由来は違うのになぜか外国語と共通している日本語4選
不思議なことに、日本語と外国語で由来は全く違うのになぜか意味が共通している言葉がいくつか存在します。
僕が知っている範囲でそれらを4つご紹介します。
だる
日本語の「だるい」と英語の「dull」は意味がほぼ一緒なことから、しばしば「だるい」の語源が「dull」だと勘違いされるそうですが、「だるい」という日本語は江戸時代からあるそうです。
語源は古語の「たゆし」で、それが変化して「だるい」に定着したとか。
日本語の古語が変化していったら英語と同じになったというのがとても不思議です。
あっそう
ドイツ語をちょっとかじった方にはよく知られている話ですが、日本語の「あっそう」とドイツ語の「Ach so」は、意味も発音も全く同じです(方言によって「あっぞー」になる場合も)。
ちなみに僕はハンブルグに4ヶ月ぐらい住んでいたことがあるんですが、「あっそう」でした。
この言葉本当に日常でよく使うので毎日のように聞きました。
マンモス
懐かしのノリピー語です。
知ってる人は40代以上確定ですねw
説明すると、ノリピー語は酒井法子さんがアイドル時代に使っていて、当時かなり流行っていた言葉です。
例えば、うれピー=嬉しいなど。
その中で、「マンモス」という表現があります。
用例)
ノリピー、マンモスうれピー
意味)
ノリピーはとっても嬉しい
実は形容詞としてのマンモスという表現は英語にも存在します。
意味は「とても」「たくさん」で全く同じ。
古典的名作であるOヘンリーの「賢者の贈り物」(The Gift Of The Magi)にも出典が見られます。
意味は「とても大きなタスク」となります。
ノリピーも脱薬というマンモスタスクを抱えていることを考えると感慨深い一文です。
ノリピー語は実は深い英文学の素養の元に構築された高度な言語であったのかもしれません。
ギャル
すっかり日本語として定着したギャルですが、もちろんこれは英語のGirlが和製英語となり、さらに特殊な意味が加わったもの……と思っていたら、なんと、古いブルースソングに「ギャル」が登場しているのを発見しました。
出典はラフカディオ・ハーンがシンシナティ時代に黒人労働者を取材した「Levee Life」という雑誌記事(1876年寄稿)。
こちらの記事を書いているときに発見しました。
タイトルは不明ですが、モーリーという二重の性格を持った可愛そうな女の子の歌のようです。
出典:
(ダウンロード可能)
翻訳すると、
モーリーはいいギャル、悪いギャル
オー、モーリー、漕げギャル
(×2)
俺はこのボートを漕ぐ、だがもう漕げない
漕げ、モーリー、漕げ、ギャル
俺はこのボートを漕ぐ…やっぱり岸へ戻る
漕げ、モーリー、漕げ、ギャル
前甲板の船長は水深を測る
オー、モーリー、漕げギャル
水先人からモーリーに「前進」と伝えさせよ
漕げ、モーリー、漕げ、ギャル
モーリー、めっちゃこき使われててかわいそう……
ちなみにここで使われている「gal」は当時(1870年代)の黒人訛りだと思われます。
他にも「this」が「dis」と表記されています。
当時の黒人労働者が本当にそう綴っていたのか、それとも訛りをハーンが正確に綴ろうとしたのか、それは分かりませんが。
一応言っておくとこのモーリーという子が現代日本で言う「ギャル」ということではありません…
いやあ、言語って面白いですね。