人のために何ができるか
これから何の仕事をしていこうか考える日々が続いています。
デザインをやりたいとか、ライティングをやりたいとか、少しずつ光は見えてきたような気はするけれど、未だにそれがはっきりとした形で自信が持てていません。
だから今は勉強したり、低い単価の仕事を請け負ったりして、自分なりにそれが合っているかを試しています。
それがいつまで続くかわからないし、海外でニートをしているという現実を思い出すたびに大きな不安が襲ってきます。
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7月から東欧の国・ジョージアを生活拠点としており、今は国の中心部に位置するクタイシという都市に来ています。
クタイシはジョージア第2の都市として14万人ほどの人口を誇っており、郊外にある空港はヨーロッパ方面へ向かうLCCの発着拠点となっていることから、ジョージアに来る多くの観光客がこの地を経由します。
そんなクタイシにはとてもユニークなゲストハウスがあります。僕は今回初めて宿泊し、素敵な体験をすることができました。
このゲストハウスは、ジョージア人のお婆さんとお爺さんが夫婦で経営しており、宿泊サイトでは高評価がついています。その最大の魅力は、オーナー夫妻によるそのホスピタリティです。
朝食と夕食は、宿泊者とオーナー一家みんなで卓を囲み、一緒にご飯を食べます。食事はお婆さんが作ることもあるし、宿泊者が自ら調達から料理までして他の宿泊者に振る舞うこともあります。
このゲストハウスはただの宿に留まらない旅人の交流拠点となっており、今まで数多くの宿泊者がここを訪れ、そしてリピートしていきました。
正直、クタイシはただの通過地点だと思っていました。街の規模に比べて見どころは少ないし、活気はあまりありません。
しかし、このゲストハウスに来てこの街が大好きになりました。シャイな僕でもみんなとコミュニケーションを取れたし、楽しく盛り上がることができました。
オーナー夫妻や他の宿泊者は、買い物に行ったり、料理をつくったり、みんなで一緒に楽しむために率先して自分ができることをしており、その姿に深く感動しました。
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人のために自分は何ができるだろうか。
2011年の東日本大震災の後、日本各地でユニークな支援をしている人がいました。ポスターをつくったり、被災地の食べ物を率先して食べたり、支援金という形に留まらないアイデアで被災地にエールを送っている人が多くいました。
その時僕は、人のためにできることは実はたくさんあるのではないかと思いました。
支援となると、まずお金のことが頭に浮かぶけれど、支援の種類とは他にもたくさんあります。被災地の人に元気になってもらい、自分も応援していることが伝われば、それは支援なのです。
募金をして自分の生活が苦しくなったら、それは被災地の人にとって嬉しいことではないでしょう。自分を犠牲にせず、自分ができる範囲で、自分ができるように行動していくことが大事です。
受け取る相手も人間だから、感情に寄り添っていくことが大切だと思いました。
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仕事とは「人のために何ができるか」といった利他的な行動のことです。
自分の時間、能力、体力を尽くして誰かを助ける、ということが仕事の根本的な考え方です。僕自身もそうですが、この視点がしばしば抜け落ちることがあります。
今までは、これから何の仕事をしていこうか、という視点で考えていたけれど、もっと広く物事を捉えて「自分は人のために何ができるか」という利他的な視点に立って、今後の人生について考えていきたいと思いました。
ゲストハウスの人たちの、買い物に行ったり料理をしたりといった行動は、仕事という意識は持っていないだろうけど、立派な利他的な行動です。誰も自分を犠牲にはしていないし、でも傍から見ればそれは立派な仕事です。
楽しみながら人のために尽くせたら、それは誰にとってもWin-Winです。僕はまだまだ思考が凝り固まっていたかもしれません。
これからは、もっと利他的な観点で仕事というものを捉えていこうと思っています。そして、その先にあるだろう自己実現に向けて突き進んでいこうと思っています。
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サムネイルの撮影場所はコルキスの噴水(クタイシ)