社会運動』より)

なんか酔っ払ってるのに緊張してきた ( 出しやすいようにしてたお土産リュックの奥に押し込んだ )

こういったトークイベントでは開場時間に来る人は少ないので、偶然を装っていの一番に入場すると、会場入りした本日の主役・石田月美さんにお会いすることができた。ドンピシャ。( そして感激してしまうことがあった )

準備された椅子の上に、参加した人限定配布の特別エッセイが置かれていて、これがまた格別に良い作品だった ( 引用できないのが残念…そのうち読めますよね ? )

直接は関係ないかもだけど…

中学のとき、グレープの『朝刊』という曲の「僕は君に新聞通になってほしくない」(さだまさし) という歌詞を聴いて、意味がよくわからなかった。

先週、大森靖子ファン仲間の「名前は、まだ無い。」さんと、結婚相手は自分にないもの持った人じゃない? って話をして、そうそう同じって共感しあったんだけれども。

わたしの妻はニュースを何でも知っていて、いろいろ屈託がなくって。それがよかったはずなのに、長いこと連れ合ってるといつしか「なぜに疑うこともなく学校のお勉強受け入れられんの ? 」みたく難癖つけたりするようにもなって。

でもそれって家族に愛されて、安心して過ごせた子ども時代ゆえに、知ることが純粋に楽しくて、もらった教科書をすぐにぜんぶ読んでしまった ! というそれまでは嫌味にしか聞こえなかったエピソードが一転、微笑ましさに反転するような、幸せな子ども時代だったってことなんだ。

それこそが自分との違いだったんだなって30年くらいして初めて知る。それは月美さんのエッセイが気づかせてくれたことだ。文学の効用。明らかに。

この夏、最大の生きづらさ応援トークイベントと銘打たれていたので、わたしの生きづらさは、最近よく言ってる、戸谷洋志さんが「私たちはスマートなものによって発揮される暴力性」を「スマートな悪」と名付けたようなやつ。

お仕事だってスマートになったようでいて、どこに悪 ( 意 ) があるのか知らんがやたらキッツイ、苦しい、ツラいのはなんで ? 

そんな問題提起ができたらなぁと、漠然とだが思っていた ( 能力主義と自己責任に関わることを指摘してた人がいた ! とこの後わかるやつ )

ところが質問は30秒以内で ! というルールなのもあって「ビジネス書についてはどう思われますか ? 」などと月美さんを困らせる質問をしてしまった。外してしまった。

小山田圭吾の話から入った瞬間、見せてくれた親しみの笑顔を、直後に曇らせることになってしまった。

次の週、ウォーキングしながらツイッター ( 現 X ) にアップされていた朗読を聞いていて…

私が公的な所属先を長く授かったのはあの公立中学だけで、関係が継続しているのは地元だけで、高校も大学も中退し、会社勤めをしたこともなく、私は毎晩地元の夢しか見ない。( P28 『団地』より ) 

泣いた。

この日、たしか文章の話になったとき月美さんは、

「私のヤンキー魂、それは口だけ番長じゃなくって、行ないが気になるんだと思います」

ヤンキーでもないわたしの魂が震わされた。
この日、来てよかったと思った。

そうかもしれない。そうかもしれないけれど。でも、私は努力した。( P172『友だち』より )


書店で見て、気になってはいた勅使川原真衣さんの、

『働くということ 「能力主義」を超えて』

これは月美さんが勅使川原さんとやり取りされていて改めて興味を持ち購入して読んだ。
それで、先週「名前は」さんと寄った新宿の紀伊國屋書店では、

『職場で傷つく リーダーのための「傷つき」から始める組織開発』( 大和書房 )

を購入した ( 次に読む。楽しみです! )

SNSっていろいろあるけど、自分にとってはいいこと、面白いことばかり起きる。


重版出てたけど下にあった初版を選んだ


ボロボロのスマホケース、パンパンのリュックを引きずって…中には フェス用と宿泊の荷物、お酒の3本セット ( わたしへのお土産 ) 見つからないコインロッカー、探しまわる。歩きまわる。浅草だし、見つからず。奇跡的にひとつ空く。ホッとする。渡せたお土産は少し。渡せなかったお土産。家族に買ってきた風になった、お土産。痩せた猫。痛い、痛い、痛い。

彼女は浅草寺の常香炉で「頭が良くなりますように、頭が良くなりますように! 」と煙をかき集めて、何度も自分の体にかけていた。

わたしも妻のお下がりのボロボロのほぼ日手帳、革が剥がれたところをデカクリップ📎をいくつもつけて ( 人から隠して ) 使ってる。

変なやつ。


石田月美さんの本、
友達の間で流行ってる。うれしい !

読んでいただき、ありがとうございました。




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