『アーカイブズ通信』#5「文書館とは何か」
県や市町村には、文書館や公文書館と呼ばれる施設があります。
一般的に文書館というのは、行政機関、企業、団体など、さまざまな組織体あるいは個人がその活動の中で作成したり受け取ったりしたナマの文書記録を、永久保存して一般の利用に供する施設のことです。
文書館は英語で「アーカイブズ(Archives)」といいます。日本ではまだ馴染みのうすい存在ですが、いわばライブラリー(図書館)やミュージアム(博物館)の仲間で、欧米をはじめ諸外国では人気な施設です。
日本では、国立公文書館をはじめ、最も早く設立された山口県文書館(1959年設立)を筆頭に40都道府県の地方公共団体に文書館や公文書館があって、古文書類や過去の公文書その他の記録の保存・公開が行われています。
1987年12月に「公文書館法」という法律ができて、「国及び地方公共団体は、歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関し、適切な措置を講ずる責務を有する」と定められたことが、現在までに文書館施設の数が増加していることに繋がっています。
ちなみに、大分県には「大分県公文書館」(1995年設立)があり、九州で最も早く設立されました。
また、民間企業や大学でも、すでに文書館にあたる施設を設けているところがあります。別府大学にも「別府大学アーカイブズセンター」があり、大学文書館に相当する施設となっています。
次回は、文書館の目的について紹介したいと思います。
≪次回≫
『アーカイブズ通信』#6
「文書館の目的」