海沿いの街の高揚感
7月にジョージアに来て以降、しばらくは首都・トビリシを拠点にしていました。1週間アルメニアに旅行をした以外は全てトビリシに滞在しています。
9月に入り徐々に寒くなってき始めたので、寒くなる前に出かけてみたいなと思い、昨日からバトゥミという場所に来ています。
バトゥミはジョージアの西端に位置し、黒海に面した都市です。「黒海のラスベガス」とも称されるジョージア国内でも有数の保養地として知られ、夏の期間は国内のみならずロシアや周辺国から多くの人たちがバカンスに訪れます。
飲食店や宿泊施設は、夏の期間に一年分の収益を上げにいくため、冬は人がいなくなりゴーストタウンになってしまうとも言われています。
そんな一風変わった街にやって来ました。
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午後1時を過ぎた頃、海から涼しい風が吹き付けるバトゥミ駅に降り立ちました。小雨が降っていましたが、ところどころに晴れ間が見え、すぐに止みそうな天気でした。
駅の正面には黒海の大パノラマがありました。ジョージアに来てから2ヶ月半の間ずっと内陸にいたため、海を見たのはこれが初めてです。
久々の海に高揚感が上がるのを感じました。広くて開放的な景色は、都市部では味わえない贅沢です。
駅は若干市街地から離れていたため、遠くに観覧車やビル群が見えました。ふと昨年滞在した沖縄中部の北谷町に似ていると感じました。
しばらく黒海沿いの道を歩き、宿に向かいます。
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夕方、宿に着いて一仕事を終えてから、観光をしに街へ繰り出します。
バトゥミは夏の休暇で多くの人が訪れていることから、人口と比べて遥かに数の多いホテルを中心とした高層ビルが林立しています。
また、それらビル群は奇抜なデザインのものも多く、とても濃い異国の漂いがあります。古くから残る街並みのある旧市街に立ってこれらのビル群を背景として見た光景はとても異質で、マカオに近いものを感じました。
バトゥミ最大の魅力は黒海に面したビーチで、黄色い砂浜ではなく黒くて粒の大きい砂利が特徴的です。
全長4kmにもおよぶ長いビーチを端から歩き始めると、まず初めに「アリとニノの像」にたどり着きます。ネットでバトゥミを調べるとこの光景をよく目にするため、とても見覚えがありました。
この奇妙な像はジョージアの彫刻家タマラ・クブシタタドツが制作したもので、バトゥミでも一番の観光名所となっています。実際は思っていたよりも小さかったものの、たまたま夕日を浴びながら二体の像が触れ合うシーンが見れたため、感傷的な気分になりました。
「バトゥミ・ブルバード」と呼ばれる海沿いを歩きます。僕はやっぱり海が見える街が好きかも、直感的にそう思いました。そこで周りに何も遮るもののない黒海の雄大な景色とその奥に沈んでいく夕日を眺めました。
雨上がりの空には無数の雲があり、ギラギラとした太陽が街と人と雲を照らしています。この時、清々しい気持ちになり、心が洗われた気分になりました。
今日こうして日が沈み一日が終わっても、また明日がやってくる。同じような日々を繰り返しても、こうして地球は再び朝を迎える。
自然の摂理を肌で感じて、今の不安定な状況の中でも力強く生きていこうと思うようになりました。
海の奥に沈んでいく夕日から思わぬパワーを受け取ることができました。
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日が沈み、一気に暗くなったバトゥミは夜のイルミネーションが輝いています。トビリシにはないこの人工的な煌びやかさにまた高揚感を感じることになりました。
高級ホテルやカジノがいくつもあっても、人は少なく、もうバトゥミの夏は終わりを迎え始めたのだと思い、寂しい気持ちにもなりました。
煌びやかなエリアを抜けると、そこにはローカルなエリアがあり、トビリシにとても似てる雰囲気を感じました。
トビリシとは大きく異なる派手な街に来ても、結局ここはジョージアなんだと思ってしまいました。
そんなローカルエリアを抜けて、バトゥミの一日を終えました。
今日初めてバトゥミの地に降り立ち、いろんな感情に気づくことができました。海と夕日という大自然に、高層ビル群という人工的な煌びやかさ。またひとつ面白い経験ができました。
切り替わった気持ちを味方に、これからも楽しんで過ごしていこうと思います。
これから一週間は、ここバトゥミからお送りします。
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サムネイルの撮影場所はバトゥミ・ブルバード(バトゥミ)