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アルメニア入国記録 〜イミグレで格闘した話〜
東欧の国・ジョージアに来て1ヶ月半が経ち、徐々に旅に行きたい意欲が湧いてきました。
ジョージアという非日常の環境も時間が経つと日常へと変わっていってしまうため、嬉しさと寂しさの両方を感じるようになっていました。
だから今滞在している首都のトビリシを飛び出して、違う都市に行こうと計画を立てていました。
もちろんフリーランスに成り立ての身分なので、あまり贅沢な旅を出来ないし、隙間時間で作業を進めたいとは思っています。
そんな時、隣国・アルメニアの状況が騒がしくなってきたことを耳にしました。
長らく続いているアゼルバイジャンとの紛争が新たな展開を見せてきて、このまま戦況が悪化していくと国境が封じられる可能性が出てくるとのことでした。
だから、思い立ったが吉日。ジョージアの国内旅行をやめて、今のうちにアルメニア旅行に行くことにしました。
僕は本来じっとしてられない旅人なので、今ジョージアにいるのに関わらず海外旅行に行きたい気持ちを感じていました。だからこの際ちょうどいいタイミングでもあったのです。
そんなこともあり、昨日トビリシからアルメニアの首都エレバンまでバスで向かうことになりました。
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朝11時、市内南部の地下鉄アブラバリ駅の近くの教会前でエレバン行きのバスに乗り込みました。
これから外国に行こうというのに全く実感が湧いていなく、パスポートを持っていること以外はいつもと同じ旅行の気分でした。
というのも、陸路で国境を越える旅だったし、バスがとても簡易的なものだったからです。
いつもであれば素通りしてしまうような街角のバス乗り場に「Yerevan」と書かれた紙を挟んだバンが数台停車していました。
![](https://assets.st-note.com/img/1660761794271-gB69ZZUpLA.jpg?width=1200)
現金50ラリを支払い、ジョージアではマルシュルートカと呼ばれる三菱のバンに乗ってエレバンへ向かいます。
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ジョージアとアルメニア、そしてアゼルバイジャンの3ヶ国は、総称して南コーカサス三国と呼ばれます。
そのような呼び方があるから、一見友好的に見えるものの実際はアルメニアとアゼルバイジャンはとても仲が悪く、常に紛争状態となっています。
ナゴルノ・カラバフを初めとした領土問題、そして背後に控えるロシアやアメリカと行った大国の存在がこの地域の関係を悪化させています。
だからアゼルバイジャンへの訪問歴がある人は、アルメニアに入国出来るかどうかがわからない、と言われていました。
僕はジョージアに来る前にトランジットで1泊、アゼルバイジャンのバクーに滞在していたため、そのことがとても気がかりでした。
もし入国出来なかったらと思うと不安な気持ちもあったけれど、行きたいところに行ってみたいというワクワク感が勝り、アルメニアに行ってみることにしました。
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トビリシを出発してわずか1時間で、ジョージアとアルメニアの国境に到着しました。
小さな国境検査場では、特に質問もされず、なんの問題もなく出国ができました。
入国の時もそうだったけれど、ジョージアではパスポートの一番後ろのページにスタンプを押されます。なぜなのでしょうか。
バスで国境を越え、アルメニアの領土へ。アルメニア側の国境検査場も同じように小さな施設で、荷物チェックもあるため全てのカバンを持って列に並びました。
![](https://assets.st-note.com/img/1660762266410-WPdUakYTPW.jpg?width=1200)
パスポートを渡し、最初は日本人という珍しさからじろじろと見られましたが、パスポートにあったアゼルバイジャンのスタンプを見つけて、一気に顔色が変わりました。
担当者は英語が全然話せないながら、アゼルバイジャンの入国目的について聞いてきました。
「トランジット目的で一晩しか滞在しなかった」と伝えると、それならOKという素振りを見せたものの、それでもまだスタンプは押されません。
次に電話番号と滞在先のホテルを聞かれて、紙に書いて渡しました。幸い、まだジョージア側の電波が入る状態でした。
それでもまだ顔色は良くならず、他にもいろいろと質問をされるも英語になっていなく、全然理解できませんでした。
今日これから入国してエレバンに向かうことと1週間滞在して再びジョージアに戻ることを何度も伝えて理解してもらったところ、やっと入国スタンプを押されました。
費やした時間は10分以上。バンの他の客を待たせる形になってしまったけれど、なんとか入国出来てホッとした気分でした。
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合計6時間のバス旅を終え、17時にアルメニアの首都・エレバンに到着しました。
アルメニア入国後は広大な自然の景色を見れてとても感動しました。
ケータイの電波は入らないし、街中の看板はまたジョージアとは違う文字だったし、お店に入ってもラリではなくドラムという通貨が使われているといった様子を見たことで、改めてここはジョージアではなくアルメニアなんだと感じ、ふつふつと実感が湧いてきました。
これから1週間エレバンに滞在し、観光もしつつ、空いた時間には引き続きデザインの勉強も進めていきたいなと思います。
治安が良くない情報もあるので、気をつけながら行動していきたいと思います。
以上、32ヶ国目の訪問となるアルメニア入国のお話でした。これから少しの間、このnoteはアルメニアからお届けします。
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サムネイルの撮影場所はバグラタシェン国境検査場