ドイツの地方都市マインツを訪れて感じた気持ち
ドイツの主要都市フランクフルトでの4泊は長いものでした。日帰りでケルンへ行ったけれど、それではまだ足りない気もしていました。
昨日投稿したゲーテハウスは、フランクフルトを代表する観光地です。その後、街中を歩いたり、クリスマスマーケットを物色したりしていたけれど、この街にもうこれ以上の観光を望めない気もしていました。
昨日は朝、その時感じた気分で隣町のマインツ(Mainz)に行くことにしました。日本人のサッカー選手が在籍していたから名前だけは知っていたけれど、何の情報も持っていませんでした。
急いで行き方や観光地を検索して、急遽思い立った都市を訪ねてみました。
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マインツへはフランクフルト中央駅から西に電車で40分程度の場所にありました。人口は21.7万人と、日本では東京の荒川区や広島の呉市ほどの規模感です。
市の中心には大きなマインツ大聖堂が鎮座しています。西暦1009年という歴史ある大聖堂は、ドイツの他の都市で見られるゴシック建築とは異なり、それ以前の時代に主流だったロマネスク建築の様式で建てられています。
活版印刷の発明家ヨハネス・グーテンベルクの出身地として知られ、市内には博物館があります。また、ドイツの国内サッカーリーグ「ブンデスリーガ」の「1.FSVマインツ05」というチームがあることでも知られています。
ライン川とマイン川の合流地点に位置していることから、古くから河川交通の要衝として築き上げてきました。
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依然続く氷点下の気温の中、9ユーロを超える高額な切符を買い、フランクフルトからマインツを目指しました。
マインツ中央駅に降りると雪がちらついていました。明るい時間に見る雪はドイツに来てから初めてだったので、気分は上がりました。
駅前に出ると、人々は暖かそうなダウンを着て街を行き来していました。駅前にはトラムがゆっくり走っていました。僕は駅の売店で買ったドイツ名物のプレッツェルを食べながら、街を歩くことにします。
マインツは静かな地方都市でした。
中心街は栄えていて、お店はたくさんあるものの、騒がしさはなく、道路もスッキリしていました。人々の顔には笑顔があったし、雪の中でも元気にサッカーをする少年たちがいました。
フランクフルトやケルンとはまた違う街の姿に気持ちは高まります。
たどり着いたマインツ大聖堂は、それまで見ていた大聖堂とは大きく異なる形でした。
それまで見ていた大聖堂にあった精緻で荘厳な雰囲気はなく、ピンク色で親しみやすい可愛さもある大聖堂でした。これがロマネスク建築なのか。勉強になりました。
中に入ってみると、天井が高く、奥行きもあるピリッとした空気がありました。それでも細部に装飾が施され、歴史を感じつつ芸術性の高い空間でした。ステンドグラスはシンプルではあるものの、重厚感も感じられ、他の大聖堂にはない独特の雰囲気を感じました。
大聖堂前のマーケット広場ではクリスマスマーケットが広げられています。他の都市のものと同様楽しい気分になりました。
裏道には小さな教会やベーカリーがあり、派手さはないものの丁寧な暮らしをするにはぴったりな都市だと思いました。
小高い丘を登った先にある聖シュテファン教会は、驚きの空間でした。
窓に埋められたステンドグラスはどれもブルー。外の光が青くなって荘厳な教会を照らす様子は圧巻でした。フランスの画家マルク・シャガールがデザインしたと言われ、どのステンドグラスも芸術性の高いものでした。
綺麗で神秘的な空間は息を飲む美しさで、この空間に佇む時間そのものが幸せでした。
その後、ライン川沿いまで歩きます。
見晴らしの良い河川敷でぼーっとし、大きなタンカーが堂々を目の前を横切る姿にドイツが支えてきた河川交通の歴史を感じました。
最後はカフェでパンを食べながら、マインツの街、そしてドイツへの旅を振り返りました。
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ふと「ドイツって良いな」という純粋な気持ちが湧き上がるのを感じました。
それはヨーロッパという憧れの地にやってきて、徐々にその様子を日常のものとして投影していく中で感じた素直な気持ちでした。
物価は高いし、何をするにもお金がかかる。苦しいことも多くありました。
しかし、この地に立って、自分の気持ちを確かめてみると、それは満足感やより高みを目指したいという気持ちでした。
海外で生きていきたいと思い、フィリピンやジョージアに渡った2022年。うまくいかないことが大半でした。
それでも、また来年も挑戦を重ねていき、もっと成長していきたいという自分の意志を感じました。
ドイツという地で感じたこの感情はもっと深掘っていこうと思いました。
フランクフルトとマインツ。全く土地勘のなかった僕にも肌感覚でわかることが増えてきました。
それは僕自身がまた一歩成長したことでもあるし、少しだけ将来が見えてきたようなことでもあります。
今日ドイツからジョージアに戻ります。この2週間の旅で感じたあれこれを振り返っていこうと思いました。
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それでは、また明日お会いしましょう!