NPD(自己愛性パーソナリティ障害)特有の「上から質問」を分析してみた
NPD(自己愛性パーソナリティ障害)とは、ナルシシズムをこじらせて病気になった人のことです。
特徴はこちらに書いてあるので、まだご存じない方は参考にしてください。
このNPD(自己愛性パーソナリティ障害)についてまだ書いていなかったことがあるので、今回はそれついて詳しく分析してみたいと思います。
NPDの人は「上から質問してくる」という奇妙な習性を持っています。
普通、分からないことがあったらへりくだって教えてもらいますよね?
相手がその分野の専門家ならなおさらです。
しかし、NPDはへりくだることができません。
なぜなら自分は万能で誰よりも優れているという妄想に取り憑かれているからです。
その妄想を実現させるため、NPDはターゲットを探し、支配し、隷属させます。
これを本気で、しかも良心の呵責なく行うのがNPDです。
そんな人間が誰かに頭を下げ教えを請うことなどできるはずがありません。
とはいえ、生きていれば必ず誰かに何かを教えてもらわねばならないシーンに出くわします。
そんなときにNPDがどうするのかというお話です。
これはNPDあるあるでもあり、こんな態度で質問してくる人がいたらNPDの可能性があるから逃げて!という警告でもあります。
NPDの葛藤
分からないことがあり、詳しい人に質問して理解したい、でも絶対に人の下には立ちたくない!
これがNPDのマインドです。
ちなみに、NPDでも質問する側、教えてもらう側はへりくだらないといけないということぐらい分かっています。
だから、一応NPDの中にも葛藤はあるのだろうと思います。
さて、この「教わりたい」と「下に立ちたくない」という矛盾をNPDはNPD的にどう解決するのか?
①怒りながら質問する
皆さんの周りで、なんかいつも怒りながら質問してくる人っていませんか?
そして、その圧に負けて、気がついたらこちらが教えているのになぜか下に立っていたという経験はありませんか?
これがNPDの質問の顕著な特徴です。
NPDは質問に怒気を含めて圧をかけていけば、質問者である自分が上に立てるということを知っています。
ですから、質問するときは常に怒気を含ませます。
あるいはここぞという上に立ちたいときだけ質問に怒気を含ませるNPDもいるでしょう。
そんな風に質問されると、たいていの人はビクっとし、焦ったり萎縮してしまいます。
そうなるともうNPDの思うツボです。
②知らないマウント
NPDは本気で自分が万能だと思っているので、他人(特にターゲットやそれに準ずる人間)が知っていることを自分が知らないという事実が受け入れられません。
そこで登場するのが「知らないマウント」です。
相手の口から出てきたワードに対し、「知らんな~」となぜか偉そうな態度で言ってきたり、おおげさに首を傾げてあたかも『それを知ってるお前がおかしい』といった空気を醸成したり、とにかく”知らない”自分を優位に立たせよう、”知っている”相手を下げようとしてきます。
普通に考えれば知らない人よりも知っている人の方がその件に関しては偉いはずですが、NPDは心の中では『万能者たるこの俺が知らないのだから、知っている方がおかしい』と本気で思っています。
そしてNPDは、年齢、地位、その他社会的立場を駆使し、質問をし教えを請うている身でありながら、”知っている”相手を下げ、”知らない”ことでマウントを取っていきます。
この荒唐無稽なやり方をなぜか高確率で成功させるのがNPDです。
実際僕もこの手法で妙なマウントを取られたことが何度もありました。
③侮蔑
さらにNPDの特徴として、自分から質問して教えてもらっているにも関わらず、その回答や質問している内容そのものを侮蔑する傾向があります。
一つありそうな例を挙げてみましょう。
AがNPD、Bがターゲットあるいはそれに近い人間とします。
BはAより立場が下になります。
あるときAがネットで「○○草」という表現を知ったとします。
それを若いBに対して質問します。
A「この”○○草”ってどういう意味だ?」(ちょっと怒りながら)
B「え?(なんか怒ってる…)えと…それはネットスラングで”面白い”という意味です。ネットでよく使われますし、ラインとか日常会話で使う人もいますよ」
A「知らんな~そんな表現は。で、なんで”草”が”面白い”になるんだ」(知らないマウント+さらに圧)
B「そ、それは……元々笑いを表現するために”W”が使われていて、それが並んで”WWWW”となっているのが草に見えるからでして…」
A「最近の若いやつはネットで変な日本語ばかり使って…だから語彙力が低下するんだ!」
こんな感じでAは、怒り→知らないマウント→侮蔑のNPDコンボを決め、質問者でありこの件に関しては無知であるにも関わらず、最初から最後まで相手にマウントを取って意気揚々と去っていきます。
Bは質問に答えてあげているにも関わらずなぜか怒られ、萎縮し、自分より無知な質問者にマウントを取られたあげく、侮蔑されてしまいます。
実際僕もこのコンボをそのまま何度も受けたことがあります。
④矮小化→吸収
さて、ここからがちょっとしたNPD生態研究になります。
NPDが質問し、一応回答を得た後、その内容をどう処理するか?
僕が知っている限りだとNPDはそれを矮小化し、吸収します。
どういうことか見ていきましょう。
NPDが質問内容を理解する際、だいたい「○○みたいなもんか?」と、自分の知識や経験の中にある同じような事例で無理矢理納得しようとします。
これを僕は「矮小化からの吸収」と認識しています。
そもそも質問するということは、自分の中にない知識に触れるということです。
そして、それを理解することで自分の知の範囲を増やすことに質問の意味があります。
図にするとこんな感じ。
元々の知識の範囲に、新しい瘤のような知識が加わりました。
これは新しいものなのでまだ吸収はさず、若干異物に近い状態でくっついている状態です。
ですが、知識の幅がほんの少しですが拡大されたことも事実です。
一方NPDは、せっかく得た新しい知識を「こんなもんか?」と元々の自分の知識で無理矢理理解したことにし、即座に吸収します。
すると、下図のように元の知識は拡大しません。
外から見ると、あたかも新しい知識を瞬時に理解して自分のものにする”できる人”のように感じられますが、実際は自分の元の知識や能力に照らし合わせて(それ自体はそれなりにある)、新しい知識を元々の自分の知識や体験に置き換えて理解しているだけなので、知識は拡大されません。
また、せっかくの新しい知識も結局本質が捉えられないままです。
NPDが地頭がいい割には正確な知識に乏しく、能力のわりに意外なほど成長しないとされているのは、この矮小化→吸収という作用によるものだと僕は理解しています。
そもそも自分には誰よりも知識があり、自分の知識が一番上だと無条件に信じて疑わないのがNPDですから、他人から得た知識で自分を変える必要など一切ないと考えています。
ではなぜ質問をするのかというと、それ自体が攻撃(威圧、支配、モラハラ、マウント)のための方便にすぎないからです。
このように、どんな場面でも相手を道具としてしか扱わないのがNPDの特徴とされています。
質問が質問として機能していない人は危険
このように、質問しているにもかかわらずなんか上からだったり、突然理解したような振る舞いをしたり、マウントを取ってくるような人はNPDの傾向が強いと考えていいでしょう。
仮にそれらがよく分からなくても、この人の質問に答えるのがなんか恐いとか、質問に答えるだけで緊張する、質問に答えてあげているのになぜか自尊心や自己肯定感が下がるといった感じがしたら、一度距離を取ってみたほうがいいかもしれません。
既にあなたはNPDのターゲットになっており、質問にかこつけて支配や洗脳を始めている可能性があるからです。