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スタートアップの法務が、いわゆる法務以外の仕事をすることについて

0 はじめに

このnoteは、裏法務系Advent Calendar2024のエントリー記事です。

きぬんぬさんのバトンを受けて、書いています。

1 スタートアップの法務がいわゆる法務以外の仕事をすること

前社では、最後、法務、業界団体の運営、CS、コーポレートIT・セキュリティ管掌などを担当し、現社では、法務と団体の事務局などを担当しています。

スタートアップでは慢性的に人が不足していることもあり、いわゆる法務以外の業務の声がかかることもあると思います。また、法務の場合、いろんな人とかかわり、会社の動きを把握しやすいので、横に展開しやすい部分もあるように感じています。

①他部署経験のメリット

個人という観点からは、他部署経験をすると、その部署のイメージがより、つきやすくなる分、法務相談で、相手の文脈を踏まえた回答をしやすくなるところは、メリットになると思います。

また、スタートアップだと、新しい事業が日々起こるということは少なく、一定期間いると、業務としては、必ずしも新鮮なものばかりという状況ではなくなります。そのため、他部署経験という新しい業務は、新鮮さや知的好奇心を満たす面白さがあるように思います。

会社という観点からは、少なくともそのフェーズでは、はまってくれるであろう部署にアサインしており、そこがワークすれば、会社にとってプラスになり、ものごとが前に進むということもあると思います。

②他部署経験の悩ましい点

他方で、それまで何年もかけて専門性を培ってきた分野以外の分野に足を突っ込んで、専門性の部分が薄まっていってしまわないか、専門外の分野でバリューを出せるのか、というのは、悩ましい部分です。

また、会社が大きくなると、結局、いわゆる法務以外の分野は、その分野の専門性が高い人が担うのではないかというところもあります。

2 判断軸

結局、一長一短な部分があったり、会社によって環境も違うため、一概に、受け入れるべき/受け入れるべきでないということは言いにくいですが、
会社としてはそのリソース配分がよいと思っているはずなので、あとは、(選択権がある場合)個人的には、一過性のポジションであったとしても、自分が楽しめそうか、役に立てそうかを考えるようにはしています。

実際やってみて、法務の中だけでは得られない知識や考え方に触れることができ、視野も広がったように感じます。会社も、(法務も含む)いろんな要素、いろんな人の中で動いているというのを体感でき、また、最後までやり抜くことで結果がついてくるものも面白い点だと感じます。

3 終わりに

十数年前に就活をしていたときは、正直、弁護士を法務で採用するのに、部署変更可能性ありというのは何でなんだろう、と思っていました。
そんななかで、スタートアップに入り、いわゆる法務以外の仕事もやるようになるなかで、
会社目線で考えると、会社としては、最適なリソース配分をしたいのであって(それが、法務をずっとやることであることは、往々にあるとしても)、
(ケースによりますが、必ずしも)法務をやる弁護士(固定)が欲しいわけではないということを改めて実感しました。

次は、牧草ロールさんです。

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淺井健人
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